この記事でわかること・結論
- リフレッシュ休暇とは、年齢や勤続年数に応じて付与される休暇のこと
- リフレッシュ休暇は法定外休暇であるため、給与を支払うかどうかは企業に委ねられているが給与支払いのある会社が多い
この記事でわかること・結論
企業が従業員に付与するリフレッシュ休暇は、年齢や勤続年数に応じて一定日数与える休暇のことです。主に従業員に対する心身回復のために導入している企業も多いです。
リフレッシュ休暇は、年次有給休暇などの法定休暇とは異なり「法定外休暇」であるため法律に縛られず各会社が独自で定めることができます。
本記事ではリフレッシュ休暇について、導入のメリット・デメリットや実際に運用する際の注意点を解説します。また、リフレッシュ休暇を申請する際に活用できる申請書の無料テンプレートも公開しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
リフレッシュ休暇とは、従業員の年齢や勤続年数に応じて付与される休暇のことを指します。付与されるのは数週間〜数カ月間と従業員によって異なります。
リフレッシュ休暇は、法定休暇(年次有給休暇など)ではなく法定外休暇です。そのため、会社側が就業規則などで任意に定めることができます。
厚生労働省の資料では、リフレッシュ休暇は「労働者の心身の疲労回数」を目的とされている旨が記載されています。
厚生労働省の調査によれば、2023年度でリフレッシュ休暇を導入している企業は「12.9%」だそうです。また、1,000人以上の大企業では43.6%も導入しているそうです。
リフレッシュ休暇の導入率 | |
---|---|
2023年度 | 12.9% |
2022年度 | 11.8% |
2022年度と比較してみてもリフレッシュ休暇を導入している企業は増えている傾向にあることが分かります。
リフレッシュ休暇は内容だけ見ると年次有給休暇と似ていますが、明確な違いがあります。それは「法律で定められているかどうか」です。年次有給休暇は休暇のなかでも法定休暇に区分されるため、企業には従業員へ付与する義務があります。法定休暇には以下のようなものがあります。
対して、リフレッシュ休暇は法定外休暇です。企業が任意で定めることができるため、導入の有無や内容は会社によって異なります。法定外休暇にはリフレッシュ休暇のほかにも以下のようなものがあります。
上記のような法定外休暇は会社によって有無が異なるため、自身が所属する会社に法定外休暇があるのかどうか気になる方は、就業規則などを確認すると良いでしょう。
リフレッシュ休暇は主に中小企業や大企業などサラリーマン向けの取り組みのように感じますが、実はパート・アルバイトでも取得可能な会社もあります。ですが、正社員と取得条件が同じでない場合がほとんどです。気になる方は自身が働いている会社の就業規則を確認してみると良いでしょう。もしくは職場の上司などに伺ってみましょう。
リフレッシュ休暇は法定外休暇であるため、取得内容や賃金についても法律で定められていません。そのため取得中に給与を支払うかどうかも各企業に委ねられています。
有給とするか無給とするかは企業次第ですが、無給である場合はせっかくリフレッシュ休暇を導入しても取得してくれない可能性があります。
従業員のモチベーションなどの観点からリフレッシュ休暇中も給与支払いのある会社が多いです。
リフレッシュ休暇を導入することについて、企業側・従業員側それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
リフレッシュ休暇を企業に導入することのメリットは「従業員のモチベーション維持・離職率対策・ストレス回復」などがあります。長期での休暇があることで、従業員の心身回復を実現できるでしょう。
また、会社としてリフレッシュ休暇などの法定外休暇が豊富に用意されていることで、採用面についても「印象や求人率アップ」に繋がります。
リフレッシュ休暇などの法定外休暇を用意するデメリットは「業務の停止がある」ことや「最初は浸透するまでに時間がかかる」などがあります。
会社のなかでも立場のある方や、業務の中心にいる方が取得することで進捗に影響することもあるでしょう。また導入直後は、周知などしなければ取得率も上がらず社内に浸透するまで時間がかかるでしょう。
リフレッシュ休暇を導入することによる従業員側のメリットには「長期的に休めるため旅行なども行ける」「仕事への切り替えやモチベーションが上がる」などがあります。
法定外休暇であるため会社によって日数などは異なりますが、長期的に休暇を設定する会社がほとんどです。そのため、旅行など土日では実現できない予定を入れることも可能です。
リフレッシュ休暇が待っているということから「仕事に対する熱意やモチベーションおよび業務効率化がアップすること」もメリットとしてあります。
従業員側がリフレッシュ休暇を取得する際のデメリットとして「休暇中の業務についてあらかじめ対応しておく必要がある」ことです。
リフレッシュ休暇を取得することで業務が滞るのであれば、代わりの人を探すことや引き継ぎなどをしておかなければなりません。進行中のプロジェクトなどの中心にいる従業員や自分しか担当できない専門性のある業務をしている方などは特に注意しましょう。リフレッシュ休暇中でも円滑に進むようにあらかじめ手配しておかなければなりません。
クライアントやお得意先と関わっている方であれば、リフレッシュ休暇を取得する前にちゃんと連絡が数日取れない旨を伝えておきましょう。トラブル回避のためにも、社内・社外に対する前準備が必要ということがデメリットです。
企業がリフレッシュ休暇を導入する際はいくつか注意点があるため、ここで解説します。リフレッシュ休暇の導入を検討している担当者の方は以下のポイントを覚えておきましょう。
上記のポイントをおさえておかないと後々トラブルになることもあります。求人や離職などにも影響してくる可能性があるためしっかりと頭に入れておきたいところです。
リフレッシュ休暇の導入している企業は、勤続年数に応じて一定日数を付与するところが多いです。ですがリフレッシュ休暇の取得条件などについて、ちゃんと周知しなければ取得率も上がらないでしょう。
長いこと会社に属している従業員は、自分がどのくらいの勤続年数かわからないという場合もあります。各従業員が自身の勤続年数などを定期的に確認できるようにすることで、リフレッシュ休暇を積極的に取得してくれる可能性がアップします。
リフレッシュ休暇は、基本的に従業員の好きなタイミングでいつでも取得できるようか会社がほとんどです。ですが、抱えている業務を止めなければならない、もしくは代わりの従業員にお願いする必要があります。
そのため、後ろめたさから若い従業員などであればなかなか取得しないという状況になりがちです。上司などが積極的にリフレッシュ休暇を利用している姿を見せることで、社内全体で取得しやすい環境を作ることが重要です。
2つ目のポイントに関連して、日頃から各従業員が抱えている業務についての「見える化」ができていることも大切です。リフレッシュ休暇は、長期での休暇であることが多いため、誰も代わりができないような業務であれば完全にストップしてしまいます。
どの従業員がどんな業務を担当しているかが分かっていれば、リフレッシュ休暇中でも業務を円滑に進めることができます。マニュアルを各業務で用意して誰でも対応できるようにすることもおすすめです。
弊サイトでは、リフレッシュ休暇を取得する際に使える「特別申請書」の無料テンプレートを公開しています。
Word形式なのでご自由に編集ができ、どなた様でも無料でご利用できます。また、リフレッシュ休暇以外にも、アニバーサリー休暇や忌引き休暇、生理休暇などを取得する際にも使用可能です。下記から無料ダウンロードのうえ、ぜひご活用ください。
リフレッシュ休暇は、企業が独自で制定できる「法定外休暇」であり、多くの会社は勤続年数や従業員の年齢に応じた数週間程度の休暇を付与しています。法定外休暇であるため、そもそも導入しているかどうかも企業次第です。
しかし、導入することで企業にとっても従業員にとってもメリットが豊富にあるため導入して運用している会社も多いです。実際に厚生労働省が調査した、2023年のリフレッシュ休暇導入率は1,000人以上の企業で「43.6%」にもおよびます。
リフレッシュ休暇は、自身の業務が止まってしまうことから取得しづらい環境になりがちです。そのため導入後は、会社のなかでも地位のある方や上司などが率先して取得することで浸透しやすい環境を作ることが大切です。
リフレッシュ休暇を検討している企業さまは、本記事を参考にぜひ導入してみてください。
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