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「トライアル雇用」とは?未経験者を育てて正規雇用への道筋を作ろう

「トライアル雇用」とは、経験、技能、知識などが足りず安定した仕事に就けない求職者を、ハローワークや人材紹介会社等の紹介により、事業所が一定期間試行的に雇用することで、国から「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」が受けられる制度です。

この制度を利用することでトライアル雇用期間中に、求職者の適性や能力を見極めることができ、早期離職の防止や人材の確保につなげることもできます。今回の記事では、ハローワークから紹介を受けた場合のトライアル雇用・トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)について、加えて障害者向けのトライアル雇用についても詳しく解説していきます。

トライアル雇用の対象になる求職者とは

まず、トライアル雇用の対象者となる求職者の要件は、ハローワークが職業紹介した日(以下:紹介日)時点で、下記いずれかの要件を満たし、本人がトライアル雇用を希望した場合となります。

  1. 紹介日時点で就労の経験のない職業への就職を希望する
  2. 紹介日時点、学校卒業後3年以内で安定した職業()についていない

    1週間の所定労働時間が通常の労働者と同等であること

  3. 紹介日の前日より過去2年以内に2回以上離職や転職を繰り返している
  4. 紹介日の前日時点でパート・アルバイトを含め離職期間が1年を超えている
  5. 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
  6. 就職の援助を行うにあたり特別な配慮を要する(

    生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、ホームレス、中国残留邦人等永住帰国者、住居喪失不安定就労者

トライアル雇用の具体的な内容

実際にトライアル雇用を行う際、事業所はハローワークに「トライアル雇用求人」を提出します。そして、このトライアル雇用求人により対象者を採用した場合、原則3ヶ月の有期雇用で雇い入れることになります。

また、事業所はトライアル雇用を開始した日から2週間以内に、対象者を紹介したハローワークへ「トライアル雇用実施計画書」と、雇用契約書など労働条件が確認できる書類を提出しなければなりません。冒頭で述べたようにトライアル雇用を行った事業所は、国から「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」が受けられます。

この助成金を受給するためには、トライアル雇用の終了日の翌日から起算して2ヶ月以内に、事業所を管轄するハローワークまたは労働局へ支給申請書を提出する必要があります。また、この申請期限を過ぎてしまうと助成金の受給ができなくなりますので、必ず期限内に提出するよう注意しましょう。

あわせて、対象者がトライアル雇用期間の途中で常用雇用へ移行した場合や、対象者の自己都合で離職した場合は助成金の支給申請期間も変わります。これらのケースに該当することが発生したときは、速やかに紹介を受けたハローワークへ連絡をしてください。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の受給要件とは

では、トライアル雇用を行った事業所が受けられる「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」について詳しく見ていきましょう。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の受給要件

本助成金を受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。

  1. 前項の「トライアル雇用の対象者」に該当している
  2. 紹介日時点において、以下のいずれにも該当しない

    ・安定した職業についている
    ・自営業または会社役員で1週間あたりの実働時間が30時間以上である
    ・学生卒業する年の1月1日を経過しているなかで就職が内定していない
    ・他の事業所においてトライアル雇用期間中である

  3. ハローワーク・職業紹介事業者等に提出された求人に対し、ハローワーク・職業紹介等の紹介により雇い入れること
  4. 原則3ヶ月のトライアル雇用をすること
  5. 1週間の所定労働時間が原則として通常の労働者と同等の30時間(ケースにより20時間)を下回らないこと

上記のほかにも雇用関係助成金共通の要件など、いくつかの受給要件があります。こちらに関してはハローワークのホームページ「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/trial_koyou.html)から、pdf資料「雇用関係助成金共通の要件」をご確認ください。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の受給額について

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の受給額についてですが、まず本助成金は支給期間を対象者のトライアル雇用の開始日から、1ヶ月単位で最長3ヶ月間(以下:支給期間)を対象に助成が行われます。そして、この支給期間中の各月の合計額がまとめて1回で支給されます。

助成金の支給額

対象者1人あたり月額4万円が支給されます。
ただし、対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父である場合や、若者雇用促進法に基づく認定事業者が、35歳未満の対象者にトライアル雇用を実施する場合は1人あたり月額5万円となります。

また、下記(1)または(2)に該当する場合、その月の月額はそれぞれに示す期間中に就労した日数に基づき、「(対象者が当該1ヶ月間に就労を予定していた日数)分の(対象者が1ヶ月間に就労した日数)」によって計算した額となります。

(1)次の(a)、(b)いずれかに該当する場合で、トライアル雇用に係る雇用期間が1ヶ月に満たない月がある場合

(a)対象者が支給期間の途中で離職(下記いずれかに該当する理由による離職)した場合は、その離職日の属する月の初日から当該離職日までのトライアル雇用期間中に就労した日数

  • 本人の責めに帰すべき理由による解雇
  • 本人の都合による退職
  • 本人の死亡
  • 天災その他のやむを得ない理由により、事業の継続が不可能になったことによる解雇

(b)トライアル雇用の支給期間の途中で対象者を常用雇用へ移行した場合、常用雇用への移行日の前日の属する月の初日から、当該移行日の前日までのトライアル雇用期間中に実際に就労した日数

(2)対象者の都合による休暇、または事業所の都合による休業があった場合は、その1ヶ月間に就労した日数(ただし、年次有給休暇等法令により事業所が労働者に対し、付与を義務付けられている休暇は就労した日数とみなす)

障害者トライアルコースについて

最後に障害者へのトライアル雇用「障害者トライアルコース」についてご紹介します。

障害者トライアルコースの概要と受給要件

障害者トライアルコースとは、障害者の早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としている制度です。その概要はトライアル雇用と同じく、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、就職が困難な障害者を事業所が一定期間試行雇用することで助成金が受けられます。

また、本制度の主な受給要件は次にご紹介する対象労働者を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れ、障害者トライアル雇用等実施計画書の届出、雇用保険被保険者資格取得の届出を行った場合に受給することができます。

障害者トライアルコースの対象労働者

  1. 継続雇用する労働者としての雇い入れを希望しており、障害者トライアル雇用制度を理解したうえで、障害者トライアル雇用による雇い入れについても希望している
  2. 障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次のいずれかに該当すること

    ・紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望する
    ・紹介日前2年以内に、離職が2回以上、または転職が2回以上ある
    ・紹介日前において、離職している期間が6ヶ月を超えている
    ・重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者である

障害者トライアルコースの受給

対象者1人あたり月額最大4万円、精神障害者を初めて雇用する場合は月額最大8万円の助成金が最長3ヶ月受けられます。

また、障害者の職場適応状況や体調等により、雇用時の週の所定労働時間を10時間以上20時間未満とし、期間中に20時間以上とすることを目指す「障害者短時間トライアルコース」があります。

こちらの詳細については、厚生労働省のホームページ「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html)をご参考ください。

まとめ

障害者を含めた求職者の適性や業務遂行可能性を見極め、早期就職の実現や雇用の機会を増やすトライアル雇用の制度は、国から助成金を受けながら事業者の求める人材を正規雇用でき、雇用者の早期離職も防げるという点で大きなメリットがあります。ぜひ積極的にこの制度を利用しましょう。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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