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【社労士監修】トライアル雇用とは? 助成金の流れや手続き・条件、仕組みを解説

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トライアル雇用を活用することで、求職者の適性・能力を見極め、早期離職の防止や人材確保につなげることができます。

今回の記事では、トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)を踏まえ、障害者向けのトライアル雇用についても詳しく解説します。

この記事でわかること

  • トライアル雇用の流れや手続き内容
  • トライアル雇用助成金を受給するための条件や受給金額
  • トライアル雇用におけるメリット・デメリット
  • 障害者雇用について
point

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トライアル雇用とは

トライアル雇用とは

トライアル雇用とは、ハローワークや人材紹介会社等の紹介により、特定の求職者を事業所が短期間の試用期間(原則3カ月)を設けて雇用し、企業と求職者双方が適性を判断した後に両者の合意のもとで本採用が決まる制度です。

トライアル雇用のメリット・デメリット
メリット
  • 採用のミスマッチ防止
  • 職務・社内風土との相性を確認できる
  • 本採用の義務がない
  • 採用コストの削減(助成金の支給)
  • 就業経験や就業機会のブランクが長い人に最適
  • 面接までのハードルが低い
  • 業務を通じて、スキルを習得できる
デメリット
  • 教育体制の整備が必須
  • 人材育成の時間とコストがかかる
  • 助成金支給までのタイムラグ(トライアル雇用終了後にまとめて支給)
  • 求職者にとって、本採用が確約されていない
  • 不採用でも(短期の)職歴として残る
試用期間との大きな違いに、トライアル雇用には「本採用義務がない(試用期間は本採用が前提)」、「助成金が支給される」という点が挙げられます。

トライアル雇用の対象者要件

  1. 紹介日の前日より過去2年以内に2回以上離職や転職を繰り返している
  2. 紹介日の前日時点で離職期間が1年を超えている
  3. 妊娠・出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
  4. 紹介日時点で、ニートやフリーター等で45歳未満
  5. 紹介日時点で、就職の援助をおこなうにあたり特別な配慮を要する
    生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、ホームレス、中国残留邦人等永住帰国者、住居喪失不安定就労者、生活困窮者

紹介日とは、ハローワークが職業紹介をした日です。
35才未満の対象者に対してトライアル雇用を実施する場合

ニートやフリーター等で45歳未満の人生活困窮者も対象者となります。

トライアル雇用制度の流れ・手続き

トライアル雇用制度の流れ・手続き

トライアル雇用制度は上記の流れでおこなわれます。トライアル雇用制度を活用する事業主は、以下の手続きをおこないます。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)のご案内│厚生労働省

トライアル雇用制度の手続き

  1. ハローワークに「トライアル雇用求人」を提出
  2. 対象者を採用した場合、有期雇用(原則3カ月)で雇い入れ
  3. ハローワークへトライアル雇用実施計画書と労働条件が確認できる書類(雇用契約書等)の提出
    トライアル雇用を開始した日から2週間以内に提出

上記の手続きで、トライアル雇用を活用できます。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)とは

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)とは

トライアル雇用助成金とは、職業経験、技能、知識不足による就職が困難な求職者を試行的に雇用する事業主に支給される助成金です。

受給要件・受給金額

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)を受給するには、要件を満たさなければなりません。

トライアル雇用助成金の受給要件

  1. 前項の「トライアル雇用の対象者」に該当している
  2. 紹介日時点において、以下のいずれにも該当しない
    • 安定した職業についている
    • 自営業または会社役員で1週間あたりの実働時間が30時間以上である
    • 学校に在籍している(卒業する年の1月1日を経過していて、卒業後の就職内定がない者は除く)
    • 他の事業所においてトライアル雇用期間中である
  3. ハローワーク・職業紹介事業者等に提出された求人に対し、ハローワーク・職業紹介等の紹介により雇い入れること
  4. 原則3カ月のトライアル雇用をすること
  5. 1週間の所定労働時間が原則として通常の労働者と同等の30時間(ケースにより20時間)を下回らないこと

上記のほかにも雇用関係助成金共通の要件など、いくつかの受給要件があります。詳細は厚生労働省に掲載されているトライアル雇用助成金(一般トライアルコース)雇用関係助成金共通の要件(pdf:488kb)をご確認ください。

厚生労働省で掲載されているpdfがダウンロードできます。

トライアル雇用助成金の受給手続き

申請期限(トライアル雇用の終了日の翌日から起算して2カ月以内)を過ぎると助成金を支給できません。

対象者がトライアル雇用期間の途中で常用雇用へ移行した場合や、対象者の自己都合で離職した場合は助成金の支給申請期間も変わります。これらの事案が発生した際は、速やかに紹介を受けたハローワークへ連絡をしてください。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の受給額
支給期間 対象者のトライアル雇用の開始日から、1カ月単位で最長3カ月間
支給期間中の各月の合計額がまとめて支給されます。
助成金の支給金額 対象者1人あたり月額最大4万円(合計12万円)

対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父である場合や、若者雇用促進法に基づく認定事業者が35歳未満の対象者にトライアル雇用を実施する場合は1人あたり月額最大5万円が支給(合計15万円)されます。

支給額算出方法の注意点

(1)または(2)に該当する場合、その月の月額はそれぞれに示す期間中に就労した日数に基づき、「対象者が1カ月間に就労した日数」÷「対象者が当該1カ月間に就労を予定していた日数」によって計算した額となります。

(1)次の(a)、(b)いずれかに該当する場合で、トライアル雇用に係る雇用期間が1カ月に満たない月がある場合
(1)の(a)(b)の事案
(a) 対象者が支給期間の途中で離職(下記いずれかに該当する理由による離職)した場合は、その離職日の属する月の初日から当該離職日までのトライアル雇用期間中に就労した日数
・本人の責めに帰すべき理由による解雇
・本人の都合による退職
・本人の死亡
・天災その他のやむを得ない理由により、事業の継続が不可能になったことによる解雇
(b) トライアル雇用の支給期間の途中で対象者を常用雇用へ移行した場合、常用雇用への移行日の前日の属する月の初日から、当該移行日の前日までのトライアル雇用期間中に実際に就労した日数
(2)対象者の都合による休暇、または事業所の都合による休業があった場合は、その1カ月間に就労した日数
ただし、年次有給休暇等法令により事業所が労働者に対し、付与を義務付けられている休暇は就労した日数とみなす

障害者トライアルコースとは

障害者トライアルコースとは

障害者トライアルコースとは、障害者の早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としている制度です。トライアル雇用と同じく、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、就職が困難な障害者を事業所が一定期間試行雇用することで助成金が支給されます。

障害者トライアルコースの対象者

  1. 継続雇用する労働者としての雇い入れを希望しており、障害者トライアル雇用制度を理解したうえで、障害者トライアル雇用による雇い入れについても希望している
  2. 障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次のいずれかに該当すること
    • 紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望する
    • 紹介日前2年以内に、離職が2回以上、または転職が2回以上ある
    • 紹介日前において、離職している期間が6カ月を超えている
    • 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者である

障害者トライアルコースの手続き

  1. 対象労働者を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れる
  2. 障害者トライアル雇用等実施計画書と雇用保険被保険者資格取得を提出
障害者トライアルコースの受給額
支給期間 対象者のトライアル雇用の開始日から、1カ月単位で3カ月間から
最長12カ月まで設定できます。
助成金の支給金額 対象者1人あたり月額最大4万円
精神障害者を試行雇用する場合の受給金額
支給期間 対象者のトライアル雇用の開始日から、1カ月単位で最長6カ月間
助成金の支給金額 月額8万円×3カ月+月額4万円×3カ月

障害者の職場適応状況や体調等により、雇用時の週の所定労働時間を10時間以上20時間未満とし、期間中に20時間以上とすることを目指す「障害者短時間トライアルコース」を活用できます。

障害者短時間トライアル雇用では、月額最大4万円(最長12カ月間)を受給できます。

詳細は、厚生労働省の障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースをご確認ください。

トライアル雇用:まとめ

新卒採用からトライアル雇用に移行したことで、人材不足の解消および社員の定着率の向上に成功した事例も存在します。

トライアル雇用は試用期間と異なり、本採用の義務がなく、助成金により採用コストも低く抑えることができます。

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