この記事でわかること
- アルバイトの勤怠管理について
- シフト勤務制労働者の勤怠管理における注意点
この記事でわかること
働き方の多様化が進む中、企業においては、正社員だけでなく、アルバイトやパートタイムなど、さまざまな雇用形態の労働者を雇う機会が増え、雇用形態に合わせた適切な勤怠管理が必要とされています。
なかでも、アルバイト・パートタイムの勤怠管理は煩雑であり、注意すべき点がいくつかあります。
アルバイトの勤怠管理について解説します。
目次
アルバイトやパートタイムは、正社員と待遇や条件が異なるものの、労働者としての権利は変わりません。
そのため、正社員と同様に労働基準法をはじめとする、労働関連法に即した労務管理および勤怠管理が必要です。
アルバイトやパートタイムの勤務体制は、シフト申告によるシフト勤務制または、曜日固定などによる固定勤務制に分けられます。
この場合、特に管理が煩雑となるのが、「シフト勤務制」による勤怠管理です。
シフトを作成する場合、希望日時の確認や、ほかの労働者との兼ね合いや、人件費の予算など、あらゆる事項を考慮する必要があり、手間と時間がかかります。
また、固定勤務制の場合、シフト勤務制に比べて管理する項目は少なくなりますが、どちらの場合も、基本的にアルバイトやパートタイムは時給制です。
そのため、労働者ひとりひとりの勤務時間や時間給が異なる勤怠管理・給与計算は複雑となりますが、給与計算で誤りがないよう、注意して勤怠管理をおこなう必要があります。
アルバイトやパートタイムの勤怠管理は、正社員など、基本的な固定給に変動がない労働者に比べ、複雑で手間のかかる業務であり、ミスやトラブルが発生しやすくなるため、注意が必要です。
アルバイトやパートタイムの勤怠管理における課題や注意点について解説します。
シフト勤務制は、労働者にとって柔軟な働き方ができるため、柔軟な働き方を推進していくうえでは、プラスとなる勤務体制ですが、企業(使用者)にとっては、シフト作成に時間がかかるなど、作業工程が増え、時間と手間がかかります。
シフト作成では、労働基準法に即した範囲内で、労働者の希望や能力、人件費などの予算を考慮しなければなりません。
企業(使用者)側の都合や希望で一方的なシフトを作成してしまうと、労働者とのトラブルにつながるリスクもあり、職場を辞めやすい立場にいるアルバイト・パートタイムはすぐに離れていってしまう場合もあるため、シフトを作成する際は、慎重におこなう必要があります。
アルバイトやパートタイムとして働く労働者の中には、扶養内で働く人もいます。
所得制限を超えて働いてしまうと、労働者の家族や社会保険の扶養から外れてしまうため、所得制限の上限を上回らないように、勤怠管理をおこなう必要があります。
給与計算の簡便さや求人申し込みへの誘引を考慮して、アルバイトやパートタイムの月給者は増えていますが、まだまだ固定給でない方もいます。そのため、給与計算時にミスが発生しやすい傾向があります。
労働者ひとりひとり、労働時間と時間給が異なるため、給与計算の管理に時間がかるうえ、規定労働時間を超えていないか、時間外労働の確認・計算も必要です。
毎月の給与計算に変動のある、アルバイトやパートタイムの勤怠管理は、Excelファイルなどを使用して勤怠管理をおこなう場合が多いですが、注意して入力・確認をおこなっていても、人的ミスが起こりやすいことが課題のひとつです。
労働者の自己申告制による勤務表の記入や記録は、勤怠不正が起きやすいというリスクもあります。
管理者による承認制度を設けていない場合や、月の終わりにまとめて承認している場合など、ずさんな勤怠管理体制であればあるほど、不正リスクは高まります。
しかし、そのような不正を防止するために、管理者が毎日承認および確認する作業も、効率性の面では、その分の時間(人件費)がかかってしまうため、勤怠管理における課題のひとつでもあります。
アルバイトの勤怠管理は、手間と時間のかかる煩雑な作業で、ミスや不正が発生しやすい作業です。
アルバイトの勤怠管理を適切におこなう方法について紹介します。
アルバイトの勤怠管理を適切におこない、業務効率化を図るためには、「シフト管理に特化した勤怠管理システム」など、勤怠管理システムの導入が有効的です。
勤怠管理システムには、さまざまな種類がありますが、シフト作成やシフト管理に特化した勤怠管理システムを導入することで、労働者の希望や予算などの項目を自動的に処理し、最適なシフト表を効率よく作成できます。
また、それぞれの時間給や所得制限などをあらかじめシステムに登録しておくことで、アルバイトの勤怠管理に必要な項目を一元管理でき、ミスが発生しにくくなります。
勤怠管理システムを導入しておらず、アルバイトの勤怠管理に苦戦しているような企業は、勤怠管理システムの導入を検討してみるとよいでしょう。
アルバイトやパートタイムの勤怠管理は、月給制の労働者とは異なり、複雑で手間がかり、ミスや不正が発生しやすくなります。
ミスや不正を発生させないためには、勤怠管理システムを導入するなどして、適切にアルバイトの勤怠管理をおこなう必要があります。
1984年生まれ。社会保険労務士。
都内医療機関において、約13年間人事労務部門において労働問題の相談(病院側・労働者側双方)や社会保険に関する相談を担ってきた。対応した医療従事者の数は1,000名以上。独立後は年金・医療保険に関する問題や労働法・働き方改革に関する実務相談を多く取り扱い、書籍や雑誌への寄稿を通して、多方面で講演・執筆活動中。
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