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カラオケハラスメント(カラハラ)とは?違法性や断るときの対処法を解説

カラオケハラスメント(カラハラ)とは?違法性や断るときの対処法を解説

監修者:労務SEARCH 編集部
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この記事でわかること・結論

  • カラハラとは、カラオケで歌うことを強要するなどのハラスメント行為
  • カラハラは会社の二次会や、忘年会などで発生することが多い
  • カラハラを受けた場合は社内・社外の相談窓口や労働基準監督署に相談する

カラオケハラスメント(カラハラ)とは、カラオケで無理やり歌わせるようなハラスメント行為を指します。また、歌わないことで嫌がらせをすることもカラハラに該当します。

新年会や忘年会のシーズンではカラハラがしばしば発生し、会社におけるカラハラは時にパワハラやセクハラに発展することも多くあります。

本記事を参考に、カラハラの具体例や違法性、断るときや実際に受けたときの対処法を覚えておきましょう。

カラオケハラスメント(カラハラ)とは?

カラオケハラスメント(カラハラ)とは?

カラオケハラスメント(カラハラ)とは、カラオケにおいて歌うことを強要する行為・歌わないことへの嫌がらせ行為を言います。

主に学生同士や会社内、取引先とのお付き合いなどでカラオケに行った場合、「歌うことが苦手な人」が被害者となってカラハラが発生することがあります。忘年会・新年会などの時期は特に注意が必要です。

POINT
カラハラは「古い価値観」によるもの?

会社において、上司や同僚とのコミュニケーションを飲み会・二次会でおこなうというものがあります。自分の立場が弱いことから、断れずに仕方なく参加しているという方も多いでしょう。場の雰囲気を悪くしないようにという古い風習が、カラハラなど各種ハラスメントを発生させる要因となっていることも多いのです。

ニュースでも「飲みニケーションは古い」という話題を見かけるように、昨今ではランチや飲み会、カラオケでおこなう二次会など、会社関連のイベントに参加する人自体が減っている傾向にあります。

昭和時代のように酒の席でコミュニケーションを取る雰囲気は薄れており、「付き合いが悪い人だ」というような価値観も古いとされています。そういった年代間における価値観のズレがカラハラを発生させます。

また、上司や取引先の社員などから受けるカラハラは、優位的関係が背景にあることからパワハラ(パワーハラスメント)とみなされることもあります。ハラスメントの種類は豊富にありますが、職場においてはそのほとんどがパワハラに該当しがちです。

カラハラの具体例

主に、カラオケで歌うことを強いる行為がカラハラですが、実は該当するような行為はたくさんあります。では具体的にどのような行為がカラハラに該当するのでしょうか。以下の具体例をみてみましょう。

カラハラの具体例
  • 無理やりマイクをもたせる
  • デュエットを強要する
  • 知らない曲に文句を言う
  • 本人が知らない曲を歌わせる
  • 歌わないことで嫌な態度をとる、暴言を吐く
  • 「ノリが悪い」「歌わないなら飲め」などの発言をする

カラハラは歌うことを強要するだけではなく、歌わないことや断ったことを理由に暴言を吐いたり、仲間外れ扱いをしたりすることも該当します。優越的な立場を利用して断りづらい状況に追い込むことはパワハラにも該当します。

カラオケは二次会や忘年会など、飲酒している状態で行くケースも多く、パワハラやセクハラ(セクシャルハラスメント)アルハラ(アルコールハラスメント)モラハラ(モラルハラスメント)などと共に発生することが多いです。

カラハラの違法性

カラハラは特定の法律違反となることはあまりなく、明確な決まりなどもありません。ですが、カラハラ発生と同時にパワハラやセクハラなどが起こる場合は、裁判になることもあるでしょう。

実際に、会社の二次会で行ったカラオケでセクハラを訴えるケースや、飲酒を強要することでアルハラとして訴えるケースなども多くあります。

カラオケハラスメント(カラハラ)を断る場合の対処法

カラオケハラスメント(カラハラ)を断る場合の対処法

自分がカラハラを受けそうになった場合、対処法を心得ておくと安心です。具体的には以下のような対処法がおすすめです。

カラオケに参加しない

そもそも二次会カラオケのような場に参加しないことがひとつの対処法です。その場にいなければ、カラハラを受けることもありません。参加・不参加の段階でハラスメント行為が発生する可能性もありますが、「前もって入れていた用事がある」や「家庭の事情がある」など理由をつけて断ることが大切です。

日頃からカラオケが苦手な旨を伝えておく

自分が人前で歌うことが苦手ということを、日常的に伝えておくことも対処法のひとつです。「この人はカラオケが苦手だったな」と認識してもらうことで、誘われるときは配慮してもらえる可能性が高まります。

カラオケハラスメント(カラハラ)を受けた場合の対処法

カラオケハラスメント(カラハラ)を受けた場合の対処法

万が一、カラハラを受けてしまったときのために以下のような対処法を覚えておきましょう。

上司や代表、社内相談窓口に報告する

カラハラを受けた場合、まずは上司や代表または社内相談窓口があればそこへ報告しましょう。少しでもハラスメントの疑惑があれば、スムーズに対応してもらえるように軽い相談から始めることも大切です。

社外相談窓口や労働基準監督署に相談する

社内での相談で解決しないようであれば、社外相談窓口や労働基準監督署へ相談するのもひとつの対処法です。専門的な観点から、どんな対応をすべきかアドバイスがもらえます。

厚生労働省の公式Webサイトには、各種相談先が記載されている「労働基準行政の相談窓口」というページがあるため参考にしましょう。また、相談する際は状況がわかるような記録などを用意しておくと安心です。

まとめ

カラオケハラスメント(カラハラ)とは、カラオケで歌うことを強要するなどのハラスメント行為を指します。主に忘年会、新年会の二次会カラオケなどで発生することが多いです。

無理やり歌わせること以外にも、歌わないことで仲間外れにしたり失言をしたりすることもカラハラに該当します。また、歌わないことで優位的立場の方からハラスメントを受ける場合は、パワハラにも該当することがあります。

歌うことが苦手であれば、そもそもカラオケに参加しないなどの対処法を実践しましょう。万が一、カラハラを受けたのであれば社内相談窓口や、労働基準監督署などに相談することも大切です。

監修者労務SEARCH 編集部

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