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パワハラ(パワーハラスメント)とは!?定義や基準、企業対策をご紹介!

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人事労務管理メンタルヘルス

パワーハラスメントとは、職場内の優位性を背景に業務の適正範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為です。人手不足や労働環境の変化により、ここ数年でパワハラが増加し、社会問題化しています。

今回はパワハラの定義や基準、パワハラに該当するポイントや企業対策を中心にご紹介します。

パワハラ(パワーハラスメント)の定義

パワーハラスメントは職場環境の悪化や社員の離職、社員の健康被害などさまざまなデメリットを生み出します。管理職としてパワハラの定義や背景を知り、パワハラを未然に防がなければいけません。

パワーハラスメントとは

パワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為です。
【参考】[厚生労働省 あかるい職場応援団](https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/definition/about)

パワハラは明確な定義がされておらず、人事労務担当者や部下を持つ上司は、パワハラの定義を確認し、どういった行為がパワハラになるのかを覚えておくことが重要です。

また、管理職だけでなく、OJTや現場でのサポート役である先輩・後輩間での言動、そして同僚間でのいじめや嫌がらせもパワハラに認定されます。

パワハラが起きる原因

パワハラが起きる原因には「経営環境の変化」と「日本企業の組織体質」の2点が挙げられます。現代の日本ではグローバル化による競争激化や人手不足など経営難に陥りやすい環境に変化していますが、利益を追求する企業の姿勢には変わりありません。

しかし、確実に業務量が増加し、ビジネス課題も高度化・複雑化しているため、管理職以上の社員が過度なストレスを抱えていると考えられます。その結果、立場の弱い社員への不適切な言動が増え、パワハラが蔓延化するようになったといえます。

また、トップダウンによる指示や精神論を前提とした働き方など、日本企業の古い組織体質もパワハラを助長させる原因でもあります。

パワハラ認定の基準(業務の適正な範囲)

パワハラを認定する判断基準は「業務の適正な範囲であったかどうか」が争点となります。

業務の適正な範囲とは

業務の適正な範囲とは、業務上指揮監督や教育指導が必要な場合、上司の役割を遂行する必要な行動範囲を指します。
業務の適正な範囲は、各企業にとっても認識に差があり、具体的なパワハラ事案を明示し、その範囲を明確に定義する取り組みが必要です。

パワハラにならない指導事例

業務上、支障をきたす問題や行動がみられた場合、監督責任を有する上司は適切に指導しなければいけません。

適正な指導を行うためには、以下のポイントを押さえましょう。

  • 社員個人の問題を指導・教育する場合は周囲に配慮し、別室へ呼び出す
  • 感情的にならず、問題の理由を確認し、注意する
  • 発生した問題事案が原因で、チームへの負担や損害(代替要員・他メンバーへの業務割り振り)がどの程度発生したかを具体的に伝える(数値的根拠の提示が尚良い)
  • 問題改善のために本人が改善・注意すべき点、また会社としてフォローできる点を建設的に話し合う
  • 社内の懲戒処分事由に該当する場合、権限の範囲内で実施可能な懲戒処分に付す

    ※譴責や戒告などの懲戒処分が妥当です。指導の甲斐なく、改善の見込みがない場合、減給・出勤停止などの重い処分を課す。

パワハラに認定されないためには、精神的・肉体的に過度な苦痛を与えることなく、指導・教育をする必要があります。
客観的、および社会通念上、「業務の適正な範囲」と認定できれば、たとえ部下からの異議申し立てや不満があったとしても問題ありません。

パワハラの形態

パワハラには身体的・精神的だけでなく、人間関係や業務、個・人権などさまざまな形態があります。

身体的・精神的パワーハラスメント

殴る・蹴るなどの暴力や罵詈雑言を浴びせる行為は、身体的・精神的に悪影響を与え、パワハラを受けた社員は心身ともに健康を害すため、パワハラに認定されます。

人間関係に関するパワーハラスメント

組織内での仲間はずれや無視、意図的なコミュニケーションの欠如、不平等な待遇・扱い(情報を共有しない、席の隔離、口頭で連絡しないなど)は職場の人間関係を意図的に悪化させるパワハラ行為となります。

業務にかかわるパワーハラスメント

遂行不可能な業務量の押し付けや長時間労働の強要、また意図のない単純労働(コピー取りやお茶汲みなど)の強制は過大・過小な業務要求としてパワハラとなります。

個人・人権に対するパワーハラスメント

プライバシーへの過度な干渉や女性に対する不適切な言動(セクハラ)も職場内の優位性や職位、権限を利用した悪質なパワハラとなります。

パワハラに該当するポイント

部下への指導方法を間違えると、教育・指導する上司や企業が罰せられてしまいます。部下を教育・指導する際、以下の行動はパワハラに認定される可能性があるため、しっかりと確認しておきましょう。

  • 他の社員がいる前で叱る行為

    ※見せしめの意図があれば、パワハラに認定されます。

  • 感情的に叱る・怒鳴る行為
  • 人格否定、尊厳を傷つける発言

    ※「だからお前はダメなんだ!」、「義務教育からやり直してこい!」、「親の顔が見てみたい!」などの発言

  • 企業の負担や損害の発生を抽象的に伝える発言

    ※「みんなお前のことを迷惑だと思ってる」、「お前のせいでプロジェクトがダメになった」などの発言

  • 脅迫に近い改善指導

    ※「次やったら、クビな」、「ぶっ飛ばすぞ」などの発言・脅迫

  • 適正な手続きを踏まない、就業規則にない私的な懲戒処分

    ※毎日のトイレ掃除やコピー係など直接業務に関係のない業務命令など

一般的に心身的に名誉を毀損する業務命令や、言葉による精神的苦痛は明確なパワハラとなります。また、上司・部下の関係性の悪化は、職場環境も悪化させる要因となるため、業務上不要な言動は避けるべきです。

パワハラにならないための企業対策

パワハラに明確な定義や基準がない以上、普段から部下との接し方には注意が必要です。そのため、日頃から以下のポイントに注意しましょう。

業務の適正範囲を定義

パワハラには明確な定義がないため、「業務の適正な範囲」を拡大解釈する管理職も少なくありません。
そのため、会社としてどのような言動が「業務の適正な範囲」を超えるかを明確に定義し、管理職の認識を統一すると効果的です。
また、具体的なパワハラ事案の提示や管理職自らが自分の言動を確認できるチェック表の作成もパワハラの定義につながります。

研修を通した意識改革

世代間の価値観が異なる現代では、働き方や仕事・業務に対する考え方、意識も社員毎に異なってきます。
世代間のギャップを解消するためには、研修を通して、管理職が自身の言動や意識が職場に合っているかを振り返る機会の設置が効果的です。

自省を促す適切な対応

懲戒を通じて、部下の自省を促すことは効果的な教育・指導です。
しかし、一方的な感情表現や恣意的な言動、対象者の人格や尊厳を傷つける行為・懲戒は明確なパワハラ行為にあたります。

また、上司・部下の関係性によってもメッセージの受け取り方が異なります。
そのため、受け手によって、異なる感情(忠誠心や復讐心)や印象を持たれないように、普段から信頼関係をしっかりと築くことが重要です。

まとめ

  • パワハラとは、職場内の優位性を背景に業務の適正範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為全般を指す。
  • パワハラは身体的・精神的な言動だけでなく、人間関係や個人・人権を毀損する行為もパワハラと認定される。
  • 明確なパワハラ定義や基準はなく、「業務の適正な範囲」も線引きが難しいため、企業が率先して、研修を通じた管理職の意識改革を行うべきである。
佐藤 安弘|ワイエス社会保険労務士事務所

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