労務SEARCH(サーチ)

労務の課題を解決するオフィスステーションのメディア
powerde by オフィスステーション

Facebook twitter

メールマガジン無料登録

 

おすすめ記事やお役立ち資料をお届けします。

労災保険の手続きの流れとは?保険証の誤使用への対策やポイントを解説!

投稿日:

更新日:

労働保険(労災保険/雇用保険)労災保険

労災で保険証を使ってしまったら?労災保険の手続きの流れ

労災が起こった時の手続きの方法や流れはご存知ですか?労災が起きてしまった場合、労災保険で治療してもらう以外に、人事労務担当者として、処理すべき手続きがあります。

今回は実際に労災が起きてしまった際の正しい手続きのほか、「診療所、病院でのかかり方」や「間違って健康保険で治療してしまった時の対応方法」、「労災で休んだ時の休業補償」を中心に解説していきます!

労働保険の手続きのすべてを分かりやすく解説
【ebookダウンロード】労務手続きのすべてが分かるかんたんガイド

▶労災認定基準と個別のガイドラインまとめ~労務リスク低減のためにできること

労災保険の手続き

万が一、労働者災害が起きてしまった場合、事業主(使用者)は適切に対応・処理しなければいけません。労災保険の手続きは、原則的に労災に遭った本人、またはその家族が行います。しかし、従業員の負担を避けるために、企業が手続きを代行することも可能です(多くの企業が手続きの代行を行っています)。

労災保険の手続き

労災保険の手続きは、一般的に以下の流れで行われます。

  1. 労働者から会社に労働者災害が起きた旨を報告
  2. 労働基準監督署長宛に必要書類の提出(※)
  3. 労働基準監督署の調査への対応
  4. 保険金の給付

※必要書類には「療養補償給付の請求手続き」、「休業補償の請求手続き」「障害補償給付の申請手続き」、「遺族補償給付の申請手続き」、「葬祭料の請求手続き」、「傷病補償年金の請求手続き」、「介護補償給付の申請手続き」があります。必要に応じて、書類を用意し、提出しましょう。

労災の種類とは

労災には、「業務災害」、「通勤災害」、「第三者行為災害」の3種類があり、それぞれ認定要件が異なります。

  • 業務災害(業務中の負傷、病気、死亡などの業務災害)

業務との因果関係が認められた際に認定されます。

  • 通勤災害(通勤時に起きた災害)

会社に報告している正しい経路と方法を行っていることが認定要件です。ふさわしくない経路(電車通勤と申告しているに関わらず、自転車通勤で事故に遭うなど)では認定されません。また、会社が緊急と認める経路の場合、通勤災害として認定されます(緊急を要する案件のため、タクシーでの移動中に事故に遭うなど)

  • 第三者行為災害(業務や通勤以外で、第三者の行為によって、生じた災害)

加害者に対して、損害賠償責任が発生した際に認定されます。

事業主(使用者)としての対応・報告義務とは

労働者災害に関わる補償は、企業が全額負担することが義務付けられています。しかし、従業員が1人でもいる事業所は労災保険の加入が義務付けられているため、補償に関わる費用負担は免除されます。しかし、休業補償給付を申請する際の待期期間である3日間の賃金は企業が補償しなければいけません。休業補償給付金制度では、平均賃金の60%を支払うこととなっていますが、従業員の心理的負担を減らすために全額支給する企業も少なくありません。

また、労働者災害により従業員の死亡、または休業が発生した場合、速やかに労働者死傷病報告の提出が求められます。管轄する労働基準監督署に報告・提出しましょう。

事業主(使用者)には、労働者の安全を確保する義務があり、労働安全衛生法に基づく安全衛生管理責任を果たさなければいけません。労災の有無に関わらず、不備がある場合は刑事責任にも問われますので、今一度、確認しておきましょう。

【参考】厚生労働省 労働災害が発生したとき

治療の際に必要、様式5号とは

労働者が勤務中に事故に遭い、治療を受けてもらう場合、注意すべきポイントが2つあります。1つは、必要書類の準備です。「療養補償たる療養の給付請求(様式第5号)」は、労災保険を使った治療において、基本の書類となります。必要事項を記入し、医療機関の窓口へ提出してもらえば、労働者に治療費を負担させず、治療を受けてもらうことができます。

記入すべき点は以下の通りです。

療養補償たる療養の給付請求(様式第5号) 記入箇所
労働保険番号
申請者の住所・氏名・年齢などの情報
事故の詳細
事業所の名称や所在地
申請者および事業主(使用者)の押印(署名でも可)

「療養補償たる療養の給付請求(様式第5号)」は労働基準監督署で入手できる他、厚生労働省のホームページからもダウンロード・印刷した用紙でも使用できます。迅速な対応・処理をするためにも会社に常備しておきましょう。

2つ目は「労働災害保険指定医療機関」での治療を受けてもらうことです。指定医療機関以外での治療は手続きが煩雑になる恐れがあるため、指定医療機関で治療を受けてもらいましょう。

▶労災事故発生!慌てずに対処するために知っておきたい労災保険とは

立替払いの際に必要、7号様式とは

従業員に労働災害指定医療機関以外の場所で治療を受けさせる場合、「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式7号)」が必要です。様式5号との大きな違いは、以下の2点が挙げられます。

  • 治療を受けた際に労働者が、その場で治療費を立て替えなければいけない
  • 治療後に様式7号を労働基準監督署に提出しなければならない

「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式7号)」に必要事項を記入し、治療の際に医療機関の窓口へと提出します。所定欄に医療機関の押印と必要事項の記入を確認し、会計を済ませてもらいます。会計の際に、必ず領収書をもらっておくようにしてもらいましょう。

労働基準監督署の窓口に、様式7号と領収書を提出してもらえば、従業員の口座へ負担した治療費が振り込まれます。ただし、治療費は健康保険が適用されず、全額負担となります。その場で支出する治療費が高額になることも伝えておましょう。 立替払いした時に必要、7号様式とは

健康保険証を使ってしまった!対応方法は?

労災保険での治療を、誤って健康保険証を使って、会計を済ませてしまった場合は診察後すぐに医療機関へと連絡しましょう。医療機関によっては、労災保険扱いに切り替えてくれる場合があるので、まずは治療した医療機関への連絡を促しましょう。

労災保険扱いに切り替えられたら、必要な書類を提出してもらいます。ただし、様式5号では治療費を返還してもらえますが、様式7号の場合、健康保険で免除された費用(治療費の7割)の支払いが発生します。

また、診察から時間が空いてしまうと、医療機関での切り替えができなくなってしまいます。その場合は全国健康保険協会や各健康保険組合へ連絡し、健康保険ではなく労災保険扱いである旨を伝えるように指示しましょう。

その後、免除された費用を還付するための書類が届きます。書類を提出すれば、従業員の口座へ治療費が全額返還されます。しかし、手続きから治療費の返還まで約2~3ヶ月かかってしまうため、間違いに気付いたら、すぐに医療機関に連絡してもらいましょう。

治療のために休業・・・休業補償給付とは

怪我や病気の状態、治療期間によっては、仕事を休まなければならないケースも出てきます。その場合、労災と認定されていれば、休業中の賃金を受け取れます。休業3日目までは待機期間と呼ばれ、事業主(使用者)が平均賃金の60%を支払われます。4日目以降は「休業補償給付金」の対象となり、1日につき、給付基礎日額の60%が給付金として受け取れます。

▶労働者災害補償保険の休業補償給付について確認しよう

給付基礎日額とは、直近3ヶ月間に労働者に支払われた賃金総額を日数で割った額です。基本給だけでなく、残業代なども基本的には考慮されますが、結婚手当のよう臨時手当や賞与(ボーナス)は考慮されません。

また、「休業補償給付金」に加えて、社会復帰を支援するための「休業特別支援金」も受け取れます。こちらは給付基礎日額の20%が支援金として受け取れるので、休業補償給付金と併せて、賃金の80%分の給付金を受け取れます。

▶労働基準法上の災害補償とは?労災保険の給付の種類・補償範囲

まとめ

事業主(使用者)には、従業員が安心して働ける労働環境を整える安全衛生管理責任が追います。「調理場で指を切った」、「事務所内の配線に躓いて、足を捻じった」「階段を踏み外して、腰を打った」なども労災事故として認定されます。

事業主(使用者)だけでなく、労働者も労災とは認知せず、健康保険で済ませているケースも多く見受けられます。労働基準監督署による立ち入り調査で、過去の事案に遡って、「労災事故」と認定される場合もあるため、労災保険での手続きの流れをしっかり理解しておきましょう。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

年度業務の一大イベント、労保年度更新手続きを解説!

労務SEARCHを運営するオフィスステーションより、労働保険年度更新手続きかんたんガイドをお届けします。リスクトラブルを防ぐため、労働保険の年度更新手続きについて、基礎知識から一連の届出手続きをわかりやすくまとめています。

今なら30日間お試し無料!電子化で労務が一変
各種簡単ガイド一覧はこちら