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【社労士監修】人事異動とは? 社会保険(雇用保険など)手続き、転勤・転居、海外転勤の対応を解説!

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人事異動に伴う転勤・転居が発生した場合、事業主は社会保険手続きが必要です。
今回は海外転勤を含む人事異動を実施した際に、健康保険、厚生年金、雇用保険、介護保険における対応方法を解説します。

この記事でわかること

  • 人事異動の概要と目的
  • 各種社会保険の申請手続きと提出書類
  • 海外転勤における基礎知識と注意事項

人事異動の目的とは

人事異動実施する目的は、社員の人材育成や適材適所の人員配置、業務へのモチベーション低下の防止、企業戦略における配置変更、不正の防止と発見が挙げられます。

人事異動は社員の成長や社員の潜在能力の再発見につながり、新たな業務への取り組みを通じて、モチベーション・業績向上の効果が期待できます。

また、業務のブラックボックス化を防ぎ、業務上の不正防止と発見にもつながるメリットもあります。

一方で、柔軟な経営をおこなう上で、成長事業への適切な人材配置は重要な企業戦略となります。そのため、迅速に人事異動をおこない、従業員に安心して働いてもらうためにも社会保険の手続きを迅速におこなう必要があります。

人事異動に伴う社会保険手続き

転居を伴う人事異動(転勤や海外転勤)では、健康保険や厚生年金保険、そして雇用保険のいずれも手続きが必要です。

健康保険・厚生年金被保険者住所変更届の提出

マイナンバーと基礎年金番号が紐づいている被保険者の場合、住所変更届の提出は必要ありません。

マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない被保険者や海外居住者、短期滞在外国人の場合、住所変更届を事業主から年金事務所へ提出します。

転居・転勤の必要書類

健康保険・厚生年金被保険者住所変更届

マイナンバーと基礎年金番号が紐づいている被保険者の場合、住所変更届の提出は必要ありません。

日本年金機構はマイナンバーと基礎年金番号を結びつける取り組みを進めています。個人番号等登録届を提出することで、紐づけが可能です。

健康保険・厚生年金被保険者住所変更届の1枚目には被保険者の住所変更届が、2枚目には被扶養配偶者の住所変更届が記されています。

転居・転勤対象者が独身、あるいは単身赴任をする場合は1枚目のみ提出します。一方で、被扶養配偶者と一緒に転居する場合は2枚とも提出します。

また、健康保険と厚生年金保険の両方に加入している場合と70歳以上の場合とでは、提出枚数や記入項目も異なるため注意が必要です。

▼住所変更届の提出枚数

社会保険の加入状況 転居する対象者 必要書類
健康保険と
厚生年金保険に加入
被保険者と被扶養者 2枚とも提出
被保険者のみ 1枚目のみ提出
被扶養配偶者のみ 2枚目のみ提出
健康保険のみ加入 被保険者と被扶養者 1枚目のみ
(被扶養配偶者の住所変更欄の記入も必要なし)
被保険者のみ 1枚目のみ
被扶養配偶者のみ 書類の提出はなし

健康保険は全国健康保険協会が提示している記入例を参考にしています。

雇用保険被保険者転勤届の手続き

雇用保険被保険者転勤届は従業員の転勤が発生した場合、事業主は「雇用保険被保険者転勤届」などを提出しなければなりません。

雇用保険被保険者転勤届の手続き
提出先 転勤先の事業所を管轄するハローワーク
申請方法 窓口・郵送・電子申請による提出
提出期限 転勤の事実が発生した翌日から10日以内
添付書類
  • 転勤の事実を証明する労働者名簿、
    出勤簿、辞令等のいずれかの書類
  • 被保険者資格喪失届・氏名変更届

雇用保険被保険者転勤届電子申請義務化対象帳票です。特定の法人は電子申請での届け出が必須となります。

海外派遣に伴う社会保険手続き

海外派遣の場合、渡航先別に適用証明書を渡航前に年金事務所へ提出します。
適用証明書を提出すれば、渡航国の社会保障制度に加入せず働くことが可能です。
日本の社会保障制度がそのまま適用

社会保障協定の有無 厚生年金
社会保障協定あり
  • 5年を超えない見込みの派遣:
    適用証明書を提出、日本の年金制度に継続的に加入(相手国の年金制度には加入しなくてよい)
  • 5年を超える見込みの派遣:
    日本の年金制度には加入せず(任意加入可能)相手国の法令に従う(相手国の年金制度に加入)
社会保障協定なし 日本の年金制度に加入しない。相手国の年金制度に加入

健康保険は、日本の法人から給与を支給される場合には、日本の健康保険制度にそのまま加入します。

介護保険は、海外派遣により、日本国内に居住しなくなる場合は、介護保険適用除外となります。

また、長期の海外転勤の場合は以下の手続きが必要です。

海外転勤に伴う社会保険手続き

  1. 渡航先別に適用証明書を提出
  2. 長期滞在の場合、健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届/70歳以上被用者不該当届を提出
  3. 短期滞在から長期滞在になった場合、適用証明書期間継続・延長申請書を提出

海外からの派遣労働者も日本で同様の手続きが必要ですが、外国人労働者の健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届/70歳以上被用者該当届を年金事務所に提出します。

社会保障協定とは

社会保障協定とは、就労者が諸外国に短期滞在する場合、派遣先である国の社会保障制度に加入せずに、日本の社会保障制度を適用させたまま、派遣先の国での就労を認める国際協定です。

日本政府はさまざまな国と社会保障協定を締結しており、短期滞在の場合、渡航前に社会保障協定の手続きをおこなっておけば、派遣国の社会保障制度に加入せず、日本の社会保障制度を適用したまま就労が可能です。

しかし、長期滞在の場合は、日本の社会保障制度の解消手続きをおこなってから、その国の社会保障制度に加入しなければなりません。

また、厚生年金は日本での加入期間がその国の年金の加入期間と合算されます。

社会保障協定の締結国

ドイツ / イギリス / 韓国 / アメリカ / ベルギー / フランス / カナダ / オーストリア / オランダ / チェコ / スペイン / アイルランド / ブラジル / スイス / ハンガリー / インド / ルクセンブルク / フィリピン / スロバキア / 中国

最新情報は日本年金機構の各国との社会保障協定発効状況及び協定相手国の情報をご確認ください。

海外転勤で必要な介護保険の手続きとは

健康保険や厚生年金保険は、住所が国外にある方にも適用されますが、介護保険の適用は国内住所が必要です。そのため、海外転勤の場合、介護保険の適用が無くなった旨を、日本年金機構に届け出なければなりません。

人事異動の社会保険手続き:まとめ

人事異動により、転居を伴う転勤には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の変更手続きが必要です。海外転勤の場合も同様であり、渡航国によっても対応が異なります。

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