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【社労士監修】在宅勤務手当の導入事例9選! 課税対象・就業規則への追記、相場や支給方法を解説!

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新たな働き方の広がりとネットワーク環境の整備が進み、テレワーク(在宅勤務)を導入する企業が増えています。

中でも在宅勤務は従業員のワークライフバランスの充実や、女性活躍の推進に効果が高く、通勤電車による精神的・肉体的な負担の軽減にもつながります。

企業においても生産性の向上と、事業所スペース縮小・ペーパーレス化等によるコスト削減の効果があります。

今回はテレワークの普及とともに導入する企業が増えている、在宅勤務手当について、解説いたします。

この記事でわかること

  • 給与計算をおこなう上で、課税対象である在宅勤務手当の注意点
  • 在宅勤務手当の相場や支給方法
  • 従業員への周知や就業規則等への記載について

在宅勤務手当とは

在宅勤務手当とは、在宅勤務をおこなう従業員に対して、業務遂行に必要な諸経費を補助する手当です。

通勤手当と切り替える企業や、独自の在宅勤務手当を提供している企業もあり、注目されている手当のひとつです。

テレワークの普及促進が背景

在宅勤務手当の普及は、ネットワーク環境の整備が進み、多様な働き方を取り入れる企業を中心に導入されています。

特に、ワークライフバランスの実現に向けた働き方の多様化の影響が強いと考えらえます。

子育てや介護をおこなっている優秀な人材の雇用維持や従業員満足度の向上にテレワークが効果的であり、業務内容の特性や人事評価制度を考慮したうえで、テレワークを認める企業が増えています。

テレワーク導入はコスト削減につながる

在宅勤務手当の導入は初期費用が必要ですが、長期的には事業所家賃やペーパーレス化による諸経費の削減が可能です。


通勤手当に代わる新たな手当として注目

在宅勤務は出社をおこなう必要がないため、在宅勤務手当は従業員に支給していた通勤手当に代わる新たな手当として注目されています。

そのため、通勤手当を在宅勤務手当の原資にあてる企業が増えています。

業務内容により定期的に出社する必要がある場合、出社した日数だけ交通費を立替精算に切り替えると、在宅勤務手当との両立が可能です。

1カ月の定期代支給よりもコスト削減ができ、交通費の不正受給も防止できます。

在宅勤務手当の支給方法

在宅勤務手当の支給方法は複数存在します。

在宅勤務手当の支給方法

  • 月額給与に決まった金額を加算して支給
  • 在宅勤務の準備のため一時金として支給
  • 実費精算による支給

月に必要となる通信環境の固定費を名目に在宅勤務手当を支給する場合、月額給与に決まった金額を加算して支給する方法が一般的です。

また、会社からWi-Fiルーターの貸出を前提とした場合、自宅の業務環境の整備(デスクやチェア、Web会議用のマイク・カメラなど)に必要な経費を計算し、在宅勤務の準備金として一時金を支給する方法もあります。

一方で、水道光熱費など変動しやすい経費については、実費で精算する方法があります。

従業員の要望や業務内容に応じて、適切な支給方法を選択しましょう。

在宅勤務手当は1~2万円が相場です。毎月固定で支給している企業が多く、月額3,000~5,000円を支給している企業も存在します。

在宅勤務手当の注意点

在宅勤務手当を導入する際、給与計算上の注意点が存在します。

在宅勤務手当の注意点

  • 在宅勤務手当は“全額”課税対象(通勤手当は月15万円を上限に非課税)
  • 導入前の従業員への周知と、就業規則への追加

在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係):国税庁」より、在宅勤務手当の一部(在宅勤務に通常必要な費用について、その費用の実費相当額を精算する方法により、企業が従業員に対して支給する一定の金銭)が非課税となります。

通勤手当は月15万円を上限とし、在宅勤務手当は課税対象(一部非課税)です。

在宅勤務手当は、社会保険料および雇用保険料の計算対象となる賃金に含まれます。

また、月の給与に加算して支給する場合、支給した月が固定的賃金の変動月となるため、随時改定の対象となる可能性があります(割増賃金の算定基礎からの除外も不可)。

一時金として支給した場合も、雇用保険の対象となります。

光熱費など実費精算をしない場合、月額支給よりも従業員の負担が上回る可能性がありますが、在宅勤務手当は就業規則で労働条件を不利益に変更するものではないため、「労働条件の不利益変更」にあたりません。

しかし、就業規則で「光熱費等を労働者が負担すること」と規定すると不利益変更になる可能性があります。


在宅勤務手当の導入では、あらかじめ労使で十分に話し合い、労使の負担割合・限度額・請求方法などを就業規則等に定めておくことが望ましい。

在宅勤務手当の導入事例9選

既に大手企業や有名IT企業を中心に在宅勤務制度を導入しており、生産性の向上やコスト削減を実現しています。

在宅勤務手当の導入事例
企業事例 在宅勤務手当の内容
富士通株式会社 月額5,000円(在宅勤務の環境整備費用・通勤定期代廃止)
note株式会社 月額5,000~10,000円(オフィスチェアの自宅配送あり)
株式会社ドワンゴ 上限月額20,000円(通勤定期代廃止)
さくらインターネット株式会社 月額3,000円(通信手当)
株式メルカリ 60,000円/半年分(在宅勤務の環境整備およびオンライン・コミュニケーション補助)
ヤフー株式会社 最大月額7,000円:どこでもオフィス手当+通信費補助(コアタイム廃止・通勤定期代廃止)
株式会社カオナビ 在宅勤務支援金50,000円(一時金) 就業環境整備・スイッチワークの導入
株式会社日立製作所 月額3,000円(備品購入費用補助・通勤定期代廃止)
カルビー株式会社 モバイルワーク手当(一時金) モバイルワーク無期限延長・通勤定期代廃止・転勤者の単身赴任解除

多くの企業が通勤手当を廃止し、通勤定期代の原資を在宅勤務手当にあてていると考えられます。

在宅勤務手当:まとめ

テレワークの普及により、柔軟な働き方が可能になり、導入する企業も増えています。

一方で、課税対象である在宅勤務手当を導入する際は、支給方法を検討する必要があります。

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