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【社労士監修】退職後の健康保険の任意継続のメリット・デメリットは?手続きや必要書類は?

「退職後も健康保険を任意継続で加入したい」と退職が決まった従業員から、このような相談を受けたことはありませんか?退職時には健康保険の切り替えが必要ですが、退職後でも一定の条件を満たすことで継続して健康保険に加入することができます。

希望した退職者に対して行う任意継続の際の手続きや必要書類など、健康保険の任意継続について解説します。

健康保険の【任意継続】とは

健康保険の「任意継続被保険者制度」は、労働者が退職することによって、本来は「健康保険被保険者資格」を喪失してしまうところを最大2年間、現在加入している健康保険の被保険者資格を有したままにしておける制度です。

これは企業側だけで判断するものではなく、企業側は退職者に対して健康保険への加入を継続するかの意思確認をする必要があります。また、任意継続はどの退職者にも無条件で適用できるものではなく、労働者が一定の条件を満たしている必要があります。

健康保険について、労働者は所属する企業の健康保険組合または全国健康保険協会を通じて加入することになります。労働者が企業を退職する際は、組合または協会へ「健康保険被保険者資格」の喪失を届け出ることが原則なので、人事担当者は退職者が現れた場合、そのための手続きをすることになります。

退職者は被保険者資格喪失後、次の職場が決まっている場合はその職場の健康保険に加入することになりますが、次の職場が決まっていない場合は国民健康保険に加入することになります。しかし、一定の要件を満たす退職者の場合は引き続き加入していた健康保険に、個人で継続して加入できる「任意継続被保険者制度」を使用することができます。

健康保険の任意継続【条件】は?

労働者が健康保険を任意継続するときの条件として、以下のものがあります。

  1. 資格喪失日の前日(退職日)までに2カ月以上継続して被保険者であった

    退職者が退職日までに、2カ月以上継続して被保険者だったことが必要になります。退職せず、勤務時間や日数の減少により健康保険の資格を喪失した場合も該当します。

  2. 期日までに「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること

    健康保険の任意継続を適用するには、退職日の翌日から20日以内に退職者から直接、健康保険組合または全国健康保険協会支部に提出してもらいます。

健康保険の任意継続の条件を満たし、「任意継続被保険者」となった退職者は原則として、在職中と同様の保険給付が受けられ、2年間の被保険者期間満了を過ぎると資格を喪失することになります。また、毎月の健康保険の保険料は退職者の全額負担になり、途中で国民健康保険への加入や、家族の健康保険の扶養に入るなどの理由で、資格を喪失することはできません。

そのほか、健康保険料を納付期日までに納付できなかった場合や、就職により健康保険の被保険者資格を取得したなどの場合、その翌日付で資格が喪失することがあります。企業側は、任意継続制度を利用するにあたってのメリット・デメリットを含め退職者に説明し、「健康保険を任意継続するかどうか?」意思確認をする必要があります。

健康保険の任意継続【手続き・必要書類】は?

健康保険の任意継続手続きはどのように行うのか確認しましょう。

  • 健康保険の任意継続の条件を満たす

    退職者が前述した健康保険の任意継続の条件を満たしている必要があります。

  • 申出書に必要事項を記載する

    「任意継続被保険者資格取得申出書」という申請書に必要事項がすべて記載されている必要があります。2017年1月以降、退職者の被扶養者のマイナンバーの記載が必須となっています。そのため、被扶養者が遠方に住んでいる場合などに注意が必要になります。

  • その他の必要書類

    被扶養者については、被扶養者届のほか、生計維持・同一世帯居住関係を証明するために、例えば課税(非課税)証明書や住民票のコピーなどの提出が求められることがあります。

そして、退職者が保険料の口座振替を希望する場合は、「口座振替依頼書」を提出してもらう必要があります。健康保険の保険料は口座振替のほか、納付書による毎月納付や数カ月分一括しての前納納付の3種類を利用して支払うことができます。

また、前述でふれたように、健康保険の保険料を納付期限までに納付できなかった場合は、その翌日付で資格が取り消しとなってしまうため、人事担当者は退職者に対して確実に納付できる手段を選ぶよう、アドバイスをするといいでしょう。

【健康保険の任意継続】まとめ

退職者は国民健康保険に加入する場合と、元々加入していた健康保険に任意継続する場合がありますが、保険料負担が軽くて済むのはどちらかを比較検討するよう、情報提供してみてもいいでしょう。

また、加入している健康保険を管掌(かんしょう)する組合によっては、スポーツクラブの法人会員利用など、各種サービスが充実しているところもあります。国民健康保険にはない健康保険独自の給付もあります。保険料の面だけでなく、このような待遇面についても紹介し、検討してもらってはいかがでしょうか?



社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー

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