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高齢者雇用安定法に定められた定年と再雇用条件について

高齢者雇用安定法において、定年の引き上げ、継続雇用制度の措置、定年の定めを廃止することのいずれかの措置の実施が義務化されています。継続雇用制度については平成25年4月1日の改正により、再雇用条件について規定が変わりました。

また、国は意欲と能力がある限り、年齢にかかわりなく働くことができるように、働く場の環境を整える企業への支援を行っています。今回はこれら定年や再雇用条件、国の支援措置について解説していきます。

「定年制」とは?何歳で定めている企業が多いのか?

定年制とは、労働者の一定年齢到達を理由に労働契約を終了させる制度のことを言います。定年制には定年到達を解雇理由ととらえ、労働契約終了のためには解雇の意思表示を必要とする「定年解雇制」と、通常使用者の特別な意思表示がなくても当然に労働契約が終了する「定年退職制」とがあります。

一般的に定年制は、労働者の労働継続の意思やその労働能力、適格性の有無に関係なく、一定年齢到達という事実のみを理由に労働契約を終了させるものです。

厚生労働省が発表している「平成26年就労条件総合調査結果の概況」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/14/gaiyou02.html)の結果によると、平成26年では「定年制を定めている」企業割合が93.8%、そのうち「一律に定めている」企業割合は98.9%、「職種別に定めている」企業割合は0.7%ということが明らかになっています。

また、同調査において定年を何歳と定めている企業が多いのかというと、およそ84.4%の企業が65歳未満と考えているという結果が出ています。

高齢者雇用安定法の平成25年改正内容について

平成25年4月1日の高齢者雇用安定法の改正により、「継続雇用制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みが廃止されました。改正前の労使協定によって基準を定めた場合は、継続雇用の希望者全員を対象としていなかったため、使用者は継続雇用を希望者する全員を雇用する必要はなかったのです。

また、同法では継続雇用以外にも、定年の引き上げ、定年の定めを廃止することが義務化されています。具体的には、前述した3点のうちいずれかの措置を、会社の制度として導入することを義務付けており、個々の労働者の雇用義務ではないとしています。また、定年引き上げについても義務化ではないので、同法の理解には注意が必要です。

国の高齢者雇用対策、企業への支援措置について

現在、国が行っている高齢者雇用対策として次のような措置が行われています。

  • 65歳超雇用推進助成金(旧名称 高年齢者雇用安定助成金)の支給
  • 高齢・障害、求職者雇用支援機構による事業主に対する相談、援助
  • シルバー人材センター事業の推進
  • 生涯現役促進地域連携事業(地域における高年齢者の就労促進に資する事業を幅広く実施
  • 高年齢者就労総合支援事業の実施)
  • 高年齢退職予定者キャリア人材バンク事業の実施
  • 特定求職者雇用開発助成金等の各種助成金の支給
  • シニアワークプログラム事業の実施
  • ハローワーク等による高年齢者雇用確保措置未実施企業に対する啓発指導

各措置の概要は、厚生労働省のホームページより「高年齢者雇用対策の概要」 (http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137096.html)をご参考ください。

生涯現役社会の実現、「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)」とは?

最後に、平成28年10月に新設された「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)」(旧名称 高年齢者雇用安定助成金)についてご紹介します。

「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)」の概要

これは65歳以上への定年引き上げ等の取り組みを行った事業主に対して、助成金を支給するものです。その目的は、生涯現役社会の実現のため、高年齢者の就労機会の確保および希望者全員が安心して働ける雇用基盤の整備とされています。

「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)」の主な受給要件

  • 労働協約または就業規則(以下:就業規則等)により、次の(1)~(2)までのいずれかに該当する新しい制度を実施し、就業規則を労働基準監督署へ届出た事業主であること

(1)旧定年年齢(法人等の設立日から、上記の制度を実施した日の前日までに就業規則等で定められた定年年齢のうち最も高い年齢)を上回る65歳以上への定年引上げ

(2)定年の定めの廃止

(3)旧定年年齢及び継続雇用年齢(法人等の設立日から、上記の制度を実施した日の前日までに就業規則等で定められた定年年齢または希望者全員を対象とした継続雇用年齢のうち最も高い年齢)を上回る66歳以上の継続雇用制度の導入

  • 就業規則等により定年の引上げ等を実施する場合は社会保険労務士、社会保険労務士法人、弁護士等の専門家に就業規則改正を委託し経費を支出したこと
  • または労働協約により定年の引上げ等の制度を締結するためコンサルタントに相談し経費を支出したこと

このほかにも、支給対象となる事業主の要件があります。独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページ「支給対象となる事業主の要件等(65歳超継続雇用促進コース)」(http://www.jeed.or.jp/elderly/subsidy/subsidy_keizokusuishin_youken.html)に詳しく記載されていますので、ご確認ください。

まとめ

少子高齢化が進み、労働人口が減少する現代で、働く意欲と能力のある高年齢者の積極的活用はわが国にとってプラスになることは間違いないでしょう。国や独立行政法人も積極的にそれを後押しするための施策を講じていますので、「定年」にこだわらず60歳を超えた高年齢者の継続雇用等を検討してみてはいかがでしょうか。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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