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年金手帳は2022年に廃止!会社への提出は不要に!4つの変更点について解説

年金手帳は2022年に廃止!会社への提出は不要に!4つの変更点について解説

監修者:佐藤 安弘 ワイエス行政書士・社会保険労務士事務所
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この記事でわかること

  • 年金手帳の廃止について
  • 平成30年3月からの年金手続きに関する変更点
  • マイナンバー普及に伴う提出不要になる手続きとは

これまで公的年金制度に加入すると交付されていた「年金手帳」。手帳には年金に関する情報が記載されており、取得手続きの時期によって手帳表紙の色が異なるのが特徴でした。

しかしそんな年金手帳は、2022年4月に廃止されたことはご存じでしょうか?その他にも年金に関する手続きは、平成30年3月より手続きの負担を減らすよう、複数の点が改正されています。

今回は、そんな年金手続きの2023年版の最新情報をご紹介。企業の人事労務担当者はこれらの変更を漏れなくチェックして、手続きのミスがないようにしましょう。

年金手帳とは

年金手帳とは、20歳以上の公的年金制度(国民年金・厚生年金・船員保険)の加入者に交付される手帳のことです。

2022年4月から年金手帳が廃止に

2022年4月1日以降初めて年金制度に加入する方は、年金手帳ではなく基礎年金番号通知書が交付されます。この改正に伴い、年金手帳は廃止となりました。

なお、すでに年金手帳が交付されている方には、基礎年金番号通知書は交付されません。年金手帳を紛失した、もらっていない・持っていない方は基礎年金番号通知書を再発行することが可能です。

年金手帳には、基礎年金番号などの年金に関する重要な情報が記載されており、身分証明として使用されることもあるため厳重に保管する必要があります。

【2023年最新】年金手続きに関するポイント4つ

平成30年3月から、届書様式や年金手続きに関していくつかの点が変更されました。ここからは、平成30年3月以降に変更された年金手続きに関する4つのポイントをご紹介します。

1. 被保険者の住所・氏名の変更届が不要に

これまで、被保険者の氏名や住所の変更があった場合、書面での届出が必要でした。

改正後は、マイナンバーと基礎年金番号が紐づいている方は、事業主からの届出が原則不要になりました。

その理由は、住民基本台帳ネットワーク(以下:住基ネット)でマイナンバーと被保険者の氏名・住所のひもづけができるようになり、そちらから情報を引き出せるようになったためです。

ただし、何らかの事情で被保険者のマイナンバーが変更された場合には、事業主経由で日本年金機構への届出が必要です。マイナンバーが変更されるケースとは、マイナンバーカードの紛失など自分のマイナンバーを知られて悪用される可能性がある場合などが考えられます。

氏名・住所変更の際に届出が必要な被保険者とは

また、基礎年金番号が紐づいていない被保険者や以下の方が氏名や住所を変更する際は、届出が必要になります。下記に当てはまる従業員がいる場合、変更届の提出を忘れないようにしましょう。

2. 入社時に会社へ年金手帳の提出も不要に

採用時に行う必要があった年金手帳確認が不要に

これまで、新しく従業員を採用したとき(新しい従業員が入社したとき)には年金手帳を確認する必要がありました。もし採用者が年金手帳を持っていなかった場合は、再発行手続きを指示したり、生年月日や前職の会社名を聞いたりといった煩わしいこともあったのではないでしょうか。

しかし、これからは年金手帳の確認そのものが不要になります。

氏名や住所と同じく、マイナンバーのみ確認すれば住基ネットで基礎年金番号が判明するためです。今後は、

  • マイナンバーを利用するか
  • 基礎年金番号を利用するか

事業主の便利な方で良いという規定になっています。ただし、マイナンバーの管理は厳重に行うことが義務付けられていますので、可能な限り基礎年金番号を利用する方が良いかもしれません。

3. 厚生年金の資格取得届にマイナンバーを記入すれば住所は記入不要

これまで、従業員を採用したときの手続きのひとつとして必要な厚生年金の資格取得届には、住所の記入が必要でした。

改正後は、厚生年金の資格取得届においてもマイナンバーを記入しておけば、住所は記入不要となりました。

これも、住基ネットから住所が取得できるような仕組みが提供されているためです。住基ネットを利用することで、最初に紹介した被保険者の氏名・住所変更と併せて、事務手続きはかなり簡略化されたといえるでしょう。

4. 届書作成プログラムやフォーマット更新に伴う対応が必要に

自社システムや届書作成プログラムを利用して各種届書を作成している場合は、フォーマットやプログラムを、今回の改正に合わせた最新バージョンに入れ替える必要があります。すでに対応は終わっているかもしれませんが、いま一度社内システムを見直し、改正後の書式になっているかどうかを確認してください。

届書作成プログラムやフォーマットの最新バージョンは、平成30年3⽉2⽇に公開済みで、それぞれ以下のとおりです。

平成30年3⽉5⽇以降の各種届出についてはこれらのバージョンを用いて作成する必要がありますので、今一度確認しておきましょう。

その他の年金手続きに関する変更点

平成30年3月から施行されているその他の年金に関する細かな変更点は、以下のとおりです。

その他の年金手続きに関する変更点

  • 決定通知書のレイアウト変更
  • 年金手帳と決定通知書を併せて送付していたのが別々に送付となった
  • 健康保険の資格喪失届出に対する通知が「返納のお知らせ」から「無効のお知らせ」に
  • 通知等の郵送先(居所)を登録すると住基ネットの異動に基づく更新が実行されなくなる
    通知等の郵送先(居所)の登録が可能な人は厚⽣年⾦被保険者及び第3号被保険者のみです
  • 被保険者・待機者が亡くなった場合、遺族年金が支給される可能性のある人に通知される
  • マイナンバーが変更された場合は届出が必要

これまでは、健康保険の資格を喪失した場合は健康保険の返納が必要でしたが、今後は無効のお知らせが届くのみになり、被保険者から健康保険証を回収する必要はなくなりました。この点も、会社側・被保険者双方の負担が少なくなった変更でしょう。

また、厚⽣年⾦被保険者及び第3号被保険者に限りますが、通知等の郵送先(居所)を住民票のある住所以外にすることも可能です。この場合、住基ネットの異動に基づく更新が実行されなくなるので、通知等の郵送先(居所)を住民票のある住所に戻す場合は、住基ネットに対して届け出る必要があります。

まとめ

今回の変更についてもう一度おさらいしましょう。厚生年金の資格取得届や被保険者の住所・氏名の変更届は不要になりました。また、従業員の採用時に行う必要のあった年金手帳の確認も不要です。

基本的には、マイナンバーを使って住基ネットから情報を引き出せるようになったため、年金の被保険者に関する情報が変更となった場合の届出に事業主がかかわらなくても良くなりました。

総じて事務手続きの負担が減少する方向の変更がメインです。不要になった事務手続きを精査して、業務内容を見直しましょう。

ワイエス行政書士・社会保険労務士事務所 監修者佐藤 安弘

1982年生まれ、東京都豊島区出身
2016年:社会保険労務士開業登録
2018年:特定社会保険労務士付記
2019年:行政書士登録
ワイエス行政書士・社会保険労務士事務所の特定社会保険労務士
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