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厚生年金と国民年金の違いを表で解説!切り替え手続きの方法も

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年金制度には国民年金・厚生年金・私的年金など、さまざまな制度があります。

会社員や公務員の場合、基本的に所属している会社や組織が厚生年金への加入手続きをおこない、厚生年金から国民年金に切り替える場合、手続きは加入者が進めなければなりません。

今回は国民年金と厚生年金の違いや年金の種類、国民年金と厚生年金の切り替えの手続き方法を解説します。

この記事でわかること

  • 厚生年金と国民年金の違い
  • 年金の切り替え手続き方法
  • 3種類の年金のそれぞれの特徴
監修者
難波 聡明

なんば社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士
https://www.namba-office.osaka.jp/

ワークスタイルコーディネーター。社会保険労務士
社会保険労務士の中でも10%に満たないと言われる助成金を専門に手掛けるの社会保険労務士。

国民年金と厚生年金の違いとは

国民年金と厚生年金の違いとは

国民年金と厚生年金の違いは、加入対象者や保険料・保険料の支払負担主などが異なります。

国民年金と厚生年金との違い
項目 国民年金 厚生年金
加入対象者 20~60歳のすべて国民 会社員や公務員
保険料 一律16,520円/月額 所得によって異なる
保険料の支払い者 加入者の全額負担 事業主と労働者の折半
最低加入期間 10年 1カ月
支給開始年齢 65歳 65歳
付加年金の加入可否 加入できる 加入できない
平均年金月額 65,075円 146,000円
さらに国民年金が上乗せ
国民年金基金の加入可否 加入できる 加入できない
加給年金の有無 なし あり
年金給付額 入期間に応じて一律 所得と加入期間によって異なる
 令和5年度
【出典】国民年金保険料|日本年金機構

厚生年金は二階建て構造となっており、年金の受け取り時には厚生年金と国民年金の両方が受け取れます。しかし国民年金の保険料は厚生年金保険が負担するため、両方の保険料を支払う必要はありません。

厚生年金の加入条件に当てはまらない方は、国民年金に加入する必要があります。

なお国民年金と厚生年金は、繰り上げるまたは繰り下げて受給することで受給金額が異なります。60歳から早めて受給することも、70歳まで遅らせて受給することも可能です。

繰り上げ受給の計算式
繰り上げた月数×0.5%の減額(最大30%減)
繰り下げ受給の計算式

繰り下げた月数×0.7%の増額(最大42%増)

3種類の年金とそれぞれの違い

年金の種類について

年金には、国民年金・厚生年金・企業年金(私的年金)の3種類があります。

年金の種類
国民年金 原則日本に住んでいる20歳~60歳までのすべての国民(第一号被保険者、第二号被保険者、第三号被保険者)が加入する公的年金制度
厚生年金 会社員や公務員が加入する、国民年金に上乗せして給付される年金
私的年金 個人や企業が任意で加入する年金(確定拠出型年金、確定給付型年金、年金払い退職給付など)

国民年金や厚生年金の中には、老齢年金・障害年金・遺族年金の3種類があります。

国民年金とは?満額いくら受け取れる?

国民年金(基礎年金)とは、日本に住んでいる20歳~60歳までのすべての国民が加入する公的年金制度です。

加入期間10年以上で受け取れる年金で、月額65,075円(年間78万900円)が支給されます(令和3年度4月以降、満額)。

国民年金の加入期間や支払った保険料額によって異なります。また、学生や所得に不安のある人は、支払いの免除・猶予が可能です。

また、国民年金は以下の被保険者に分類されます。

区分 条件 該当する職業
第一号被保険者 日本国内に住所を有する20~60歳未満の人で、第二・第三号被保険者に該当しない人 自営業者
農業
漁業者
学生
無職
その配偶者
第二号被保険者 原則70歳未満の人 公務員
教職員
民間企業の会社員
第三号被保険者 第二号被保険者に生計を維持されている20~60歳未満の配偶者 主に専業主婦

第一号被保険者は一定の保険料を上乗せして年金を受けられる国民年金基金にも加入されます。

厚生年金とは?加入条件と保険料の計算方法

厚生年金とは、会社員や公務員が国民年金に上乗せする年金であり、受給時に国民年金と厚生年金の両方が受け取れる二階建て構造となっています。そのため、厚生年金の加入者が、自分で国民年金の保険料を支払う必要はありません。

厚生年金は、国民保険の第二号被保険者である会社員や公務員が対象となります。

厚生年金の保険料は標準報酬月額(毎年4月~6月の月給と賞与)に保険料率をかけて求めます。保険料負担は、事業主と加入者(従業員)との折半となります。

厚生年金は産前産後休業育児休業などの事情において、保険料支払いが免除されます。また、厚生年金は加給年金が利用できます。

加給年金とは厚生年金保険の加入期間が20年以上または中高齢者の特例で、特別支給の老齢厚生年金または65歳以後の老齢厚生年金を受ける権利を得た方が、65歳未満の配偶者を扶養しているときに支払われる年金のことです。

障害年金とは

障害年金とは、一定の病気・ケガによって生活に支障が出る、仕事ができなくなった加入者に支払われる年金です。

老齢年金と同じく、国民年金と厚生年金のうちの一つです。また障害年金には、

  • 障害等級表1・2級に該当する障害を負った場合に支給される「基礎障害年金」
  • 基礎障害年金に上乗せされる「障害厚生年金」

があります。

厚生年金基金とは
国が行う老齢厚生年金の一部(報酬比例部分)の支給を代行し、これにプラスアルファ部分を上乗せして年金給付を行う仕組みです。

企業年金とは?

企業年金とは、企業が公的年金制度に上乗せして支給する私的年金制度で、保険料や受給金額は所属している企業や組織によって異なります。

企業年金の中には、

  • 企業型確定拠出年金(資金の運用先を労働者が決める年金)
  • 確定給付年金(企業が資産運用をおこなう年金)

があり、さらに中小企業向けには中小企業退職金共済制度(中小企業に勤務する会社員への退職金制度)があります。

国民年金・厚生年金の切り替え手続き方法

国民年金から厚生年金への切り替え手続きは企業側がおこなう

国民年金・厚生年金の切り替えについて

国民年金と厚生年金は保険者区分によって加入対象者が異なるため、無職者や学生・自営業者などの第一号被保険者が会社員・公務員に転職した場合、国民年金から厚生年金への切り替えが必要です。

切り替え手続きは就職した企業の人事・労務担当者がおこなうため、加入者が手続きをおこなう必要はありません。

厚生年金から国民年金への切り替え手続きは加入者がおこなう

一方で、会社員や公務員が第一号被保険者(無職者や学生・自営業者)に転向した際は、厚生年金の脱退手続きと国民年金の加入手続きが必要です。

国民年金の加入手続きは加入者自身が以下の書類を持ち、退職日から14日以内に住所が登録されている市役所に申請・提出する必要があります。

まとめ

国民年金は日本に住んでいる20歳~60歳のすべての人が加入対象となる公的年金制度です。国民年金の第二号被保険者が加入できる厚生年金は、会社員や公務員が該当します。

所属する会社や組織を離れた際は、国民年金への加入手続きを加入者自身がおこなわなければなりません。

将来の受給額にも差があるため、正しい知識と理解を深めましょう。

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