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アンケート企業で働く一般社員300名を対象に、人事評価に関するアンケートを実施しました。勤務先の人事評価に「あまり納得していない」「まったく納得していない」と回答した人は43.0%でした。
一方で、「とても納得している」「やや納得している」と回答した人は39.0%となっています。人事評価に不満や疑問を感じる点として最も多かったのは「上司の主観が強い」で、次いで「評価基準が不明確」が続きました。
また、評価前の目標・評価基準の共有や、評価後の具体的なフィードバックが十分とはいえない実態も見えています。人事評価への納得度が仕事への意欲に影響していると感じる人は70.3%にのぼりました。
人事評価は、昇給・賞与・昇格を決めるためだけでなく、従業員の納得感や仕事への向き合い方にも関わる仕組みです。本記事では、アンケート結果をもとに、人事評価制度の課題と人事労務担当者が見直したいポイントを解説します。
目次
今回のアンケートでは、企業で働く一般社員300名を対象に、人事評価制度の把握状況や評価への納得度、不満や疑問点、評価前後の説明、仕事への意欲への影響、企業に求める改善策を聞きました。
人事評価は、昇給・賞与・昇格などの処遇を決めるだけでなく、従業員の納得感や仕事への意欲にも関わる重要な仕組みです。一方で、評価基準や評価理由が十分に伝わっていない場合、従業員が不満や疑問を抱きやすくなることもあります。
ここでは、一般社員300名の回答結果をもとに、人事評価制度の現状と人事労務担当者が確認したいポイントを整理します。

勤務先の人事評価制度について、どの程度把握しているかを尋ねたところ、「評価基準や評価の流れまで把握している」と回答した人は15.3%でした。
一方で、「評価を受けているが、基準や流れは一部しかわからない」は44.7%、「評価を受けているが、内容はほとんどわからない」は25.7%となっています。また、「人事評価制度があるかわからない」は10.7%、「人事評価制度はないと思う」は3.7%でした。
人事評価制度がある場合でも、評価基準や評価の流れまで十分に理解している従業員は限られていることがうかがえます。制度を設計するだけでなく、従業員にどのように伝えるかも重要な課題です。

現在の人事評価への納得度を尋ねたところ、「あまり納得していない」が36.7%、「まったく納得していない」が6.3%となり、納得していない層は合計43.0%でした。
一方で、「とても納得している」は2.7%、「やや納得している」は36.3%で、納得している層は合計39.0%となっています。「どちらともいえない」は8.3%、「人事評価制度がない・わからないため判断できない」は9.7%でした。
今回の調査では、人事評価に納得していない層が、納得している層をやや上回る結果となりました。人事労務担当者は、従業員がどの点に納得しづらさを感じているのかを確認し、制度運用を見直すことが重要です。

人事評価に不満や疑問を感じる点を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「上司の主観が強い」で42.7%でした。次いで「評価基準が不明確」が40.7%、「頑張りやプロセスが評価されにくい」が30.7%と続きます。
そのほか、「評価者によって判断にばらつきがある」は24.3%、「部署や職種によって評価に差がある」は22.0%、「日々の業務実態を十分に見てもらえていない」は20.7%、「成果より印象で評価されている」は20.0%でした。
複数回答のため合計は100%を超えますが、上位には評価基準の不明確さや評価者の主観・ばらつきに関する項目が並んでいます。従業員は、評価結果そのものだけでなく、「どのような基準で、誰が、どのように判断したのか」という評価プロセスにも不満や疑問を感じやすいと考えられます。
人事評価制度は、制度として存在しているだけでは十分とはいえません。評価を受ける従業員が、評価基準や評価の流れを理解し、評価結果に納得できる状態になっているかが重要です。
今回の調査では、人事評価制度について「評価基準や評価の流れまで把握している」と回答した人は15.3%にとどまりました。また、人事評価に不満や疑問を感じる点として「評価基準が不明確」が40.7%、「上司の主観が強い」が42.7%となっています。
この結果からは、制度そのものの有無だけでなく、評価の仕組みが従業員に伝わっているか、評価者による判断のばらつきが抑えられているかを確認する必要があるといえます。
評価基準があいまいなままでは、従業員は自分の仕事ぶりがなにを基準に評価されているのかを把握しにくくなります。その結果、評価結果が期待と異なった場合に「なぜこの評価なのか」「なにを改善すればよいのか」がわからず、不満や疑問につながりやすくなります。
人事労務担当者は、評価項目や評価基準を職種・等級ごとに整理し、従業員が理解できる言葉で説明することが重要です。抽象的な評価項目だけでなく、期待される行動や成果の例を示すことで、評価を受ける側も目標を立てやすくなります。
不満・疑問の最多となった「上司の主観が強い」は、評価者個人への不満だけでなく、評価プロセス全体への不信感を示している可能性があります。評価基準や判断理由が十分に説明されない場合、従業員は評価結果を「上司の印象で決まっている」と受け止めやすくなります。
評価者の主観を完全になくすことは難しいものの、評価基準のすり合わせや評価会議、評価者研修などによって、判断のばらつきを抑えることは可能です。また、評価理由を説明できる状態にしておくことも、従業員の納得感を高めるうえで重要です。
人事評価への納得度は、評価結果だけで決まるものではありません。評価期間が始まる前に目標や評価基準が共有されているか、評価後に理由や今後の改善点が説明されているかも、納得感に関わる重要な要素です。
評価前後のコミュニケーションが不足していると、従業員は評価結果を自分の成長や次の行動につなげにくくなります。

人事評価を受ける前に、目標や評価基準が十分に共有されているかを尋ねたところ、「十分に共有されている」は5.3%、「ある程度共有されている」は27.0%でした。合計すると、目標や評価基準が一定程度共有されていると感じている人は32.3%となっています。
一方で、「共有されているが、内容はあいまい」は33.3%で最も多い結果でした。また、「ほとんど共有されていない」は18.3%、「共有されたことがない」は10.3%、「わからない」は5.7%となっています。
評価基準や目標が十分に共有されないまま評価期間が進むと、従業員は「なにを期待されているのか」「どの行動や成果が評価されるのか」を把握しにくくなります。評価への納得感を高めるには、評価前の段階で目標や基準を具体的に共有し、認識のズレを減らすことが大切です。

人事評価の結果について、上司や会社から具体的なフィードバックがあるかを尋ねたところ、「評価理由や今後の改善点まで具体的に説明される」は5.3%、「評価結果について、ある程度説明される」は21.3%でした。合計すると、具体的または一定程度の説明がある人は26.7%となっています。
一方で、「説明はあるが、具体性が足りない」は28.0%、「評価結果だけ伝えられる」は15.3%、「ほとんど説明されない」は18.0%、「評価面談やフィードバックの機会がない」は12.0%でした。
評価結果を伝えるだけでは、従業員が次になにを改善すればよいのか、どの行動を継続すべきなのかがわかりにくくなります。評価面談やフィードバックの場では、評価理由に加えて、今後期待する役割や改善点を具体的に伝えることが重要です。
人事評価は、従業員の処遇を決めるための仕組みであると同時に、日々の仕事への向き合い方にも関わります。評価への納得度が低い状態が続くと、従業員のモチベーションや会社への信頼感に影響する可能性があります。

人事評価への納得度は、仕事への意欲に影響していると思うかを尋ねたところ、「大きく影響している」は19.3%、「やや影響している」は51.0%でした。合計すると、70.3%が仕事への意欲に影響していると感じていることになります。
一方で、「あまり影響していない」は17.3%、「まったく影響していない」は4.0%、「わからない」は8.3%でした。
多くの一般社員が、人事評価への納得度と仕事への意欲の関係を感じていることがわかります。評価制度は、単に点数やランクを決める仕組みではなく、従業員が自分の仕事をどのように受け止め、次の行動につなげるかにも関わるものです。
人事労務担当者は、評価結果の通知だけで終わらせず、評価を通じて従業員の成長や目標達成を支援する仕組みとして運用できているかを確認する必要があります。
最後に、一般社員が人事評価制度に必要だと感じている改善策を見ていきます。今回の調査では、評価基準の明確化や評価者によるばらつきの防止、評価結果の説明に関する項目が上位に挙がりました。従業員が求めているのは、単なる評価結果の変更ではなく、評価の透明性や公平性、説明の充実であることがうかがえます。

人事評価制度に必要だと思う改善策を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「評価基準を明確にする」で58.7%でした。次いで、「評価者によるばらつきを減らす」が40.3%、「評価結果の説明を増やす」が39.3%、「昇給・賞与・昇格との関係を明確にする」が37.0%、「成果だけでなくプロセスも評価する」が33.0%と続きます。
そのほか、「上司の評価スキルを高める」は29.0%、「1on1や面談の機会を増やす」は15.3%、「社員の意見を評価制度に反映する」は14.3%でした。
複数回答のため合計は100%を超えますが、上位には評価の透明性や公平性、説明の充実に関する項目が並んでいます。評価基準を明確にするだけでなく、評価者の判断のばらつきを減らし、評価結果を従業員が理解できる形で伝えることが求められています。
今回の調査結果を踏まえると、人事評価制度の改善では、評価基準の明確化、評価者教育、フィードバックの充実が重要なポイントとなります。人事労務担当者は、制度の設計だけでなく、評価前・評価中・評価後の運用まで含めて見直すことが大切です。
評価基準を明確にするには、職種や等級ごとに期待される役割、成果、行動を整理する必要があります。抽象的な評価項目だけでは、従業員が具体的な行動に落とし込みにくく、評価者によって判断が分かれやすくなります。
評価項目を作成する際は、実際の業務内容と結びつけながら、どのような状態であれば高く評価されるのかを説明できる形にすることが重要です。また、評価期間の開始時には、上司と従業員が目標や期待値を確認し、認識をそろえておく必要があります。
人事評価への不満として「上司の主観が強い」「評価者によって判断にばらつきがある」といった項目が挙がっていることから、評価者側の運用も見直す必要があります。
評価者研修では、評価基準の理解だけでなく、評価エラーや面談時の伝え方、部下の業務実態を把握する方法などを扱うことが考えられます。また、評価会議や人事部門による確認を通じて、部署間・評価者間で基準のズレが大きくなっていないかを確認することも重要です。
評価結果だけを伝えても、従業員は評価を次の行動につなげにくくなります。評価面談では、なぜその評価になったのか、どの点が評価されたのか、今後どのような行動や成果が期待されるのかを具体的に伝えることが大切です。
特に、評価に納得していない従業員に対しては、評価結果を一方的に伝えるだけでなく、本人の受け止め方や認識を確認する必要があります。評価面談を、単なる結果通知ではなく、今後の成長や役割理解につなげる場として設計することが求められます。
評価時期になって初めて目標未達や期待値のズレを伝えると、従業員は評価結果に納得しづらくなります。評価期間中から、1on1や定期面談を通じて進捗や課題を確認し、必要に応じて目標や期待値をすり合わせることが重要です。
また、評価期間中のコミュニケーションを記録しておくことで、評価結果の説明にもつなげやすくなります。日々の業務実態を見てもらえていないという不満を減らすためにも、上司と従業員が定期的に対話する機会を設けることが有効です。
人事評価制度は、制度を作って終わりではありません。評価基準を明確にし、評価前に目標を共有し、評価期間中に認識をすり合わせ、評価後に具体的なフィードバックをおこなうことで、従業員が評価結果を受け止めやすくなります。
目標や評価基準を共有し、従業員と上司の認識をすり合わせることが重要です。
1on1や面談を通じて、進捗や期待値のズレを確認することが大切です。
評価結果だけでなく、理由や今後の改善点を具体的に伝えることが求められます。
今回のアンケートでは、企業で働く一般社員300名のうち、人事評価に「あまり納得していない」「まったく納得していない」と回答した人が43.0%となりました。一方で、納得している層は39.0%であり、人事評価への納得感には課題があることがうかがえます。
人事評価に不満や疑問を感じる点として最も多かったのは「上司の主観が強い」で、次いで「評価基準が不明確」が続きました。また、目標や評価基準の共有、評価後の具体的なフィードバックについても、十分とはいえないケースが見られます。
さらに、人事評価への納得度が仕事への意欲に影響していると感じる人は70.3%でした。企業は、評価基準の明確化、評価者によるばらつきの防止、評価結果の説明充実などを通じて、従業員が納得しやすい評価制度の運用を整えることが重要です。
労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
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