
出勤簿は、従業員の出勤日や始業・終業時刻などの労働時間を記録・管理する書類です。
労働基準法第109条では、出勤簿やタイムカードなどの労働時間の記録は「労働関係に関する重要な書類」に該当し、5年間(経過措置により当分の間3年間)の保存が必要とされています。
労働時間に関する記録は、労働基準法に基づき適切に保存する必要があります。保存義務に違反した場合は、30万円以下の罰金など罰則が科される可能性があるため、担当者は保存期間や管理方法について正しく理解しておくことが重要です。
この記事では、出勤簿についての基礎知識や法律で定められている保存期間、賃金台帳などとの違いについて解説します。
目次

出勤簿とは、従業員ごとの出勤日や出退勤時刻、労働時間、休憩時間などの勤怠情報を記録・管理する帳簿です。
企業が適正な労務管理や給与計算を行うための基礎資料であり、労働時間の把握や残業時間の管理、労働基準監督署の調査への対応などの場面で利用されます。
また、出勤簿は労働基準法で作成・保存が義務付けられている「賃金その他労働関係に関する重要な書類」に該当し、一定期間の保存が必要とされています。
出勤簿は、事業者に作成・保存義務がある法定帳簿です。
労働基準法第109条では、労働者名簿や賃金台帳などの労務関係書類を5年間(※経過措置により当分の間3年間)保存することが義務付けられており、出勤簿も「労働関係に関する重要な書類」に該当します。
そのため、事業者は出勤簿を適切に作成・保存しなければなりません。
出勤簿を作成する対象は、事業所で雇用するすべての労働者です。
正社員だけでなく、契約社員、パート、アルバイト、嘱託社員など、雇用形態を問わず対象となります。また、労働時間の状況把握が求められることから、管理監督者についても労働時間の記録が必要です。
管理監督者は、2019年4月の労働基準法改正において出勤簿の対象者となりました。また、同時期に労働安全衛生法の改正もあったことにより、安全衛生管理の面でも管理監督者の労働時間管理をする意味が強まりました。
出勤簿にはどんな内容を記載しておくべきなのでしょうか。主に従業員の勤怠情報について、以下のような項目で詳細に記載します。
詳細な記載でなければ内容不備とみなされてしまうため、「何月何日に、どんな勤務体系で、何時から何時まで働いたか」などが分かるように丁寧に記載しましょう。
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出勤簿は勤怠情報を管理する帳簿ですが、賃金台帳やタイムカードとは役割や法的位置付けが異なります。
それぞれの違いを理解しておくことで、適切な労務管理につながります。
| 項目 | 出勤簿 | 賃金台帳 | タイムカード |
|---|---|---|---|
| 目的 | 勤怠情報の管理 | 賃金の管理 | 出退勤時刻の記録 |
| 法定帳簿 | 〇 | 〇 | × |
| 記載内容 | 出退勤時刻・労働時間など | 賃金・労働日数・労働時間など | 打刻時刻 |
| 様式 | 任意 | 任意(必要事項を満たすこと) | 任意 |
出勤簿と賃金台帳はどちらも法定帳簿ですが、管理する内容が異なります。
出勤簿は、出勤日や出退勤時刻、労働時間などの勤怠情報を記録する帳簿です。一方、賃金台帳は、賃金額や労働日数、労働時間、時間外労働時間、控除額など、給与計算に必要な情報を記録する帳簿です。
なお、賃金台帳には厚生労働省が様式例を公開していますが、法令で様式が定められているわけではありません。必要事項が記載されていれば、Excelなど任意の様式で作成できます。
タイムカードは、従業員が出勤・退勤時刻を記録するための打刻データです。一方、出勤簿は、その打刻データなどを基に勤務実績を整理・管理する法定帳簿です。
適正な給与計算や労働時間管理を行うためには、タイムカードの打刻記録だけでなく、休憩、実労働時間、時間外・休日・深夜労働などを適切に集計・管理する必要があります。

出勤簿は、作成するだけでなく、一定期間保存することが法律で義務付けられています。
労働基準法第109条では、労働者名簿や賃金台帳などの労働関係書類について、5年間保存しなければならないと定められています。出勤簿も「労働関係に関する重要な書類」に該当するため、保存義務の対象です。なお、経過措置として「当分の間」は3年間とされていますが、実務上は5年間の保存を前提に管理することが望ましいでしょう。
出勤簿の保存期間は、「完結の日」から起算します。
完結の日とは、その出勤簿への記載が終了し、それ以上追記する必要がなくなった日のことです。月ごとに出勤簿を作成している場合は、対象月の勤怠が確定した日が目安となります。
一方、賃金台帳は賃金支払日が起算日となる場合があるため、出勤簿と混同しないよう注意しましょう。
出勤簿には法律で定められた様式はありません。
そのため、必要な記載事項を満たしていれば、紙の帳簿だけでなく、Excelや勤怠管理システムなどで作成・管理することも可能です。
近年では、勤怠管理システムを導入し、ICカードやPCログなどの客観的な打刻データをもとに出勤簿を自動作成する企業も増えています。
また、電子データで保存する場合は、労働基準監督官の臨検時にすぐ表示・印刷できることや、改ざん・消去防止など一定の要件を満たす必要があります。
これらの要件を満たしていれば、紙で保管する必要はありません。勤怠管理システムを利用すれば、出勤簿の作成から保存まで効率化できます。
保存義務の期間を経過した出勤簿は、原則として廃棄できます。
ただし、労働基準監督署の調査や労使トラブル、未払い残業代の請求などが発生している場合は、証拠として必要になることがあります。そのため、保存期間を過ぎた場合でも、状況に応じて一定期間保管を継続することを検討するとよいでしょう。

従業員ごとの勤怠管理はとても複雑になります。出勤簿などを紙で対応している、もしくは手入力でデータを作成しているという場合は、工数をかなり要してしまいます。
打刻や自動計算機能が備わっているため、情報をすべて手入力する必要がありません。書類作成に必要なデータが自動集計され、そのまま抽出して書類作成ができるため工数削減になります。
また、出退勤がタイムカードからPCや勤怠管理アプリなどに変更されることにより、従業員の打刻の負荷が減るというメリットなどもあります。気になる担当者の方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
出勤簿について、企業の担当者からよく寄せられる質問をまとめました。作成方法や保存方法など、実務上で疑問になりやすいポイントを解説します。
出勤簿は、従業員の出勤日や始業・終業時刻などの労働時間を記録・管理する書類です。
労働基準法によって一定期間の保存が義務となっており、違反すれば罰則が設けられているため、担当者はしっかりと対応する必要があります。保存期間は、原則としてその書類が「完結した日」から5年間となるため覚えておきましょう。
より正確に作成・保管するために「勤怠管理システム」などのソフトを利用するのもおすすめです。