この記事でわかること・結論
- 契約社員とアルバイトは法律用語ではなく、一般的な総称
- 契約社員は有期契約労働者、アルバイトは短時間労働者
- 契約社員もアルバイトも条件を満たせば、年次有給休暇や社会保険が適用される
この記事でわかること・結論
非正規社員である契約社員とアルバイトは異なる雇用形態として、多くの企業が採用しています。
本記事では契約社員やアルバイトの違い、を解説します。
契約社員とは、法律用語ではなく、一般的な呼称です。公文書では契約社員のほか、複数の呼称で記載されています。法律上は契約社員を有期契約労働者の一種として考えます。契約社員の定義は以下のとおりです。
また、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合は、労働者の申し込みにより期間の定めのない労働契約(無期雇用)に転換できます。
なお、契約社員が契約更新3回以上または1年以上継続勤務しており、契約更新をしない場合、事業主は契約終了の30日前までに雇止めの予告をしなければなりません。
アルバイトとは、契約社員と同じく法律用語ではなく、一般的な呼称です。一般的に短時間勤務で働く雇用形態を指します。アルバイトは法律上、雇用契約に基づいた短時間労働者と定められ、労働法が適用されます。
そのため、要件を満たせば年次有給休暇が取得でき、雇用保険、健康保険、厚生年金が適用されます。また、事業主はアルバイトを雇用する際に就業場所および業務、労働時間、賃金や退職に関する労働条件を書面の交付により明示することに加え、次の事項についても文書で交付することが義務付けられています。
正社員と均等の待遇を行う措置(同一労働同一賃金)や正社員への転換を推進する措置も事業主の義務となっています。最近は労働条件の悪い労働契約が問題視されていますが、アルバイトもまた雇用契約に基づく労働者であることを忘れてはいけません。
一般的な呼称である契約社員とアルバイトですが、事業主は2つの呼称の違いを法に基づき、明確かつ正しく認識しておかなければなりません。また、パートタイム・派遣社員についてもご紹介します。
呼称 | 詳細 |
---|---|
契約社員 | 労使の合意により期間が定められた有期契約労働者だが、期間の定めのない無期労働者に転換する場合もある |
アルバイト | 短時間勤務で働く雇用形態。法律用語では「短時間労働者」と定められているため労働法が適用される。契約期間は有期と無期の場合がある |
パートタイム | アルバイトと同義、社会保険の扱いも同じ。企業によって、使い分けられている |
派遣社員 | 派遣会社と雇用契約を結ぶ有期雇用労働者です。契約社員は雇用される企業と直接雇用契約を結びます |
契約社員・派遣社員、アルバイト・パートタイムの違いを短くをまとめると以下となります。
※派遣社員の方が契約社員よりも契約期間が短い
基本的に有期雇用契約か短時間勤務かで雇用形態で区別しますが、先述のとおり、例外もあります。雇用の際に迷ったときは、必ずどちらの雇用形態であるかを確認し、法律に則り正しく雇用しましょう。
企業によっては、契約社員とアルバイトという呼称を自社独自の呼称で使用していることが珍しくありません。
厚生労働省のホームページ「労働契約法に基づく『無期転換ルール』への対応について」では、有期契約社員という言葉のほかに、意味がアルバイトに近い「パート」、あるいは「メイト社員」や「スタッフ社員」など各企業が定めた呼称が使われています。
アルバイトという言葉は、主に学生の短時間労働者に使われるケースが多いようです。また、厚生労働省が運営する「確かめよう労働条件」という労働条件に関する総合情報サイトでは、アルバイトにおけるトラブルの実例を挙げ、学生アルバイトへの注意喚起と事業主への啓発を呼び掛けています。
どちらの言葉も明確な法律用語ではなく定義があいまいであることから、事業主は双方の言葉の使い方を正しく理解し、区別することが重要です。
現在の日本では正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、アルバイト・パートタイムなど幅広い雇用形態の人達によって、経済活動が行われています。派遣社員やアルバイトは法律用語ではなく一般的な呼称ですが、一定条件を満たせば、正社員と同様の待遇や社会保険への加入が義務付けられます。
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大学卒業後、日本通運株式会社にて30年間勤続後、社会保険労務士として独立。えがお社労士オフィスおよび合同会社油原コンサルティングの代表。
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