この記事でわかること
- 被保険者整理番号の割り振り方法には、特に決まりはない
- 被保険者整理番号が必要な社会保険手続き
この記事でわかること
被保険者整理番号とは、健康保険や厚生年金保険の加入・変更手続きに必要な個人番号です。社員の入社や退職にあたり必要となります。今回は被保険者整理番号の意味や必要な手続き、健康保険と厚生年金との違い、確認するポイントを中心にご紹介します。
目次
被保険者整理番号(年金整理番号)とは、社会保険(健康保険、厚生年金保険)の加入手続きの際に発行され、登録内容を変更する際に必要となる番号です。健康保険、厚生年金保険それぞれ異なる番号の場合もあれば、2つとも共通している場合もあります。
被保険者整理番号(年金整理番号)を割り振り方法には、特に決まりはありません。事業主の任意で「入社した順番に採番する」「社員番号をそのまま使用する」など社員個人ごとに異なる個人番号を割り振ります。
被保険者整理番号は普段意識しない個人番号ですが、従業員が結婚や死亡が発生した場合、登録内容の変更手続きが必要となります。社員から質問される場合があるため、被保険者整理番号への正しい知識を持っておきましょう。
健康保険被保険者整理番号とは、健康保険の被保険者に割り振られた個人番号です。健康保険証の表面に記載があります。
全国健康保険協会(以下、協会けんぽ)の場合、健康保険証の表面に記載されている『記号・番号』欄の「番号」にあたる部分が健康保険被保険者整理番号となります。「記号」にあたる部分は「被保険者整理記号」と呼ばれています。
健康保険被保険者整理番号は、協会けんぽとその他の健康保険組合と、被保険者整理番号の割り振り方が異なる場合があります。被保険者整理番号は、被保険者個人を識別する目的で割り振ります。しかし、健康保険組合毎に被保険者整理番号を割り振る方法(桁数や採番方法)が異なっていても問題ありません。
厚生年金被保険者整理番号とは、事業主が独自には割り振る任意の桁数の個人番号です。基礎年金番号とは異なります。
基礎年金番号とは、日本年金機構が割り振る番号で、4桁と6桁の組み合わせによる計10桁です。基礎年金番号は、年金の種類(厚生年金や国民年金基金、別の会社の厚生年金)が変わっても変更されません。
一方で厚生年金被保険者整理番号は、厚生年金を脱退し新たに加入したときに被保険者整理番号が変わります。また厚生年金被保険者整理番号は、厚生年金資格取得届等の控えなどの書類上でしか確認できません。
従業員が転職や退職などで厚生年金を脱退し、被保険者資格喪失届を提出する場合は、会社に厚生年金の被保険者整理番号を確認してもらう必要があります。
被保険者整理番号は、治療や育児休業、従業員の採用・退職、従業員の扶養家族に関する変更などで必要です。
以下の申請をおこなう場合、健康保険被保険者整理番号が必要です。
治療や休業に関する届け出には、健康保険の被保険者整理番号が必要となります。
厚生年金被保険者整理番号は、以下の手続きで必要です。
厚生年金被保険者整理番号は社員が把握していない場合が多いため、会社で管理しておく必要があります。社員から問い合わせがあった場合、採用時に作成した厚生年金資格取得届の控えを確認して知らせましょう。
被保険者整理番号は、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入時に発行される個人番号であり、社会保険の登録内容変更の際に必要となる場合があります。健康保険組合によって番号の割り振りルールが異なる場合もあるため、注意が必要です。
上場の建設会社にて情報システムの開発、運用、管理を経験した後、人事部に異動して給与計算、社会保険手続きから採用・退職など、人事労務管理に約12年従事。やまもと社会保険労務士事務所の所長、特定社会保険労務士。
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