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社員から「被保険者整理番号は何に使用している番号ですか?」と聞かれたことはありませんか?単に「被保険者」と言われれば、生命保険、健康保険、厚生年金保険、雇用保険が思い当たります。しかし、「被保険者整理番号」という言葉自体はあまり聴きなれないでしょう。
ここでは、この「被保険者整理番号」がどのようなときに使用されているかを解説します。被保険者整理番号がどこに記載されているかなどぜひご確認ください。
被保険者整理番号とは、社会保険(健康保険、厚生年金保険)の加入手続きの際に付与される番号のことです。健康保険、厚生年金保険それぞれ振られていますが、この2つの番号は共通のこともあれば違っている場合もあります。
被保険者整理番号を割り振るルールですが、特に決まりはありません。入社した順番に採番したり、企業の場合は社員番号をそのまま使用したりして、社員個人ごとに異なる番号になるように割り振られます。
被保険者整理番号は、普段あまり意識することのない番号です。ただ、何らかの手続きで必要になる場合があり、社員から質問される可能性もあります。具体的に被保険者整理番号とはどの番号のことを指すかについては、知識として知っておきましょう。
健康保険被保険者整理番号は、健康保険の被保険者に対して振られた番号のことです。健康保険証の券面に記載があります。たとえば、全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合、健康保険証の表面・右上部に記載されている「記号・番号」欄の「番号」に当たる部分が健康保険被保険者整理番号です。ちなみに「記号」の部分は、「被保険者整理記号」と言います。
健康保険の被保険者整理番号ですが、全国健康保険協会(協会けんぽ)と健康保険組合の違いなどによって割り振り方が違う場合もあります。被保険者個人を識別できれば良いため、健康保険組合ごとに、被保険者整理番号を割り振る方法(桁数や採番方法)が異なるからです。
どのような健康保険組合であっても「被保険者整理番号」はあり、券面に印刷されていますのでそうそう見落としはないでしょう。ただし、たいていセットで記載されている「被保険者整理記号」と混同しない様にだけ注意してください。
厚生年金保険の被保険者整理番号は、基礎年金番号とは意味合いの違う番号です。
年金手帳には基礎年金番号が書かれていますので、この番号が被保険者整理番号のことだと勘違いする人は少なくありません。
基礎年金番号は、年金の種類が厚生年金から国民年金や別の会社の厚生年金に代わっても変化しない番号です。厚生年金の被保険者整理番号は、その厚生年金を脱退すると次に加入した年金の被保険者整理番号に変化します。両者の違いとして、この点は押さえておきましょう。
一方、厚生年金の被保険者整理番号は、厚生年金資格取得届等の控えなど、書類上でしか確認できません。退職などで厚生年金を脱退して被保険者資格喪失届を提出する場合は、会社の方で厚生年金の被保険者整理番号を確認してください。
健康保険の場合は、下記のような場合の書類を作成する際、被保険者整理番号の書類への記入が必要になります。
これらの届出は、社員が長く働く中で必要になる可能性があります。ただ、被保険者整理番号は保険証の券面に書かれているため、問い合わせをする社員は比較的少ないかもしれません。
厚生年金の場合は、下記のような場合の書類を作成するときに被保険者整理番号の書類への記入が必要です。
特に厚生年金の被保険者整理番号は、通常社員には分からないため、会社の方で記入しておく必要があります。社員から問い合わせがあった場合は、その社員を採用したときに作成しているはずの厚生年金資格取得届の控えなどを確認して知らせるようにしましょう。
社会保険の被保険者整理番号について解説しました。被保険者整理番号には明確な採番ルールがなく、事業所内で個人を識別するために割り振られた番号です。
普段はあまり意識することもありませんが、健康保険の被保険者整理番号は、高額医療費や傷病手当金などの書類を提出する際に必要になります。
また、厚生年金保険の被保険者整理番号は、従業員の氏名や住所に変更があったり退職したりする際、手続き上必要です。社員から問い合わせを受けたときのために確認しておきましょう。
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