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【社労士監修】ワーク・ライフ・バランスは誤解されている?正しい定義や実現すべき理由、推進制度を解説!

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人事労務管理

近年、働き方改革の影響もあり、再びワーク・ライフ・バランスに注目が高まっています。しかし、ワーク・ライフ・バランスという言葉は浸透している一方で、その解釈は経営者ごとに異なります。今回はワーク・ライフ・バランスの正しい定義や実現すべき理由、推進するための制度についてご紹介します。

ワーク・ライフ・バランスとは

ワーク・ライフ・バランスとは「生活の充実によって仕事がはかどり、うまく進む」、「仕事がうまくいけば私生活が潤う」など、仕事と生活が相互に影響し合い、好循環を生み出すことを指します。
しかし、ワーク・ライフ・バランスの定義は誤解されていることが多く、「仕事とプライベートをきっちり分ける」、「仕事・プライベート・睡眠をそれぞれ8時間と決める」など仕事を犠牲にして生活を取るというものではありません。

ワーク・ライフ・バランスとは、生活と仕事の天秤ではなく、正しくは「生活と仕事の調和」と定義されています。ワーク・ライフ・バランスは経営者によって解釈が異なることが多く、本来の意味が理解されていない現状があります。
ワーク・ライフ・バランス

ワーク・ライフ・バランスを推奨すべき理由

ワーク・ライフ・バランスは、少子高齢化や人手不足、女性機会均等法、同一労働同一賃金等の法改正の背景から推進が推奨されています。また、ワーク・ライフ・バランスの推進が必要な理由のひとつとして、少子化問題を起点とした女性の出産・育児対策、働き盛りの男性が親の介護を理由に退職を余儀なくされる点が挙げられます。

1990年代、日本政府は少子化対策として育児休業制度の整備、保育所の拡充を行いました。2003年には少子化対策基本法、次世代育成支援対策推進法(次世代法)が成立し、出産・育児と仕事の両立支援を企業に義務づけています。

ワーク・ライフ・バランス

【引用】令和元年版 男女行動参画白書(概要)|内閣府男女共同参画局

また、優秀な人材確保のために、親の介護が必要になった際に安心して休みを取れることや、休職後も昇格の機会が与えられることがこれからの企業に必要なことと考えられています。

ワーク・ライフ・バランスを実現すべき理由

ワーク・ライフ・バランスの実現は、企業と従業員の双方にメリットがあります。

企業 従業員
(出産・育児の支援、柔軟な働き方の提案による)女性社員の定着 育児休暇(男性も育児休暇を活用しやすい職場となる)
優秀な人材の確保・定着(人材育成・研修コストの回収) 短時間勤務制度(育児や介護に携わる従業員が勤務時間を短縮できる)
社員のモチベーション向上(人材育成の活発化、社内コミュニケーションと労働生産性の向上) フレックスタイム制度(1カ月の総労働時間を規定し、その枠内で始業・終業時間を自由に決定できる)
労働生産性の改善(働き方の多様化、プライベート充実のための仕組み作り) テレワーク(:在宅勤務。休職から復帰、通勤時間の削減)
企業イメージの向上(社員を大切にする、離職率が低いなど) 長時間労働の削減(無駄な残業の削減、業務フローを見直せる、働きやすい職場環境)

ワーク・ライフ・バランスの変遷は社会的背景による影響が大きく、企業にとっても継続的に優秀な人材の確保・定着するために必須の対策となります。ワーク・ライフ・バランスへの取り組みにより、労働生産性を高めながら、優良企業として社会に認知されるため、企業価値の向上も期待できます。

ワーク・ライフ・バランスを推進する制度

ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、企業が実践すべき具体的な制度と取組みをご紹介します。

長時間労働に対する取り組み

長時間労働の改善は、長期的な視点で企業や組織の競争力の強化、生産性の向上につながります。長時間労働は多くの日本企業の課題であり、その削減のために多くの企業が下記の対策を実施しています。

  • 定型作業の効率化・廃止
  • 残業、休日出勤の禁止または事前申請化
  • 長時間残業の要因分析と対策
  • 業務フローの簡素化

単なる残業の禁止は「従業員が自宅に仕事を持ち帰る」という事態を引き起こす場合があります。また、業務量が変わらないままの残業削減や長時間労働を削減できる効果的な制度(早朝出勤によるメリットの提示や残業が少ない社員への報奨制度など)を構築した上で推進する必要があります。

テレワークや時短・フレックス制度と組み合わせるなど、社員が柔軟に働くための環境を同時に整えることも必要です。

テレワークの推進

テレワークとは、在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィス勤務の総称で、情報通信技術(ICT)を活用して、会社に出社せずに働く労働形態を指します。移動時間の削減や休職からの復帰がしやすくなるなどの効果が期待できます。育児や介護に伴う離職の防止と優秀な人材の確保、ペーパレスやオフィススペースのコスト削減、生産性の向上をしながら、時間創出による仕事とプライベートの両立が可能です。

適切な勤怠管理が課題となることが多く、会社から離れた場所でも従業員が簡単に入力できるクラウド勤怠管理サービスなどの導入を行う企業が増えています。

産休・育休の推進

ワーク・ライフ・バランスの一環として産休・育休を推進することで、女性社員が定着し、女性リーダーの育成が期待できます。近年では男性社員の育休取得を推奨する企業が増えており、少子化に対する出産・育児支援は企業イメージ向上に直結します。
産休・育休の取得には社会保険関連の申請手続きが必要です。突発的に発生する業務のため、労務担当者の負担を軽減する上でも申請手続きの自動化がおすすめです。

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時短勤務制度・フレックス制度の導入

ワーク・ライフ・バランスの実現には時短勤務制度とフレックス制度の導入が効果的です。 1日の所定労働時間を短くすることができる短時間勤務制度や始業・終業の時刻を労働者が自由に決めることができるフレックスタイム制度を上手く活用することによって、仕事と私生活との調和を図る、総労働時間の削減が可能です。

短時間勤務制度について

始業・終業の時刻および所定労働時間は、就業規則や雇用契約書で定める必要があります。したがって、始業・終業の時刻や各日の労働時間を労働者が自由に決定することはできません。

フレックスタイム制度について

始業・終業の時刻および各労働日の労働時間は、就業規則、労使協定に定める範囲内であれば、労働者が自由に決定することができます。

福利厚生の充実

レジャー施設やフィットネスジムの利用、資格取得支援など仕事で成果をあげるための支援を行う企業が増えています。生活と仕事を同時に充実させる仕組みの提供は企業イメージの向上と優秀な社員確保につながります。

まとめ

  • ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と生活が相互に影響し合い、好循環を生み出すことである
  • ワーク・ライフ・バランスへの取り組みは、労働生産性を高めながら優良企業として社会に認知される効果がある
  • ワーク・ライフ・バランスの実現にむけた取り組みには長時間労働対策、テレワークの推進、育休・産休の推進などがある

なんば社会保険労務士事務所 社会保険労務士|難波 聡明(ホームページ:https://www.namba-office.osaka.jp/

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