この記事でわかること
- 傷病手当金支給請書の書き方・記入例(被保険者/事業主/医師別)
- 傷病手当金申請の流れ
- 傷病手当金申請にあたり必要な添付書類

この記事でわかること
業務外の病気やケガで就業ができず給与が受け取れない場合、傷病手当金の申請が可能です。傷病手当金の申請は、一般的に事業主がおこないます。そのため労働者が傷病手当金の受給を希望した場合、適切に対応しなければなりません。
今回は、傷病手当金の申請に必要な「健康保険傷病手当金支給申請書」の書き方を徹底解説。
被保険者・事業主・医師の記入欄のすべての記入例、傷病手当金支給請書のもらい方は?提出先は?などの疑問に答えるために、傷病手当金支給請書の申請方法も紹介します。

健康保険傷病手当金支給申請書とは、傷病手当金の受給申請に必要な書類です。
労働者から、業務外での病気やケガによって就業ができない旨の報告があったら、事業主(会社側)が傷病手当金支給申請書をダウンロードしましょう。
必要事項の記入は被保険者(労働者)にお願いし、加入する保険者(協会けんぽや組合健保)に申請します。
また傷病手当金の申請には、傷病手当金支給申請書以外にも、提出が必要な添付書類があるケースもあります。
なお、2026年1月から「公金受取口座の利用」の記載欄が追加され、マイナンバーの記入位置が上部へ変更されました。
傷病手当金とは、病気やケガによる休業中に被保険者とその家族の生活を保障する制度です。会社を連続して休んだ3日間(待期期間)を経て、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
傷病手当金の支給期間は最長1年6カ月で、以下の条件をすべて満たす健康保険の被保険者が受給できます。なお、任意継続被保険者には支給されません。
傷病手当金の支給条件
傷病手当金としてもらえる金額は、下記の計算式で算出します。
1日あたりの金額=直近12カ月の標準報酬月額を平均した額÷30日×3分の2(休業した日単位で支給)

健康保険傷病手当金支給申請書の記入用紙は、計4枚です。
被保険者用の記入用紙は、全部で2枚あります。1枚目には、被保険者情報・振込先指定口座・受取代理人(被保険者が申請できない場合)を記入します。

被保険者の記入項目(1枚目)
2枚目の被保険者用の記入用紙には、申請内容・確認事項をそれぞれ記入します。

被保険者の記入項目(2枚目)
なお、労災保険の休業補償給付や健康保険の資格を喪失している、公的年金(老齢退職年金・障害基本年金)を受給している場合は、支給停止(支給調整)がおこなわれる場合があります。
傷病手当金支給申請書の事業主用の記入用紙(3枚目)には、事業主が証明するべき項目(被保険者氏名や勤務状況・事業者情報)を記入します。

事業主の記入項目(3枚目)
傷病手当金支給申請書の療養担当者(医師)用の記入用紙(4枚目)には、患者氏名や傷病名・発病または負傷の年月日を記入します。

療養担当者の記入項目(4枚目)
傷病手当金は休業期間が経過した後に申請します。
一般的には1か月単位で申請するケースが多く、長期間休職する場合は毎月申請を行うことも可能です。
なお、傷病手当金の申請権は2年で時効となるため、休業後はできるだけ早めに手続きを進めましょう。

傷病手当金は、被保険者本人が加入している健康保険へ申請します。以下の流れで申請手続きを進めましょう。
傷病手当金の申請の流れ
該当の傷病が「ケガ」の場合、負傷原因届が必要です。その他にも以下の条件に該当する場合、それぞれ添付書類が必要です。申請時に必要な書類に不備がないかを確認しましょう。
申請に必要な書類について
| 必要書類 | ・傷病手当金支給申請書 ・療養担当者(医師)の意見書 ・年金証書のコピー(※) ・年金額改定通知書のコピー(※) ・休業補償給付支給決定通知書のコピー(※) 初回申請時および変更が生じた都度 |
|---|---|
| 添付書類 | ・外傷の場合:負傷原因届 ・交通事故等第三者行為の場合:第三者の行為による傷病届 ・被保険者死亡の場合:(除籍)戸籍謄本又は戸籍抄本 ・被保険者のマイナンバーを記載した場合:本人確認書類(マイナンバーカード) マイナンバーカードを持っていない場合は、住民票や住民票記載事項証明書、運転免許証・パスポートのコピーが必要です |
支給申請後、審査がおこなわれ、支給が決定した場合は支給決定通知書が送付されます。
また、傷病手当金の申請は電子申請が可能です(その他、窓口・郵送でも可)。特定の法人は、健康保険の一部手続きにおいて、電子申請が義務化となっています。
大企業の利用比率が多い健保組合は、APIに対応した人事・労務ソフトの利用が不可欠でしょう。
傷病手当金は1回だけの申請ではありません。
療養が長期間に及ぶ場合は、休業期間ごとに複数回申請できます。
多くの場合は1か月ごとに申請を行い、医師と事業主の証明を受けながら継続的に手続きを進めます。
ただし、支給期間は通算1年6か月が上限です。
傷病手当金支給申請書は、被保険者・事業主・療養担当者(医師)がそれぞれ記入するため、記載内容に不備があると審査に時間がかかる場合があります。
特に以下のようなミスはよく見られるため、提出前に確認しておきましょう。
申請内容に不備があると、健康保険組合や協会けんぽから確認や差し戻しがおこなわれる場合があります。スムーズに支給を受けるためにも、被保険者・事業主・医療機関で記載内容に相違がないか確認してから提出しましょう。
傷病手当金の申請は、被保険者本人がおこなうことも可能です。ただし、申請書には本人が記入する欄だけでなく、事業主による勤務状況の証明や、療養担当者(医師)による労務不能に関する証明も必要になります。
そのため、本人だけで申請手続きが完結するわけではありません。申請前に勤務先や医療機関へ相談し、必要な証明を受けたうえで手続きを進めましょう。
一定の条件を満たしている場合は、退職後も傷病手当金の継続給付を受けられる可能性があります。
例えば、退職日時点で傷病手当金を受給している、または受給要件を満たしている場合などが該当します。ただし、退職後に新たに傷病手当金を申請することはできません。
継続給付の可否は加入している健康保険や退職時の状況によって異なるため、事前に協会けんぽや健康保険組合へ確認することをおすすめします。
有給休暇を取得している期間は会社から給与が支払われるため、原則として傷病手当金は支給されません。
傷病手当金は、病気やケガによって働けず、かつ十分な報酬を受けられない場合に生活を保障するための制度です。そのため、有給休暇によって通常どおり給与が支払われている期間は支給対象外となります。
なお、有給休暇を使い切った後に欠勤が続く場合は、要件を満たせば傷病手当金の支給対象となる可能性があります。
傷病手当金の申請は、一般的に事業主がおこないます。
労働者が傷病手当金の受給を希望する場合、健康保険傷病手当金支給申請書のダウンロードし必要事項を記入の上、提出・申請まで適切に対応しましょう。
傷病手当金は、老齢基礎年金や休業補償給付、出産一時金を受給している場合、支給停止(支給調整)になる場合があります。
また、特定の法人は健康保険の一部手続きが電子申請義務化となっています。健保組合はAPIに対応した人事・労務ソフトの利用の場合のみ、電子申請が可能です。
社会保険労務士の中でも、10%に満たないと言われる助成金を専門に手掛ける特定社会保険労務士/ワークスタイルコーディネーター。なんば社会保険労務士事務所の所長。
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