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高年齢者を雇った場合や退職した場合の手続き

『一億総活躍』という言葉に代表されるように、今や高年齢者は退職して、ゆっくりと余生を過ごす…という時代ではなくなりました。今や、60歳以上の方も企業にとっては立派な労働力です。今回はそんな60歳以上の方の雇用保険における手続きを中心にご案内致します。

高年齢者を雇ったけど手続きに何か特別なことってあるの

平成29年1月1日から雇用保険法の改正により、65歳以上の労働者を「高年齢被保険者」として扱い、雇用保険が適用されることとなりました。高年齢者を雇用したとしても、実務上は特別な雇用保険の加入手続きを必要とせず、通常どおり雇用保険への加入手続きをします。

また、加入をしたときに60歳以上であれば通常の雇用保険被保険者となり、65歳以上であれば高年齢被保険者として雇用保険上の取り扱いがなされます。高年齢者を雇用した場合は、雇用した月の翌月10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しましょう。

▶高年齢者が退職する際に担当者が気をつける手続きとは

届出のほかにも資格取得届の提出時には、

  • 賃金台帳
  • 労働者名簿
  • 出勤簿
  • 社会保険の資格取得関係書類
  • 雇用期間を確認できる雇用契約書等

これらを添付して提出する必要があります。

高年齢者が退職した場合どうすれば良いの?

高年齢被保険者の取り扱いは、採用の際と同様に退職の際にも特別な手続きは必要ありません。

よって、高年齢の従業員が離職、もしくは死亡等によって被保険者の資格を喪失することとなった場合は

  • 「雇用保険被保険者資格喪失届」
  • 「雇用保険被保険者離職証明書」

の2点に加えて

  • 出勤簿
  • 退職辞令発令書類
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 離職証明書
  • 離職理由が確認できる書類

これらを添付して提出します。ただし、退職者より離職票が不要だという場合については、離職証明書を提出しなくてかまいません。労務担当者としては、特別な手続きが必要ありませんが、高年齢従業員のなかには法改正によって雇用保険に加入していることを知らない人も少なくありません。

また、そのほかの企業などで再就職を希望する場合、高年齢求職者給付金などの受給資格を得ることができる可能性もあります。退職する高年齢従業員に、それらの案内をしてあげることも労務担当者として必要でしょう。

▶高齢者雇用安定法に定められた定年と再雇用条件について

名称に注意!高年齢雇用継続給付とは?

近年、高年齢従業員を雇用する企業が増えている傾向にあります。その場合に、発生しうる手続きとして、高年齢雇用継続給付の受給手続きがあります。

高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付とは、60歳以上65歳未満の被保険者が、原則として60歳時点と比べて賃金が75%未満に低下した状態で働いている場合に、事業所の管轄するハローワークへの支給申請によって、各月に支払われた賃金の最大15%の給付金が支給されるものです。

これには、

  • 雇用保険を受給していない方を対象とした「高年齢雇用継続基本給付金」
  • 雇用保険の受給中に再就職した方を対象とした「高年齢再就職給付金」

の2種類の手続きがあります。

また、高年齢雇用継続給付は、原則として事業主を経由して手続きをしなければなりません。ただし、被保険者本人が希望する場合は、事業主を経由せず本人が申請することも可能です。

初回の手続きの際には、次のような書類を提出する必要があります。

  • 雇用保険被保険者60歳到達時等賃金証明書
  • 高年齢雇用継続給付資格確認証
  • (初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
  • 賃金台帳、出勤簿またはタイムカード、労働者名簿、出勤簿、賃金の支払い状況やその額を証明することのできる書類
  • 被保険者の運転免許証などの官公署から発行された身分証明書などの書類

なお、2回目以降の申請では、次のような書類が必要となります。

  • 高年齢雇用継続給付支給申請書(初回の支給申請手続き後にハローワークから交付されるもの)
  • 賃金台帳、出勤簿またはタイムカード(初回の申請書に記載した支給対象月に支払われた賃金の額及び賃金の支払い状況等を確認できる書類)

そのほかの詳しい内容は、厚生労働省のホームページより「Q&A~高年齢雇用継続給付~」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158464.html)をご参考ください。

これからの高年齢者に関する雇用環境について

平成25年4月から施行されている高年齢者雇用安定法の改正により、定年の引き上げや65歳までの継続雇用制度の導入、もしくは定年の廃止のいずれかの措置を実施することが義務化されました。

また、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定めた基準ではなく、希望者全員が再雇用できるような環境が求められています。今や事業主にとって、高年齢従業員の雇用環境の整備は必須事項と言えるでしょう。

今日の日本では、業種によって顕著な人手不足が起きています。また、医療技術の進歩から健康的な高年齢者が増えています。こうしたことからも、60歳以上世代も労働力として見込まれていることは明らかです。

企業としては

  • 60歳以降についても、年齢にかかわらず意欲と能力に応じて、いつまでも働き続けられる制度の導入
  • 高年齢者の働きやすい職場づくり

が望まれています。高年齢者の雇用に関して、貴重な労働力を活かせるような制度作りを検討されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

労働者としての需要、事業主としての義務により今後も高齢者の継続雇用や新規雇用の機会が、より一層増えてくるでしょう。雇用や退職についての手続きとしては、一般従業員と同じ手続きで問題ありません。

ただ、高年齢継続雇用給付などの受給資格は、高年齢従業員ごとに違ってきます。労務担当者としては、従業員が損をしてしまうことの無いように、適切な手続きをしていくことを心がけていく必要があるでしょう。

佐藤 安弘|ワイエス社会保険労務士事務所

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