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高年齢者雇用とは?手続きや60歳以上の離職票、退職手続きをご紹介

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労働保険(労災保険/雇用保険)雇用保険

一億総活躍社会の実現のため、女性や高年齢者の社会進出を促す政策が推進されています。今後、60歳以上の高年齢者雇用を実施する上での雇用対策や60歳以上の離職票、退職手続き、雇用保険の扱いを中心にご紹介します。

高年齢者雇用の手続き

平成29年1月1日の雇用保険法の改正により、65歳以上の労働者は「高年齢被保険者」として扱い、雇用保険が適用されます。そのため、60歳以上65歳未満の労働者と65歳以上の高年齢労働者を区別して、対応しなければいけません。

雇用保険加入の手続き

65歳未満の従業員は高年齢被保険者として扱われません。そのため、雇用保険の扱いは65歳以上が一つの判断軸となります。いずれにしても従業員を雇用した際は、雇用した月の翌月10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければいけません。

雇用保険被保険者資格取得届のほかにも以下の関連書類が必要です。

  • 賃金台帳
  • 労働者名簿
  • 出勤簿
  • 社会保険の資格取得関係書類
  • 雇用期間を確認できる雇用契約書等

また、65歳以上の高年齢被保険者の雇用保険料は平成31年(2020年3月末)まで免除されます。

【関連】
雇用保険の適用範囲拡大!65歳以上加入対象者の要件、手続き、注意点とは

高年齢者雇用に関する届出

事業主は毎年6月1日に高齢者雇用の実態を記した高年齢者雇用状況報告書をハローワークに提出しなければいけません。報告時期になれば、従業員31人以上の事業主に報告用紙が送付されます。高年齢者雇用状況報告書は郵送または電子申請で行えます。

高年齢者の退職手続き

高年齢者の退職手続き

高年齢被保険者の退職手続きは、雇用と同様に特別な手続きはありません。

退職に必要な書類

65歳以上の高年齢者が離職、もしくは死亡等によって被保険者の資格を喪失した場合は「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」を提出します。

また、添付資料として、以下の書類が必要です。

  • 出勤簿
  • 退職辞令発令書類
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 離職証明書
  • 離職理由が確認できる書類

ただし、退職者の希望により離職票を不要とした場合、離職証明書提出する必要はありません。

60歳以上の離職票発行について

厚生年金加入者が老齢基礎年金を受け取れる年齢が原則65歳に引き上げたことにより、64歳未満の退職者のなかにはそのほかの企業に再就職を希望する場合が考えられます。65歳以上の労働者も雇用保険の適用範囲に含まれたことから、定年退職者も各給付金(高年齢求職者給付金や育児休業給付金、介護休業給付金、教育訓練給付金)を受給できます。そのため、本人の希望にかかわらず、離職票を発行しておきましょう。

高年齢雇用継続給付とは

60歳以上65歳未満の高齢者を雇用する場合、高年齢雇用継続給付の受給手続きが必要です。

高年齢雇用継続給付とは、60歳以上65歳未満の被保険者が、60歳時点の賃金が75%未満に減額された場合に各月に支払われた賃金の最大15%の給付金が支給される制度です。

【参考】[ハローワーク 雇用継続給付](https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_continue.html#main)

高年齢雇用継続給付の手続き

高年齢雇用継続給付金は、事業所を管轄するハローワークに支給申請することで受給できます。

また、高年齢雇用継続給付には2種類あります。

  • 高年齢雇用継続基本給付金
  • 高年齢再就職給付金

両者には以下の違いがあります。

高年齢雇用継続給付
種類 対象者
高年齢雇用継続基本給付金 雇用保険を受給していない従業員
高年齢再就職給付金 雇用保険の受給中に再就職した従業員

高年齢雇用継続給付は、原則として事業主が手続きを行います。ただし、被保険者本人が希望する場合は本人の申請が認められています。

初回の手続き

初回の高年齢雇用継続給付手続きには、以下の書類を提出します。

  • 雇用保険被保険者60歳到達時等賃金証明書
  • 高年齢雇用継続給付資格確認証
  • (初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
  • 賃金台帳、出勤簿またはタイムカード、労働者名簿、出勤簿、賃金の支払い状況やその額を証明することのできる書類
  • 被保険者の運転免許証などの官公署から発行された身分証明書などの書類

2回目以降の申請手続き

2回目以降の高年齢雇用継続給付申請では、以下の書類が必要です。

  • 高年齢雇用継続給付支給申請書

    初回の支給申請手続き後にハローワークから交付される書類

  • 賃金台帳、出勤簿またはタイムカード

    初回の申請書に記載した支給対象月に支払われた賃金の額および賃金の支払い状況等を確認できる書類

詳細は、厚生労働省が公表している [Q&A~高年齢雇用継続給付~(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158464.html)をご確認ください。

今後の高年齢者の雇用環境

今後の高年齢者の雇用環境

少子高齢化による人口減少や深刻な人手不足の解消に向けて、高年齢者の積極的な労働参加が求められています。そのため、今後、企業には以下の対応が求められます。

【参考】[厚生労働省 高年齢者の雇用](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page09.html)

65歳までの雇用機会の確保

高年齢者雇用安定法の改正により、定年年齢を65歳未満と設定している事業主は「65歳までの定年の引き上げ」や「65歳までの継続雇用制度の導入」、「定年の廃止」のいずれかの実施が義務化されました。そのため、企業は高年齢者の雇用を積極的に行わなければいけません。

中高年齢者の再就職援助

解雇・離職を予定している45歳以上65歳未満の従業員が本人の再就職援助を希望した場合、企業は援助に必要な措置の実施に努力しなければいけません。また、その際に「求職活動支援書」を本人に交付する必要があります。

事業主に望まれる労働環境整備

今後、高年齢労働者が増えるにつれて、企業には以下の2点が求められています。

  • 60歳以降も、意欲と能力に応じて、働き続けられる制度の導入
  • 高年齢者の働きやすい職場づくり

高齢者の働きやすい職場づくりには、作業設備の改善や高年齢者の職域拡大、短時間勤務などの雇用形態の多様化、雇用管理制度の改善があたります。

事業主が利用できる支援策

高齢者雇用を推進するために、政府はさまざまな支援策を用意しています。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

特定求職者雇用開発助成金とは、ハローワーク等の紹介を経由して、60歳以上の就職困難者を採用した企業に支給される助成金です。60万円から最大240万円までの助成金を受け取れます。

【参考】[厚生労働省 特定求職者雇用開発助成金](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_konnan.html)

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)

特定求職者雇用開発助成金とは、ハローワーク等の紹介を経由して、60歳以上の高齢者を採用した場合に支給される助成金です。50万円から70万円までの助成金を受け取れます。

【参考】[厚生労働省 特定求職者雇用開発助成金](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_kounenrei.html)

65歳超雇用推進助成金

65歳超雇用推進助成金とは、60歳以上の労働者の継続雇用促進や高年齢者評価制度等雇用管理改善、高年齢者無期雇用転換といった高年齢雇用を促進する取り組みを実施した際に受け取れる助成金です。

【参考】[厚生労働省 65歳超雇用推進助成金](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139692.html)

まとめ

  • 高齢者雇用の手続きには、65歳以上の労働者は「高年齢被保険者」として扱い、雇用保険の加入続きを行わなければならない。また、事業主は高年齢者雇用の実態を記した高年齢者雇用状況報告書を期限までにハローワークに提出しなければいけない。
  • 高年齢者の退職手続きでは、65歳以上の労働者も通常の労働者と同様の退職手続きを行う。ただし、60歳以上の退職者の継続雇用促進の観点から対象者の希望にかかわらず、離職票を発行することが望ましい。
  • 高年齢雇用継続給付とは60歳以上65歳未満の被保険者で60歳時点の賃金が75%未満に厳格された場合に賃金の最大15%の給付金を支給する制度である。
  • 今後、高年齢者雇用の拡大がされるなか、企業には65歳未満の労働者を対象とした雇用機会の確保や支援措置の実施、労働環境の整備が求められている。
佐藤 安弘|ワイエス社会保険労務士事務所

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