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雇用保険手続きにおけるマイナンバーの取り扱いが変わります!

マイナンバー

平成28年1月開始の「マイナンバー制度」。平成30年5月からは、雇用保険関係の手続きについてもマイナンバーの届出が必要となりました。それにより、「マイナンバーが未届」「届出書類にマイナンバーの記載がない」などの場合は返戻され、再提出の必要が生じます。

また、個人情報の漏えいや紛失は企業にとって大きなリスクとなり、厳重な管理が必要です。これを機に、もう一度マイナンバーの取り扱いについて見直しましょう。

マイナンバーの記入が必要な届出

個人番号(以下:マイナンバー)は、利用範囲が限定的に定められており、「社会保障、税及び災害対策に関する事務」以外には利用できないことになっています。

平成30年5月よりマイナンバーの届出が必要となった雇用保険の手続きも 、雇用保険法に基づく社会保障に該当し、マイナンバーを利用することが規定されています。 それにより、以下の5つの届出に関しては、指定の欄にマイナンバーを記入することになっています。

<マイナンバーの記入が必要な届出>

  1. 雇用保険被保険者資格取得届
  2. 雇用保険被保険者資格喪失届
  3. 高年齢雇用継続給付支給申請(初回)
  4. 育児休業給付支給申請(初回)
  5. 介護休業給付支給申請

これらの書類は、マイナンバーの記載がないと不備があるとみなされ、返戻されてしまいます。その場合は、マイナンバーを記入したうえで再提出しなければならず、手続きが遅れてしまいます。

そのようなことを防ぐ意味でも、届出前にマイナンバーが記載されているかどうかの確認を行う必要があります。

マイナンバーの記入欄がない届出

一方、同じ雇用保険の届出でも、書類にマイナンバーの記入欄がないものは、以下の4つです。(番号は上記からの連番となっています)

<個人番号登録・変更届の添付が必要な届出等 >

  1. 雇用保険被保険者転勤届
  2. 雇用継続交流採用終了届
  3. 高年齢雇用継続給付支給申請(2回目以降)
  4. 育児休業給付支給申請(2回目以降)

事業主は6~9の届出を行うにあたり、「従業員のマイナンバーをハローワークに届出済みであるか」という点について確認する必要があります。マイナンバーの届出を行っていない場合は、届出書類に「個人番号登録・変更届」を添付のうえ、原則として事業主を経由して提出しなければなりません。

雇用保険の資格取得時に事業主が従業員のマイナンバーの届出を行っていない場合、あるいは、届出後に従業員がマイナンバーを変更した場合は、ハローワークではマイナンバーと雇用保険被保険者番号との紐づけを行うことができません。そのため、上記の手続きを行うように定められています。

なお、やむを得ない理由により、事業主を経由して届出書類を提出できない場合は、従業員本人が届出を行うこともできます。

すでにハローワークにマイナンバーを届けている場合

上記1~5の届出では、そのつどマイナンバーを届出書類に記入することになります。しかし、すでにマイナンバーを届出済の場合は、各届出の欄外に「マイナンバー届出済」と記載すれば、マイナンバーの記入を省略することができます。

ただし、1の雇用保険資格取得届だけは、マイナンバー記入を省略することができません。それは以下の理由からです。

<マイナンバー記入を省略できない理由>

・別の事業所から再就職した被保険者が、離職後再就職までの間にマイナンバーの変更を行った場合、ハローワークはその変更を把握できないため

以上の理由で、1の届出に関しては、再就職先の事業主を通して、被保険者のマイナンバーを記載した雇用保険資格取得届を提出する必要があります。

また、上記6~9の届出書類には「マイナンバー届出済」の記入は必要ありませんが、マイナンバーが未届のまま届出を行うと返戻されてしまうので、注意が必要です。

なお、マイナンバー未届の被保険者についてですが、届出の機会を待たず、事前に「個人番号登録・変更届」によるマイナンバーの登録を行うことも可能です。この方法を取れば、マイナンバー未記入などの不備による返戻をある程度防ぐことができます。

マイナンバーの取り扱いには厳重な管理が必要

事業主は従業員のマイナンバーを厳重に管理しなければなりません。特に、雇用保険の届出などでマイナンバーを利用する場合は、届出書類の紛失などの事故による個人情報の漏えいがないよう、慎重に取り扱う必要があります。

郵送での届出を行う場合には、仮に事業主に責任がない場合でも、郵便事情や受取側の事情により、個人情報漏えいなどの事故が発生し、事業主に対する損害賠償が生じるリスクは十分にあります。

そのようなリスクを事前に防止する意味でも、できるだけ雇用保険の届出を電子申請で行うことが推奨されています。また、やむを得ず郵送で届出を行う場合は、書留などの記録付郵便により、返信用封筒同封のうえで郵送するようお勧めします。

いずれにしても、事業主は万が一の事態に備え、確実な方法で手続きを行いましょう。

なお、従業員が個人情報保護の観点からマイナンバーの提出を拒否するケースも考えられます。その場合は、従業員に個人番号の提供を求めた記録などを保存しておき、単なる事業主の義務違反でないことを明確にしておく必要があります。

そのうえで、ハローワークと相談して手続きを行い、その後の経過についても追加で記録しておきましょう。マイナンバーの記載がないことのみをもって、ハローワークが雇用保険手続の受理をしないことはありませんので、よく相談して指示を仰ぐようにしましょう。

まとめ

雇用保険の届出を行う際は、マイナンバーの未届や書類への未記入などに注意する必要があります。また、社会保険の分野でもマイナンバーの記載が開始されていますが、その際も同様の注意が必要なため、公的機関による通達などをしっかり確認しましょう。

今後ますますマイナンバーの取り扱いが増加していくことが予想されるなか、事業主は従業員のマイナンバーをより厳重に管理しながら取り扱うことが求められます。これを機に、自社の管理体制や個人情報取り扱い規程をもう一度見直してみましょう。

加治 直樹 |  かじ社会保険労務士事務所

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