GビズIDって何?何が出来る?基本知識や取得方法、利用できる行政サービス・社会保険の電子申請を解説

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社会保険手続きの電子申請では、GビズIDが必要です。

今回はGビズIDの基礎知識や使い方、取得方法を中心に労務担当者が知っておくべき情報をお伝えします。

この記事でわかること

  • GビズIDの基本知識と取得方法
  • GビズIDで利用できる行政システム一覧とおすすめのシステム
  • GビズID対応の社会保険手続きの現状について

GビズIDとは

GビズIDとは

GビズIDとは、企業から国への申請に関わる複数の行政サービスを、ひとつのアカウントでの利用を可能とする認証システムです。GビズIDのアカウントを取得することで、従来のjGrants(補助金申請システム)や保安ネットに加えて、社会保険手続きの電子申請(2020年4月1日公開)といった複数の行政サービスを利用できます。

GビズIDとは

GビズIDの基本知識

GビズIDは、デジタル庁が運営しており、GビズIDを取得している利用者は行政サービスにインターネットを介して、簡単にログインできるようになります。

特定の法人を対象に社会保険の一部手続きについて、電子申請が義務となっています。

今までは企業の確認手段として電子証明書の取得(有料)が必要でしたが、GビズIDを取得すること(無料)で、電子証明書がなくても電子申請が可能です。

GビズIDの基本知識

GビズIDの基本知識

GビズIDで利用できる行政サービスとは

GビズIDでは複数の行政サービスの利用が可能です。

特定の法人を対象にした、一部の社会保険手続きの電子申請が義務となっており、補助金申請を含むシステムにも利用が拡大されています。

GビズIDで利用できる行政サービス一覧(2021年3月時点)
行政サービス 詳細
jGrants 公募から事後手続きまでワンストップで全プロセスをデジタル化した申請システム
社会保険手続きの電子申請 厚生年金保険の申請手続きが可能。特定の法人を対象に一部手続きは電子申請が義務
保安ネット 産業保安・製品安全分野の一部手続きをインターネットで提出するサービス
農林水産省共通申請サービス 農林水産省の電子申請手続きサービス
ミラサポplus 中小企業向け補助金・支援に関する電子申請サイト
省エネ法定期報告書情報提供システム 特定事業者等向けに省エネ取組みに有用となる情報を提供するシステム
鉱業原簿登録更新サイト 鉱業原簿登録更新が電子申請できるサービス
経営力向上計画申請プラットフォーム 経営力向上計画の申請・報告手続きのサポートシステム
IT導入補助金2021 ITツールを導入する経費の一部を申請するサービス
情報処理支援機関【スマートSMEサポーター】認定制度 ITベンダー等のIT導入支援者を「情報処理支援機関」として認定する制度
認定経営革新等支援機関電子申請システム 経営革新等支援機関としての認定を受けるための申請手続きをオンラインでおこなえるサービス
食品衛生申請等システム 食品リコール情報の公開、営業許可申請・届出を電子申請ができるサービス
DX推進ポータル 企業のDX推進のための各種支援の電子申請手続きができるサービス
TeCOT(海外渡航者新型コロナウイルス検査センター) オンライン上でPCR等検査可能な医療機関を検索・予約できるサービス
e-Gov 府省に対するオンライン申請・届出等の手続きの窓口サービスを手掛けるポータルサイト
事業継続力強化計画電子申請システム 業継続力強化計画の申請・届出をする為の電子申請システム
Gビズフォーム デジタル庁が受け付ける各種電子申請が可能なポータルサイト

GビズIDの取得方法

GビズIDは3種類のアカウントがあり、各行政システムで利用するアカウントの種別が異なります。審査を要するgBizIDプライムの場合、原則として約2週間を要するため、余裕を持った対応がおすすめです。

GビズIDの取得方法

GビズIDの取得方法

アカウントの種類により作成方法が異なり、マニュアルが展開されています。

アカウントの種類 説明
gBizIDエントリー即日発行が可能で、GビジネスIDマイページや行政システムへのログインが可能となります。
gBizIDプライム 印鑑証明書を利用し、厳格な確認がおこなわれます。顧問先の代表者が書類と共に申請をします。
gBizIDメンバー 組織の従業員用のアカウントです。gBizIDプライムの利用者が作成します。

電子申請義務対象の社会保険手続き

電子申請義務対象の社会保険手続き

特定の法人(大企業)は、社会保険の一部手続きを電子申請でおこなわなければなりません。
電子申請義務化対象の帳票は以下のとおりです。

電子申請義務対象帳票
社会保険の種類 対象帳票
健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届
被保険者報酬月額算定基礎届
健康保険被保険者報酬月額変更届
厚生年金被保険者報酬月額変更届
70歳以上被用者 算定基礎・月額変更・賞与支払届(厚生年金保険のみ)
労働保険 概算保険料申告書
確定保険料申告書
一般拠出⾦申告書
※年度更新に関する申告書
増加概算保険料申告書
雇用保険 被保険者資格取得届
被保険者資格喪失届
被保険者転勤届
⾼年齢雇用継続給付支給申請
育児休業給付支給申請

社会保険関連の電子申請は、GビズIDを取得し、申請データ(CSV)を作成、届書作成プログラムから申請できます。

GビズIDを利用した行政申請システム

GビズIDを利用した行政申請システム

現在、GビズIDを利用した行政申請システムが幅広く展開されており、電子申請や情報収集が可能です。

代表的な行政申請システムをご紹介します。

健保組合・けんぽ協会・日本年金機構(社会保険手続きの電子申請)

e-Govのリニューアルに伴い、けんぽ協会・日本年金機構(年金事務所)への社会保険手続きの電子申請が可能です。

健保組合への電子申請は、e-Govが非対応のため、社会保険システム連絡協議会に登録されたマイナポータルとの連携が可能なソフトウェアが必要です。

「オフィスステーション 労務」をはじめ、健保組合の電子申請に対応したソフトウェアを選びましょう。

e-Gov(2020年11月24日リニューアル)

e-Gov(2020年11月24日リニューアル)

【引用】e-Govポータル

e-Govは、行政サービス・施策に関する情報収集や電子申請、法令検索、パブリック・コメント、文書管理、個人情報ファイル簿の検索が可能なポータルサイトです。

2020年11月24日にリニューアルされ、GビズIDやオープンIDでのログインが可能となりました。Mac用のソフトウェアが加わり、スマホから処理状況も確認できるため、行政への申請手続きを効率化できます。

申請のための準備も「e-Govアカウント登録」「ブラウザの設定」「アプリケーションのインストール」の3つのステップで完了します。

e-Govで利用できる申請数
省庁 利用できる申請数
厚生労働省(※中央労働委員会含む) 3,256
国土交通省 175
金融庁 158
デジタル庁 132

jGrants

jGrants

【引用】jGrantsホームページ

Grantsとは、デジタル庁が運営する公募から事後手続きまでの全プロセスをデジタル化した補助金申請システムです。インターネットを経由することで、窓口への移動時間の削減を可能とし、場所に縛られることなく、補助金の申請・届出ができます。
jGrantsから補助金を申請するためには、GビズIDを取得し、トップページの「補助金一覧」から申請可能な補助金を選択します。対象の補助金は公募などの期間開始時に「補助金一覧」に掲載され、順次拡充予定です。

【参考】jGrants

GビズIDの動向

GビズID利用の対象手続きは順次拡大し、電子申請は広がる見込みです。申請手続きのシステム化により、効率性、セキュリティ水準、技術革新対応力、柔軟性、可用性の向上が期待できます。

社会保険の電子申請義務化の流れが加速

GビズIDの展開により、特定の法人を対象に社会保険の一部手続きが電子申請義務化され、そのほかの手続きもGビズID(無料)を利用して電子申請がおこなえます。

e-Govもリニューアルされ、健康保険の電子申請手続きも可能です。人事労務クラウドソフトの導入により、電子申請への対応や労務担当者・従業員双方の業務効率化を実現できます。

マイナポータル申請が可能

GビズIDはe-Govと同様にマイナポータルと連携することで、各種社会保険申請が可能です。ひとつのIDとパスワードで申請手続きができ、ワンスオンリーの実現に向けた、官民双方における手続き時間とコスト削減が期待されています。

クラウドサービスの利用促進が加速

政府主導の行政システム改革の原則は、クラウドサービスの利用を第一候補とする「クラウド・バイ・デフォルト」を具体化することです。利用者視点でのシステム化を実現するべく、行政システムの刷新が順次おこなわれる予定です。

GビズID:まとめ

企業から国への申請に関わる複数の行政サービスを、ひとつのアカウントで利用できるGビズIDは、社会保険手続き(健康保険・厚生年金保険被保険者の報酬月額算定基礎届や報酬月額変更届の申請)の電子申請や、補助金申請などに利用できます。

GビズIDのアカウント(gBizIDエントリー、gBizIDプライム、gBizIDメンバー)を使い分けて、効率的に各行政システムを利用するには、クラウド管理ソフトがおすすめです。

記事監修
労務SEARCH|人事・労務の課題を解決するメディア