受付システムを選定する際のポイント
- 必要な機能とコスト
- セキュリティ
- 来客の通知方法
受付業務は、来訪者の対応や施設案内、連絡対応、会議室の予約など幅広い対応をおこなう必要があります。
そのため、連携ミスや案内・連絡漏れなどが発生する可能性もあるでしょう。そのようなときに「受付システム」を活用することで、受付業務の効率化やミスを防ぐことが可能です。
今回はおすすめの受付システム14選を紹介します。システム連携ができるなどタイプ別によっておすすめを紹介するため、受付システム導入を検討している担当者はぜひ参考にしてください。
目次
受付システム14選の比較表は以下のとおりです。
受付システムとは、来訪者対応や連絡対応などの受付関連業務を自動化・無人化するシステムです。
受付は業務内容が多岐に渡り、また多くの来客対応をおこなうため、連絡漏れや対応漏れなどが生じる可能性があります。
受付システムでは業務を自動化・無人化できるため、受付時間の短縮やコストの削減が可能です。また、QRコードや受付番号などを利用し受付が簡略化するため、来客側にもメリットがあります。
受付システムを選定する際に確認するポイントとして、以下の三つが挙げられます。
受付システムを選定する際のポイント
受付システムを導入する際は、上記ポイントを参考にしましょう。
一つ目は、必要な機能とコストです。受付システムには、受付手続きや管理などの基本機能に加え、外部システムとの連携機能を搭載しているものもあります。
たとえば、AI検温との連携機能などは施設によって必要性が変わるでしょう。受付システムは機能の多さにともない、費用も高額となる傾向があります。
そのため、自社の受付業務で導入したい機能を明確にし、費用の範囲内で受付システムを選びましょう。
二つ目はセキュリティ面です。受付時には、来訪者を装ったなりすましなどが発生する可能性があります。受付システムに来訪者の様子を動画撮影する機能などが搭載されていると、なりすましを事前に防げて安心です。
特に多くの人が訪問する大規模な施設やオフィスでは、セキュリティ面で安心できる受付システムの導入を検討しましょう。
三つ目は来客の通知方法です。受付システムからの来客通知を見逃さないようにするためには、自社でよく使用するチャットツールや電話などに対応しているか確認する必要があります。
主に連携可能なビジネスチャットツールは、Slack、Chatwork、LINE、Microsoft Teamsなどです。チャットツールとの連携ではなく、専用のアプリを使うものもあります。
チャットツールやアプリでは、通知が多く見逃してしまう可能性がある場合には、電話通知機能を搭載している受付システムがおすすめです。自社にあった通知方法に対応した受付システムを選ぶようにしましょう。
受付システムのタイプは大きく以下の四つに分けられます。
受付システムのタイプ
上記タイプから、自社の環境に合った受付システムを選びましょう。
一つ目は低コストで導入できるタイプです。連携できるシステムや機能の種類が限られてしまう一方、費用を抑えながら受付システムの導入ができます。
たとえば、後述する「iPad受付システムらいきゃくん」では月額3,000円(基本プラン)から利用可能です。
低コストで導入できるタイプの受付システムは、初期設定や操作自体もシンプルなものが多く、扱いやすいという利点もあります。
二つ目はシステム連携ができるタイプです。ビジネスチャットツールやその他ツールとの連携はもちろん、ゲートや電子錠などのハードウェアとも連携できます。担当者を呼び出す手間が省けるため、受付時間短縮にも効果的です。
後述する「Smart at reception」では、今や定着したAI検温システムと連携しています。受付業務だけでなく、来訪後における対応も効率化したい場合におすすめのタイプです。
三つ目はセキュリティに強いタイプです。受付時にはなりすましなどが発生する可能性があります。
後述する「FreeiD」では唯一無二である顔をID化し、顔認証システムによってセキュリティ強化を実現しています。顔認証によってなりすましを事前にチェックすることが可能です。
セキュリティに強いタイプだと担当者側と来訪者側の双方が安心して使用できます。
四つ目は大規模施設向きタイプです。大規模な施設やオフィスビルの場合、さまざまな来訪者が来るため、多言語対応なシステムや複数企業を登録できるシステムの導入を検討しましょう。
たとえば、後述する「moreReception」では英語での表示切り替えだけではなく、英語での音声ガイダンスにも対応しています。
ほかにも、大規模施設向けの受付システムを選ぶ際にはセキュリティゲート連携のものや誰でも操作が簡単なものなどを考慮することも大切です。
低コストで導入できる受付システムの比較表は以下のとおりです。
サービス名 | アイタッチ+ | ||
---|---|---|---|
初期費用 | 無料 | 無料(プランによっては有料) | 無料 |
利用料金 | 3,300円〜 | 3,300円〜 | 5,000円〜 |
無料トライアル | 〇 | 〇 | 〇 |
システム連携 | ー | 〇 | 〇 |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
初期費用 | 無料 | 利用料金 | 3,300円〜 |
---|---|---|---|
無料トライアル | 〇 | システム連携 | ー |
セキュリティ | 要問い合わせ | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | ー | 詳細 | 公式サイト |
iPadらいきゃくんは低価格かつシンプルな操作性が特徴の受付システムです。
iPad1台で導入可能なためイニシャルコストが低く、また導入までのセットアップは最短1営業日と導入スピードも早くなっています。
来客通知は、専用アプリから担当者のPC上にポップアップで表示される仕様です。画面に表示されるポップアップから「対応可能」「対応不可能」のどちらかを選択するだけのため、業務の妨げになりません。
アイタッチ+ | |||
---|---|---|---|
初期費用 | 無料(プランによっては有料) | 利用料金 | 3,300円〜 |
無料トライアル | 〇 | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | ー |
QRコードチェックイン | ー | 詳細 | 公式サイト |
アイタッチ+は、わかりやすいレイアウト画面構成で来訪者が数秒でアクセスできるように工夫されています。タッチ画面のレイアウトは標準で6とおりあり、目的に合わせて選択可能です。
アイタッチ+は暗証番号を入力して受付するため、セキュリティの面でも安心できます。またABphone Connectを利用して、ドアの解除が可能です。
初期費用 | 無料 | 利用料金 | 5,000円〜 |
---|---|---|---|
無料トライアル | 〇 | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | 〇 | 詳細 | 公式サイト |
ラクネコはSlackやGoogle Chat、Chatwork、Microsoft Teams、LINE WORKSなどのビジネスチャットツールとの連携が可能で、来客通知方法が多様です。
iPadさえあれば導入でき、iPadは購入せずにレンタルすることもできます。また月額利用料金は人数によって決まり、複数の料金プランがありますが、どのプランでも全機能が制限なく利用可能です。
受付QRコードの発行やiPadとの通話が可能なインターホン機能など、多様な機能が豊富に揃っています。
システム連携ができる受付システムの比較表は以下のとおりです。
サービス名 | Acall | |||
---|---|---|---|---|
初期費用 | 要問い合わせ | 無料 | 要問い合わせ | 無料 |
利用料金 | 要問い合わせ | 3,000円〜 | 要問い合わせ | 20,000円 |
無料トライアル | 〇 | ー | 〇 | 要問い合わせ |
システム連携 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
初期費用 | 要問い合わせ | 利用料金 | 要問い合わせ |
---|---|---|---|
無料トライアル | 〇 | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | 〇 | 詳細 | 公式サイト |
RECEPTIONISTは、カレンダーと連携した日程調整機能が備わっており、簡単にアポイントの生成ができます。連携可能なビジネスチャットツールの種類も豊富で、来客通知ツールとしても使用可能です。
プランによっては、セキュリティゲートや電子譲渡も連携できる機能があり、防犯面にも特化しています。事前に発行されたQRコードを使用してのタッチレス受付が可能で、コロナ禍にも対応した受付システムです。
初期費用 | 無料 | 利用料金 | 3,000円 |
---|---|---|---|
無料トライアル | ー | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | 〇 | 詳細 | 公式サイト |
workhub Receptionは、QRコード、テキスト検索、顔認証による受付に対応しています。
受付用QRコードを紛失してしまった場合にも、来訪者情報入力によるアポイント検索が可能です。顔情報を事前に登録することで、来訪した際にタブレットに顔をかざすだけで受付が完了します。
GoogleやOutlookカレンダーなどの外部ツール連携も可能です。カレンダーから来客の予定を登録すると、受付用ORコードが添付されたメールを自動で送信してくれるため、日時の伝え間違いなどのミスも手前に防げます。
来客通知はSlackやMicrosoft Teams、アプリブッシュ通知、メール通知、Face Timeによる通話でお知らせが可能です。
同社が提供する法人向けスマートロック「bitlock PRO」と連携することで、チェックインから会議室までの来訪者誘導までを完全無人化でおこなえます。
Acall | |||
---|---|---|---|
初期費用 | 要問い合わせ | 利用料金 | 要問い合わせ |
無料トライアル | 〇 | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | 〇 | 詳細 | 公式サイト |
Acall(旧WorkstyleOS)での受付方法は、アポイントありの場合とアポイントなしの場合に分けて柔軟な対応が可能です。アポイントありの場合にはQRコードをiPadにかざして受付をし、なしの場合には訪問者情報を入力することで受付ができます。
アポイントと会議室の予約が一貫しておこなえるのもAcallの魅力の一つです。受付業務だけでなく、関連業務の効率化も図れます。
ハードウェアとのシステム連携で防犯セキュリティ性を高めるのはもちろん、機密情報の保護など情報セキュリティにも力を入れているのが特徴です。
初期費用 | 無料 | 利用料金 | 20,000円〜 |
---|---|---|---|
無料トライアル | 要問い合わせ | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 要問い合わせ | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | 〇 | 詳細 | 公式サイト |
電話通知やメール通知、チャットツールなどから、好みの通知方法を選べます。Microsoft TeamsやSlack、LINE WORKSなどのビジネスチャットツールに対応。
また、AI検温やカレンダーなどとも連携可能で関連業務の効率化に役立ちます。来訪者は事前に発行されたQRコードでの受付が可能です。
さらに、受付システム内に保存されたデータはクラウドで一括管理しているため、情報管理が簡単であるのも魅力の一つです。
セキュリティに強い受付システムの比較表は以下のとおりです。
サービス名 | コンコンコール | ||
---|---|---|---|
初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
利用料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
無料トライアル | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
セキュリティ | 〇 | 〇 | 〇 |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
初期費用 | 要問い合わせ | 利用料金 | 要問い合わせ |
---|---|---|---|
無料トライアル | 要問い合わせ | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | ー | 詳細 | 公式サイト |
WowDeskは、事前に発行された受付番号を入力して受付手続きをするタイプのものです。番号を忘れてしまった場合にも来訪者情報を入力して受付ができます。
配達や面接など、自社の来客状況によってボタンがカスタマイズ可能です。特定の用事で来客する場合にもスムーズに受付を進められます。
来訪者が受付をおこなっている間の動画を記録でき、人違いやなりすましを防げるため、セキュリティ面で安心です。
初期費用 | 要問い合わせ | 利用料金 | 要問い合わせ |
---|---|---|---|
無料トライアル | 要問い合わせ | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | ー | 詳細 | 公式サイト |
FreeiDでは、顔認証システムを利用し、セキュリティ強化を実現しています。受付コードやQRコードを使用せず、より簡単かつ安全にオフィスの来訪者管理が可能です。
顔認証が完了すると自動で担当者に通知されるため、来訪者を待たせる心配がありません。
また、顔認証が完了後セキュリティゲートや会議室の開錠も自動でおこなうため、スムーズに入館できます。
コンコンコール | |||
---|---|---|---|
初期費用 | 要問い合わせ | 利用料金 | 要問い合わせ |
無料トライアル | 要問い合わせ | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | ー | 詳細 | 公式サイト |
コンコンコールでは来訪者が担当者を呼び出した際に、担当者のPCにカメラ映像が映し出され、来訪者を確認できます。
またハードウェアとのシステム連携で、担当者のPCからドアの開錠操作が可能です。
音声ガイダンスや表示言語の変更などが4カ国語(日本語・英語・韓国語・中国語)で対応でき、外国籍の来訪者も安心して使えます。
大規模施設向け受付システムの比較表は以下のとおりです。
サービス名 | VisitView | GuestCool | Face Touch | |
---|---|---|---|---|
初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
利用料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月額310円/ユーザー + 1,000円/サイト | 要問い合わせ |
無料トライアル | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
多言語対応 | 〇 | ー | 〇 | ー |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
初期費用 | 要問い合わせ | 利用料金 | 要問い合わせ |
---|---|---|---|
無料トライアル | 要問い合わせ | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | 〇 | 詳細 | 公式サイト |
moreReceptionでは、QRコード受付や担当者名・部署名検索、入館カード発行など多様な受付方法を採用しています。来客通知も内線やメール、SMS、MicrosoftTeamsなどのほかにも、専用アプリから受け取り可能です。
また、英語での表示や日英音声ガイダンスにも対応しています。
ウェルカムメッセージの設定など細やかな部分も設定ができるため、企業の印象向上にも効果的です。
VisitView | |||
---|---|---|---|
初期費用 | 要問い合わせ | 利用料金 | 要問い合わせ |
無料トライアル | 要問い合わせ | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | 〇 | 詳細 | 公式サイト |
VisitViewはICカード受付とQRコード(チケット)受付に対応しています。担当者が専用のWebページから事前に来訪者情報を登録しておくことで、受付手続きがさらにスムーズに。
来訪者情報はログとして管理され、日別、日付範囲での集計、CSV出力が可能です。また、ICカードや発行したQRコードによる退館処理にも対応し、退館情報はログとして残ります。
複数のオフィス(テナント)で利用可能です。
GuestCool | |||
---|---|---|---|
初期費用 | 要問い合わせ | 利用料金 | 月額310円/ユーザー + 1,000円/サイト |
無料トライアル | 要問い合わせ | システム連携 | 〇 |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | 〇 |
QRコードチェックイン | 〇 | 詳細 | 公式サイト |
Suica、PASMOをはじめとする交通系カードによる入館手続きがおこなえます。
顔認証システムによって、来訪者の同一性を確認しなりすましなどを防げるため、セキュリティ面で安心です。またセキュリティゲートと連携でき、来訪者の入退室管理、セキュリティゲート制御の連携もできます。
来訪者への給茶、ドリンクサービスと連携しおもてなしの質を高めることも可能です。
Face Touch | |||
---|---|---|---|
初期費用 | 要問い合わせ | 利用料金 | 要問い合わせ |
無料トライアル | 要問い合わせ | システム連携 | 要問い合わせ |
セキュリティ | 〇 | 受付履歴 | ー |
QRコードチェックイン | ー | 詳細 | 公式サイト |
Face Touchでは、写真から担当者を探すことができる受付システムです。
文字ばかりでなく画像で表示することによって、操作も簡単におこなえます。どんな社員がいるのかを可視化することにより、会社自体の雰囲気をアピールすることも可能です。
担当者の呼び出しの際には、専用アプリからカメラを通じて来訪者の姿が確認できます。実際の来訪者を確認することで、なりすましの事前防止策にもなるでしょう。
大きいサイネージでの使用のほか、iPadにも対応しています。
受付システムは、受付業務を自動化・無人化することで業務の効率化やミスを防ぐことが可能です。
システムによって対応可能な業務や連携できるツールなどが異なるため、自社の受付業務に必要な機能を明確にし、適した受付システムを選びましょう。今回の内容を受付システム導入時の参考にしてください。
労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
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