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雇用保険料率とは?労災保険との違いや負担率、計算方法をご紹介

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労働保険(労災保険/雇用保険)

雇用保険料率は事業主と社員それぞれが負担しますが、社会保険料(健康保険と国民年金)の負担率が異なります。また、雇用保険の適用範囲も拡大しており、注意が必要です。
今回は雇用保険料率や労働保険料との違い、納付方法のほか、その他のポイント、高年齢被保険者について、ご紹介します。

雇用保険とは

雇用保険とは、社会保険制度の一つで、労働者の生活および雇用の安定と就職の促進を目的にした保障が受けられる労働保険です。労働者は事業主とともに負担し、負担料率は事業主側が高く設定されています。
また、女性や高齢者の労働参加を促す目的により、雇用保険の適用範囲も拡大されています。雇用保険は強制適用保険制度のため、加入条件を満たした人は雇用保険への加入が義務づけられています。

労災保険との違い

労災保険とは、仕事中または通勤途中に万が一、災害で負傷・疾病し、障害または死亡した場合に支払われる保険で、費用は全額事業主が負担します。雇用形態にかかわらず、労働者の雇い入れ日から労災保険に加入しなければいけません。
労災保険も労働保険の一つで、雇用保険と同様に扱われますが、以下の点で違いがあります。

雇用保険と労災保険の違い
項目 雇用保険 労災保険
保険料の負担 事業主と労働者 事業主
目的 労働者の生活・雇用の安定
就職の促進
仕事中・通勤中に起きた負傷・疾病
傷害・死亡への保障

雇用保険の負担料率

雇用保険料は毎月の給与と賞与ともに同じ負担料率で算出しますが、計算方法に注意が必要です。

雇用保険料率(事業毎)

平成31年(平成31年4月1日から令和2年3月31日)の雇用保険料率は、平成30年と変わりません。雇用保険料率は以下となります。

事業種類毎の事業主・労働者の負担率
事業の種類 (1)労働者負担 (2)事業主負担 (1)+(2)の雇用保険料率
一般事業 3/1,000 6/1,000 9/1,000
農林水産・清酒製造の事業 4/1,000 7/1,000 11/1,000
建設事業 4/1,000 8/1,000 12/1,000

事業主負担はそれぞれ「失業等給付の保険料率」と「雇用保険二事業の保険料率」に分けられます。
各事業の振り分けは以下となります。

事業の種類 (1)失業等給付
の保険料率
(2)雇用保険二事業
の保険料率
(1)+(2)事業主負担
一般事業 3/1,000 3/1,000 6/1,000
農林水産・清酒製造の事業 4/1,000 3/1,000 7/1,000
建設事業 4/1,000 4/1,000 8/1,000

また、平成29年1月1日以降、65歳以上の高齢労働者も雇用保険の適用の対象となります。
また、令和2年から64歳以上の方も雇用保険の適用対象となります。

[厚生労働省 平成31年の雇用保険料率について ~平成30年から変更ありません~]
(https://www.mhlw.go.jp/content/000484772.pdf)
[雇用保険の適用拡大等について]
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000136394.pdf)

賞与は発生した月の計算方法

毎月の給与だけでなく、賞与にも雇用保険料が発生します。賞与にかける雇用保険料率は毎月の給与と同じです。また、雇用保険料の計算は給与と賞与それぞれで行わなければいけないため、賞与が発生する月は注意しましょう。

■賞与が発生した月の雇用保険料の計算

× (毎月の給与+賞与)× 雇用保険料率
〇 毎月の給与 × 雇用保険料+賞与 × 雇用保険料率

労災保険料の負担率

労災保険とは、仕事中または通勤途中に万が一、災害で負傷・疾病し、障害または死亡した場合に支払われる保険で、費用は全額事業主が負担します。雇用形態にかかわらず、労働者の雇い入れ日から加入し、事業主の保険料全額負担が義務づけられています。

また、保険料率は平成30年から変更はありません。労災保険の保険料率は事業種類を細分化して比率を算出します。詳細は厚生労働省が発表している[労災保険率表]
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/dl/rousaihokenritu_h30.pdf)
をご確認ください。

事業主が労災保険加入手続きを怠っていた場合、保険給付額の全額または一部を事業主が負担しなければなりません。倒産などの非常事態に備えて、必ず加入手続きを行いましょう。

労災保険の手続きの流れとは?保険証の誤使用への対策やポイントを解説!
【参考】[厚生労働省 雇用保険の適用拡大等について]
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000136394.pdf)

雇用保険・労災保険の納付方法(確定概算保険料)

雇用保険と労災保険は労働保険料として、企業が従業員の代わりに納付します。初回の労働保険料は、従業員の雇い入れが成立した日から該当年の末日までに労働者に支払う見込みの賃金総額に合わせて、確定概算保険料が決定されます。

概算保険申告書と納付書を作成し、日本銀行(本店、支店、代理店若しくは歳入代理店【全国の銀行、信用金庫の本店または支店、郵便局】)、所轄の都道府県労働局または労働基準監督署に納付します。

翌年以降の「年度更新」は、4月1日から3月31日までの1年間を単位とします。
支払われた賃金を基に保険料を精算し、さらに新年度分の見込みの賃金総額を基に概算保険料を納付しなければいけません。

労災保険料は毎年6月1日から7月10日までの間に納付し、更新の時期には厚生労働省から「概算保険料申告書」が郵送されてきます。

雇用保険料のその他のポイント

雇用保険料を計算する際は、端数処理を加味します。また、雇用保険の適用範囲の拡大や法令の厳格化が進んでおり、最新の法令に則った対応がされているかを確認しなければいけません。

端数処理とは

端数処理とは算出した賃金総額は千円未満を切り捨てる、保険料は1円未満を切り捨てる処理を指します。

労災保険料・雇用保険料はそれぞれ以下の計算式で求めます。

労災保険料=賃金総額×労災保険料率
雇用保険料=賃金総額×雇用保険料率

上記の保険料の合計が労働保険料になります。

雇用保険加入有無の確認方法

労働保険への加入有無は厚生労働省のホームページ「[労働保険適用事業場検索](https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_1a.htm)」で確認できます。事業所の都道府県、事業主名(漢字、カナどちらでも可)、法人番号、所在地等の検索条件を入れると、雇用保険・労災保険の適用状況が表示されます。
また、都道府県の労働局や労働基準監督署に問い合わせて、確認することもできます。労働保険の申請漏れが無いか、定期的に確認しましょう。

雇用保険の適用拡大について

平成29年1月1日以降、雇用保険の適用要件を満たした65歳以上の労働者は「高年齢被保険者」として雇用保険の適用対象となります。

高年齢被保険者の加入手続き

高年齢被保険者として雇用保険に加入するためには、以下の適用要件が必要です。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用見込みがあること

上記の要件を満たした65歳以上の労働者を雇用した場合、雇用した日の属する月の翌月10日までに所管のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。

雇い⼊れ後に所定労働時間の変更があり、雇用保険の適用要件に該当した場合、労働条件の変更となった⽇の属する月の翌月10日までに管轄のハローワークに提出しなければいけません。

総務省が運営するe-Gov電子申請システムを使えば、ハローワークへの来所、書類の郵送負担を軽減できます。

【参考】[厚生労働省 雇用保険の適用拡大等について]
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000136394.pdf)

各給付金の対象

65歳以上の高年齢被保険者も雇用保険の適用範囲に含まれるため、各給付金の受給要件を満たせば、高年齢求職者給付金、育児休業給付金、介護休業給付金、教育訓練給付金の受給が可能です。

高年齢被保険者の保険料免除

高年齢被保険者の雇用保険料は令和元年度(2020年3月31日まで)までは免除となります。

【参考】[厚生労働省 雇用保険の適用拡大等について]
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000136394.pdf)

まとめ

  • 雇用保険料率は年度毎に見直しがされ、保険料は事業主と労働者で負担する。一方で、労災保険は事業主の全額負担となる。賞与にも雇用保険料がかかり、賞与が発生した月はその月の給与と賞与それぞれに雇用保険料率をかけて算出した雇用保険料の合計を支払う。
  • 確定概算保険料(雇用保険料・労災保険料)は概算保険申告書と納付書を作成し、日本銀行、所轄の都道府県労働局または労働基準監督署に納付する。
  • 雇用保険料率は端数処理に注意し、最新の法令に則り、自社の雇用保険の加入状況が適切なものか、定期的に確認する
  • 雇用保険の適用拡大により、加入要件を満たす65歳以上の労働者(高年齢被保険者)も雇用保険への加入義務が発生するが、令和元年度の保険料は免除される。
岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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