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労災保険や雇用保険の保険料は誰が払う?事業主の負担率は?

労災保険料、雇用保険料は誰が支払うかご存知でしょうか?社会保険料(健康保険と国民年金)は、会社(事業主)と社員が費用を2分の1ずつ負担します。具体的には定められた「標準報酬額」に基づき保険料率を掛けて従業員分を給与天引きして、その翌月に「納入告知書」により支払うこととなります。

しかし、労働保険料の労災部分は給与明細に記載されていないので、加入しているか不安になる従業員の方も居られるかと思います。人事労務担当者が説明できるように詳しく解説していきます!

労災保険料は誰が負担するの?実は全額事業主負担

労災保険とは、仕事中または通勤途中に万が一、災害で負傷・疾病し、障害または死亡した場合に支払われる保険で、費用は全額事業主が負担します。これは、雇用形態にかかわらず、労働者が雇入れ日から加入し、事業主が保険料を支払うことが義務付けられています。

また、保険料率は事業の種類を細分化して比率を算出します。平成27年4月1日より3/1000~79/1000まで分かれており、改正前に比べて、保険料率が下がった業種の方が多くなっています。

万が一、事業主が加入手続きをしていなかった場合には、保険給付額の全額または一部を事業主が負担しなければなりません。会社の倒産などで、必要な補償を受けられない被災者が出ないためにも、ふだんから事業主が保険料を支払い、万が一に備える保険です。

給与計算担当者必見!端数処理の方法は?

労働保険料の計算方法について見ていきましょう。労災保険料は「賃金総額×労災保険料率」、雇用保険料は「賃金総額×雇用保険料率」で求め、それらを合計したものが労働保険料になります。計算する際に気をつけなければいけないのは、賃金総額は千円未満を切り捨てる、保険料は1円未満を切り捨てる端数処理です。

また、4月1日現在、満64歳以上の高齢労働者については、雇用保険の保険料が免除されるので、雇用保険料を計算する際に、注意が必要です。

雇用保険料率は何%?今後の改正予定は?

平成28年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日)の雇用保険料率は、平成27年度と比べると、すべての事業で下がっています。農林水産・清酒製造の事業の場合は13/1000、建設の事業の場合は14/1000、それ以外の一般の事業の場合は11/1000となり、職種によって異なります。

また、失業等給付の雇用保険料率も、労働者負担・事業主負担とも1/1000ずつ引き下がることになります。

また、平成29年1月1日以降、現在適用除外となっている65歳以上の高齢労働者についても雇用保険の適用の対象となり、平成32年度からは64歳以上の方について、雇用保険料の徴収が始まりますので、注意が必要です。

納付方法は?年度更新の仕組み(確定概算保険料)

初回の労働保険料は、保険関係が成立した日から該当年度の末日までに労働者に支払う見込の賃金総額に合わせて、確定概算保険料が決まり、「概算保険申告書」と「納付書」を作成し、それを日本銀行(本店、支店、代理店若しくは歳入代理店【全国の銀行、信用金庫の本店又は支店、郵便局】)、所轄の都道府県労働局または労働基準監督署に納付することになります。

また、翌年以降の「年度更新」の場合には、4月1日から3月31日までの1年間を単位とし、支払われた賃金をもとに保険料を精算し、新年度分の見込の賃金総額をもとに概算保険料を納付することになります。

これは、毎年6月1日から7月10日までの間に行う必要があり、更新の時期になると、厚生労働省から「概算保険料申告書」が郵送されてきますので、忘れずに納付するようにしましょう。

実は従業員も確認できる、労働保険加入確認方法

事業所側の社長や総務・経理の担当でない限り、自分の会社が労働保険に加入しているかどうかを確認することはできないと思っていませんか?実は、従業員でも「自分の雇用されている会社が労働保険に加入しているかどうか」を確認する方法がありますので具体的に見ていきましょう。

厚生労働省のホームページに「労働保険適用事業場検索」というサイトがあります。事業場の都道府県、事業主名(漢字、カナどちらでも可)、法人番号、所在地等の検索条件を入れると、労災保険、雇用保険の適用状況が表示されます。

また、都道府県の労働局や労働基準監督署に問い合わせることもできます。上記の確認方法があることを従業員に伝えて、安心して働いてもらえる環境を作りましょう。

まとめ

労災保険は社会保険と違って保険証が無いため、自分の会社が労災保険に加入しているか不安になった従業員に対応することも多いかと思います。しかし、従業員が「労働」して働いた際の「業務災害」は、全て労災保険により賄われます。

今、話題のフリーランスでは、一般的に業務委託となりますので、労災保険に加入しておらず、業務上の災害が起きても自己責任で対応することとなります。その違いをしっかりと認識してこれからの「働き方」を説明できるようにしましょう!

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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