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【社労士監修】雇用保険料率とは? 2021年度(令和3年)の料率や計算方法、負担率を解説!

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雇用保険料は、事業主と労働者とがそれぞれ負担しますが、事業主と労働者とでは負担率が異なります。

また、一定の要件(後述)を満たした場合、高年齢労働者を含む全ての労働者が雇用保険の被保険者となります。

今回は雇用保険料率や労働保険料との違い、計算方法や納付方法、注意したいポイント、高年齢被保険者について、解説します。

この記事でわかること

  • 2021年度(令和3年)の雇用保険料率について
  • 計算方法や負担料率について
  • 高年齢労働者の取り扱い

雇用保険とは

雇用保険制度とは、労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために、失業された方や教育訓練を受けられる方等に対して、失業等給付を支給したり、また、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上、その他労働者の福祉の増進等をはかる保険制度です。

労働者は事業主とともに負担し、負担料率は事業主側が高く設定されています。

また、雇用保険は、労働者を雇用する事業であれば、原則として強制的に適用されます。

労災保険との違い

労災保険とは、仕事中または通勤途中に万が一、災害で負傷・疾病し、障害が残った場合、または死亡した場合に支払われる保険で、費用は全額事業主が負担します。雇用形態にかかわらず、労働者の雇い入れ日から労災保険に加入しなければなりません。
労災保険と雇用保険は、どちらも労働保険に含まれますが、以下の点で違いがあります。

雇用保険と労災保険の違い
項目 雇用保険 労災保険
保険料の負担 事業主と労働者 事業主
目的 労働者の生活・雇用の安定
就職の促進
仕事中・通勤中に起きた負傷・疾病
傷害・死亡への保障

雇用保険料率について

雇用保険料は毎月の給与も賞与も同じ負担料率で算出しますが、計算方法に注意が必要です。

事業ごとの雇用保険料率

2021年度(2021年4月1日から2022年3月31日)の雇用保険料率は以下となります。
2021年1月時点での暫定の料率です。

事業種類毎の事業主・労働者の負担率
事業の種類 (1)労働者負担 (2)事業主負担 (1)+(2)の雇用保険料率
一般事業 3/1,000 6/1,000 9/1,000
農林水産・清酒製造の事業 4/1,000 7/1,000 11/1,000
建設事業 4/1,000 8/1,000 12/1,000

事業主負担はそれぞれ「失業等給付の保険料率」と「雇用保険二事業の保険料率」に分けられます。
各事業の振り分けは以下となります。

事業の種類 (1)失業等給付の保険料率 (2)雇用保険二事業の保険料率 (1)+(2)事業主負担
一般事業 3/1,000 3/1,000 6/1,000
農林水産・清酒製造の事業 4/1,000 3/1,000 7/1,000
建設事業 4/1,000 4/1,000 8/1,000

高年齢労働者も他の雇用保険被保険者と同様に雇用保険料の納付が必要です

賞与が発生する月の計算方法

毎月の給与だけでなく、賞与にも雇用保険料が発生します。賞与にかける雇用保険料率は毎月の給与と同じです。また、雇用保険料の計算は給与と賞与それぞれでおこなわなければならないため、賞与が発生する月は注意しましょう。

▼賞与が発生した月の雇用保険料の計算

✕ (毎月の給与+賞与)× 雇用保険料率
◯ (毎月の給与 × 雇用保険料)+(賞与 × 雇用保険料率)

労災保険料率について

労災保険料率について

労災保険とは、仕事中または通勤途中に万が一、災害で負傷・疾病し、障害が残った場合、または死亡した場合に支払われる保険で、費用は全額事業主が負担します。雇用形態にかかわらず、労働者の雇い入れ日から加入し、事業主の保険料全額負担が義務づけられています。

労災保険の保険料率は事業種類を細分化して比率を算出します。詳細は厚生労働省が発表している労災保険率表をご確認ください。

事業主が労災保険加入手続きを怠っていた場合、遡って保険料が徴収されるとともに、労働者が労災保険から給付を受けた金額の100%または40%を事業主が負担しなければなりません。

雇用保険・労災保険の納付方法(確定概算保険料)

雇用保険料と労災保険料とを合わせて労働保険料といいます。労働保険料は、企業が従業員の代わりに納付します。初回の労働保険料は、従業員の雇い入れが成立した日から該当年の末日までに労働者に支払う見込みの賃金総額に応じて決定されます。この見込みの賃金総額に応じて決定された労働保険料を、概算保険料といいます。

本店、支店、代理店もしくは歳入代理店(全国の銀行、信用金庫の本店または支店、郵便局)

年度更新について
納付単位 翌年以降の年度更新は、4月1日から3月31日までの1年単位
納付時期 毎年6月1日から7月10日まで
書類 概算保険料申告書(更新の時期には厚生労働省から郵送される)

支払われた賃金をもとに保険料を精算し、さらに新年度分の見込みの賃金総額をもとに概算保険料を納付しなければなりません。


雇用保険料のその他のポイント

雇用保険料を計算する際は、端数処理と従業員の加入有無を確認しましょう。

端数処理とは

端数処理とは算出した賃金総額は千円未満を切り捨てる、保険料は1円未満を切り捨てる処理を指します。

労災保険料・雇用保険料はそれぞれ以下の計算式で求めます。


労災保険料=賃金総額×労災保険料率
雇用保険料=賃金総額×雇用保険料率

上記の保険料の合計が労働保険料になります。

雇用保険加入状況の確認方法

労働保険への加入有無は厚生労働省の労働保険適用事業場検索で確認できます。

上記の情報で雇用保険・労災保険の適用状況が確認できます。
また、都道府県の労働局や労働基準監督署に問い合わせて、確認することも可能です。労働保険の申請漏れがないか、定期的に確認しましょう。

高年齢被保険者の加入手続きについて

高年齢者被保険者とは、65歳以上の雇用保険加入者を指します。雇用保険の加入条件を満たすことで、雇用保険が適用されます。

高年齢被保険者として雇用保険に加入するためには、以下の適用要件が必要です。

雇用保険の加入要件を満たした65歳以上の労働者を雇用した場合、雇用した日の属する月の翌月10日までに管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。

雇い⼊れ後に所定労働時間の変更があり、雇用保険の適用要件に該当した場合、労働条件の変更となった⽇の属する月の翌月10日までに管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。

雇用保険被保険者資格取得届は、電子申請義務化の対象手続きです


高年齢被保険者も受給要件を満たせば、高年齢求職者給付金、育児休業給付金、介護休業給付金、教育訓練給付金などの雇用保険の給付金を受給できます。

雇用保険料率:まとめ

雇用保険は強制保険制度であり、労働者を雇用する事業は、原則として強制的に適用されます。

要件を満たす高年齢労働者も雇用保険の加入義務が発生します。雇用保険料率は、毎年見直されるため、年度更新のタイミングで確認しましょう。

記事監修
岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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