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勤怠管理システム7選!料金比較と導入メリットを解説【2022年最新版】

勤怠管理システム導入のメリット・デメリットとは?比較する6つのポイントについて解説

監修者:労務SEARCH 編集部
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この記事でわかること

  • 勤怠管理システムを選ぶ際の比較ポイント
  • 勤怠管理システムの導入メリット
  • おすすめの勤怠管理システムの料金比較

多様な働き方の普及によりテレワークが拡がる中、すべての企業を対象にした年5日の有休を取得義務化(年10日以上の年次有給休暇の付与される従業員)、時間外労働の上限規制(36協定の変更)が施行され、企業の勤怠管理の重要性が増えています。

今回は中小企業が導入したい勤怠管理システムとメリットや選定方法、をご紹介します。

勤怠管理が重要視される背景

勤怠管理システム7選!料金比較と導入メリットを解説【2022年最新版】

2019年4月に年5日の年次有給休暇の確実な取得が義務づけされ、2020年4月には中小企業の時間外労働の上限規制が施行されるなど労務に関わる規制が強化されつつあります。

時間や場所に制限されない多様な働き方への価値観が浸透し、テレワークの普及が進む中、従来の勤怠管理では十分に労務管理ができない状況となっています。

こうした社会的背景がある中、今までに以上に従業員の労務管理をおこなわなければ、労働トラブルに発展してしまいます。

厚生労働省発表によると、2020年度に監督指導を行った企業は1,062企業(1年間)、支払われた割増賃金の合計額は69億8,614万円(1企業あたり平均658万円、労働者一人あたりでは平均11万円)にもおよんでいます。

一定基準を超えた違反企業は企業情報が公開され、企業価値(信用やイメージの悪化)の毀損につながります。

勤怠管理システムとは?

勤怠管理システムとは、これまで紙ベースの管理簿やExcelファイルなどで管理していた従業員の出退勤時刻や休暇取得、時間外労働時間の把握、シフトを管理するシステムです。

テレワークなど多様な働き方が拡がる中、異なるライフスタイルをもつ従業員の勤怠管理に対応するため、導入する企業が増えています。

勤怠管理システムの機能

勤怠管理システムには、主に以下の機能があります。

打刻機能(PC・スマホ、ICカード、静脈認証対応など)

従業員の出勤・退勤の打刻を一元管理できます。

有給休暇取得状況の把握および申請・付与などの管理

従業員の有休取得状況・取得率を把握することで、法令遵守や職場の働きやすさにつながります。管理者はもちろん、従業員自身も有休残日数を簡単に確認できます。
また、従業員に有給休暇を申請してもらい、承認するまでの作業をシステム上でおこなえます。

有休の日数を自動的に管理・付与することで、付与日数の計算ミスなど人為的ミスが減少します。

勤怠情報の自動集計、給与計算システムとの連携

従業員の打刻情報を自動集計し、従業員の就業時間を管理できます。また、集計情報を給与計算システムと連携し、給与計算もおこなえます。

長時間労働や打刻漏れへのアラート

長時間労働や打刻漏れが該当する従業員だけでなく、上長にアラートを飛ばし、法令違反を未然に防ぎます。

シフト管理や不正打刻の防止

パートタイム・アルバイトを含む従業員のシフト管理に加え、GPSや生体認証による不正打刻を防止できます。

勤怠管理システムは、日数単位ではなく、時間単位で従業員の労務管理をおこなっている、勤怠管理に多くの処理時間やミスが発生している企業には導入効果が高いシステムです。

勤怠管理システムの導入メリット

勤怠管理システムの導入メリット

従業員の勤怠管理を適切におこなうことは、法令遵守につながります。また、労働生産性の向上やメンタルヘルスケア、企業のイメージアップの効果も期待できます。

一方で、2019年4月施行の働き方改革関連法では、勤怠管理において「客観的な記録により労働時間を把握しなければならない」と規定されているため、企業は従業員の労働時間の把握を事実上、義務化されていると言えます。

法令遵守の労務管理の実現

法律で定められた時間外労働を遵守するためには、勤怠管理システムによるアラート機能が効果的です。

勤怠管理において、たとえ従業員の裁量であっても法令で定める時間外労働の上限に達した場合も企業に責任が問われます。

給与計算システムとの連携

勤怠管理システムは給与計算システムなど他システムと併せて管理・運用することで、業務効率化が可能です。

従業員の勤怠データを給与計算システムに連携させることで、給与計算以外にも人事・労務関連の作業における手間を省き、転記ミスなどの人為的リスクも軽減できます。

法改正へのスムーズな対応

勤怠管理システムがクラウド上で提供されており、導入企業は保守・管理が必要ありません。労務管理における法改正がおこなわれても、勤怠管理システムを提供している企業が法改正に対応するため、適宜バージョンアップがされます。そのため、導入企業は保守管理費用の削減が可能です。

法改正により、法令違反になった場合、故意か過失かにかかわらず、監督署からの是正勧告や訴訟、罰則の適用、企業名公表などのペナルティが科せられる可能性があります。勤怠管理システムは法令違反を未然に防ぐ役割も満たします。

勤怠管理システムの比較するポイント

勤怠管理システムの比較するポイント

勤怠管理システムを比較するには、次のポイントを比較しましょう。

自社に勤務形態・雇用形態に対応している

勤怠管理システムは、自社の勤務形態や雇用形態に合っているどうか確認しましょう。

正社員や契約社員、パートタイム、アルバイトなど雇用形態に対応できるか、また製造業や医療業界など作業工程が異なる従業員の有無や深夜勤務、当直などがある複雑なシフトにも対応できるかを確認しましょう。

また、テレワークの普及により、遠隔地でも不正防止や正確な勤怠管理ができるかどうかも比較する重要なポイントです。

従業員が使いやすい勤怠管理システム

勤怠管理システムは、従業員が毎日使うシステムです。
従業員にとって、できるだけ使いやすく、手軽に導入できるものを選ぶことで、企業側・従業員側の双方にとって運用しやすくなります。

また、給与計算システムとの連携有無も運用する上では大切な比較ポイントとなります。

以下のポイントを参考に、勤怠管理システムを比較・検討しましょう。

クラウド型、オンプレス型か

勤怠管理システムには、インターネット環境を通して利用できるクラウド型と、社内ネットワークを利用したオンプレミス型の2種類があります。

近年では、導入コストやランニングコストが低いクラウド型勤怠管理システムが主流となっています。また、法改正にも自動対応しているため、おすすめです。

自社独自のカスタマイズや複雑な勤怠管理、シフト管理をおこなうには、オンプレミス型が推奨されています。

人事管理システムや人事評価システム、給与計算システムとの連携

勤怠管理システムで集計したデータは、そのほかの管理システムと連携することで、各業務とのデータ受渡が可能となり、さらなる業務効率化が期待できます。

データの入力ミスといった人為的なミスを未然に防ぎ、データの変更・修正も迅速におこなえます。

スマホやタブレットへの対応

在宅勤務やテレワークを実施している企業や営業担当者が多い企業にとって、スマホやタブレットのアプリを使って、打刻ができる勤怠管理システムがおすすめです。

サポート体制の充実

勤怠管理システムを提供している企業によっては、サポート対応が有料となっている場合があります。

勤怠管理システムを導入する際には、サポート体制がどの程度充実しているのかを事前に確認しましょう。初めて勤怠管理システムを導入する場合、導入前から丁寧に、かつ無料でサポートしてくれる勤怠管理システムがおすすめです。

勤怠管理システム7選!料金表比較付き

勤怠管理システム7選!料金表比較付き

インターネット環境とPC、スマホがあればどこでも使える「クラウド型」の勤怠管理システムを選ぶ企業が増えています。既存の人事労務管理システムや給与計算システムと連携することで、業務効率化が可能です。

勤怠管理システム料金比較表

今回、おすすめする勤怠管理システムの料金比較をご紹介します。

サービス名 基本料金 利用料金 備考
マネーフォワード クラウド勤怠 4,980円/月(年額プラン) クラウド勤怠6名以上300円/名(従量課金)※中小企業向け 法人向け(50名以下を記載)
ジンジャー勤怠 400円〜/月
ハーモス勤怠 無料プラン(何名でも可)

月額3,800円〜

39名まで3,800円/月

149名まで9,800円/月

499名まで29,800円/月

999名まで59,800円/月

1000名以上は1人あたり100円/月

freee 人事労務 8,080円/月(年払い) 従業員一人あたり700円/月 プロフェッショナルの料金を記載
ジョブカン勤怠管理 無料プラン(機能制限あり)

プラン1:1人あたり200円/月

※利用機能数1つ

プラン2:1人あたり300円/月

※利用機能数2つ

プラン3:1人あたり400円/月

※利用機能数3つ

プラン4:1人あたり500円/月

※利用機能数4つ

初期費用不要

以下、4つの機能の組み合わせから選択

・出勤管理

・シフト管理

・休暇・申請管理

・工数管理(単独利用不可)

KING OF TIME 1人あたり300円/月 初期費用不要
Touch On Time 1人あたり300円/月 初期費用不要

 

以下、各勤怠管理システムの特長をご紹介します。

マネーフォワード クラウド勤怠 

マネーフォワードクラウド勤怠は勤怠チェックやシフト管理といった基本的な機能から有給休暇管理(ワークフロー)まで管理できる勤怠管理システムです。残業時間超過や有給休暇取得期限など法令違反になり得る見落としを防げる一覧やアラート機能も備わっています。

多種多様な雇用形態や複雑なシフト制を導入している企業にも柔軟に対応できます。

ジンジャー勤怠

ジンジャー勤怠は「法改正に対応」「安心サポートでラクラク導入」「誰でも使えるシンプルな画面」の3つを重視する勤怠管理システムです。打刻管理や勤怠データの自動集計といった基本的な勤怠管理機能のほか、予実管理や外国語対応も可能です。

ハーモス勤怠

ハーモス勤怠は、初期費用0円、月額費用0円の無料で使えるプランがある勤怠管理システムです。日々の勤怠管理や申請・承認(ワークフロー)、勤怠レポート(自動集計や勤怠状況の可視化)、残業アラート、有給休暇の休日・休暇管理など勤怠管理に必要な基本機能が使えるため、「まずはどんなものか導入してみたい」と考える企業におすすめです。

【参考】ハーモス勤怠

freee人事労務

freee 人事労務は、勤怠管理から給与計算(給与明細の発行や給与振込)、入社手続きから年末調整まで人事・労務を一気通貫で管理できる人事・労務システムです。管理者による手作業を省き、さらには法定三帳簿やマイナンバー管理も可能です。勤怠管理だけでなく、入社手続きなど最低限の人事・労務管理をおこないたい企業にはおすすめです。

 

【参考】freee 人事労務

ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理は、出勤管理やシフト管理、有給休暇申請・承認フローなど基本的な勤怠管理機能を備え、シンプルなワークフローや操作性が高い勤怠管理システムです。
ICカードや生体認証だけでなく、LINEやSlackからの打刻も可能です。

働き方改革関連法に即した超過労働対策(36協定超過など)や外国語対応、複雑なシフト制を採用する医療機関特化など業界の特性に応じて、選べる勤怠管理システムでもあります。

KING OF TIME(キングオブタイム)

KING OF TIMEは、「誰でも簡単に使える」「全て使える。豊富な機能。」「充実した運営管理体制」「業務の簡素化とコストダウン」「つながるKING OF TIME(外部サービスとの連携)」が特長的な勤怠管理システムです。打刻データがリアルタイムに管理画面上に反映され、作業効率化とコスト削減が期待できます。管理者軽減機能やスケジュール・シフト管理、残業基準の設定、申請承認機能、有給休暇など休暇の自動付与機能など基本的な勤怠管理機能も充実しています。

Touch On Time(タッチオンタイム)

Touch On Timeは、市場シェアNo.1、導入企業件数40,000社を超える働き方改革対応の勤怠管理システムです。

打刻機能や勤怠集計・残業集計、勤怠状況の確認、スケジュール・シフト管理、有給休暇・休暇管理機能、ワークフロー(申請・承認)など勤怠管理機能に特化した勤怠管理システムでもあります。

初期費用無料、月額300円/1人から利用できます。

まとめ

社会保険の適用範囲拡大や、時間外労働の上限規制(36協定の改定)、年5日の有給休暇取得義務化さらには多様な雇用形態や働き方が拡充され、企業による勤怠管理の重要性が増しています。

勤怠管理を怠ると企業価値の毀損につながる労働トラブルにも繋がりかねません。勤怠管理システムを利用することで法令遵守以外にも業務効率化やコスト削減の実現も期待できるため、ぜひ導入を検討してください。

監修者労務SEARCH 編集部

労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
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