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会社として従業員(サラリーマン)の副業を認めるべきか。その問題点について

インターネットの普及もあり、会社員の副業が話題となっています。2017年2月14日の毎日新聞によると、政府は「働き方改革」の一環として、企業で働く社員の兼業・副業を普及拡大するためのガイドラインを初めて作成する方針を決め、年度内に策定する予定だそうです。

この、政府の方針である「働き方改革」の流れや、会社員が勤務している会社以外で身に着くスキルや人脈を得たいとの考え方が広まっていることもあるかと思います。副業で得られる収入も魅力ですが、会社の人事労務担当者としては、就業規則との整合性やさまざまなリスクを考えなければなりません。その注意点やポイントを考えていきましょう。

会社として社員の副業を禁止することはできるの?

「副業」以外に「Wワーク」「パラレルワーク」などとも言われ、その働き方はさまざまですが、本業以外の仕事を持ち収入を得ることには変わりありません。不況といわれる昨今、副業して収入を増やす会社員が増加傾向にあるようです。

社員の副業を会社が禁止することはできるか

労働基準法や民法には副業を制限するような規制はなく、会社側が就業規則で社員の副業を禁止することは、特別な場合を除き法律上では認められていません。そのため、社員は会社との雇用契約で定められた勤務時間にのみ労働を行うのが通常であり、就業時間外は何をしてもその人の自由とされているため、副業を行っても何ら問題はないのです。

しかし、上記で述べた「特別な場合」にあたる以下の3つの事柄に該当する場合は、副業を禁止することができます。

副業を禁止できる3つの事柄

  1. 副業をすることによって疲労が溜まり、業務効率低下など本業に影響が出る
  2. 副業の内容が会社の信用・信頼を壊す可能性がある
  3. 本業と副業が競業関係になる

上記の23に関して、一部上場企業に勤めている場合は、その勤め先の株(株価、株主)などにもかかわってきます。そして、情報の漏洩や会社でいただいた名刺を副業で勝手に使用することも、会社の品位を下げる行為だとされかねません。

会社の仕事が終わった後にほかの会社で勤務した場合の労働時間の考え方

労働基準法においての労働時間の考え方

本業と副業の労働時間は通算されます。労働基準法第38条第1項では、「事業場を異にする場合、労働時間の適用に関する規定の適用については通算する」と定められており、通算して1週間で40時間、1日で8時間を超えた場合は時間外労働と扱われ、残業代(時間外手当)の支払い義務が出てきます。

例)本業のA会社で8時間働き、副業するB社で4時間働く場合。

労働基準法第37条に「使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。時間外に使用した事業主は、割増賃金を支払わなければならない」とあります。

ですから、A社とB社どちらが割増賃金を支払うのかという点については、A社で8時間働いていること知りつつB社が働かせている場合、B社が4時間分の時間外手当を支払うことになります。

2ヶ所以上から給与を受けている人は確定申告が必要?

会社の役員、会社員、契約社員がパート、アルバイトでの掛け持ちをしたりすると、メインとする会社の年末調整とは別に、原則として個人での確定申告が必要となります。これは所得税・地方税を確定申告によって再計算し、正しい所得税を算出するためです。

複数の所得を得ている場合の確定申告

まず主たる給与であるか、従たる給与であるかを確認します。主たる給与は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与のことで、年末調整の書類を提出する会社から受け取る給与を指します。従たる給与は、それ以外の給与のことを指します。

主たる給与を受けている会社で年末調整をしても、従たる給与を受けている会社では年末調整が行えません。そのため、個人で複数の収入を合算ののち、その総額で所得税を計算し、正しく納税するための確定申告を行います。

ただし、以下に該当する人は、確定申告の必要はありません。

複数の所得を得ている場合で確定申告の必要のない人

  • 給与所得の収入金額から雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下の方で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人
  • 給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人

副業禁止の会社で副業が発覚したら、懲戒処分はどこまで出来るのか?

実際、就業規則で副業を禁止している会社で副業が発覚した場合、どのような懲戒処分ができるのでしょうか。冒頭で少し触れましたが、労働者は労働契約によって定められた労働時間にのみ労働することが原則です。

就業時間外は本来労働者の自由な時間であるということは法律でも決まっており、就業規則等で副業や二重就職を禁止することは、特別な場合を除いては原則的に許可されません。しかし、以下のような場合は副業の禁止および懲戒処分が行われます。

就業規則等で副業の禁止、懲戒処分が行われるケース

上記の「会社として社員の副業を禁止することはできるの?」で説明したように、寝不足からの遅刻、仕事中の居眠りなど本業の仕事の能率が副業をすることによって低下することが見受けられる場合は、会社側が副業を禁止することができます。

また、競合会社など本業の仕事内容に近い会社で働き、本業の会社の信用を無くす場合も禁止できます。企業の秩序を乱す違反行為に対して課される制裁とされ、軽いものでは「口頭で注意を受ける戒告」「始末書の提出を求められる譴責処分」が存在し、それよりも重い処分は「諭旨解雇」や「懲戒処分」を科すこともできるでしょう。

まとめ

社員の副業については政府が推進していることもあり、これから社内でも対応を検討し直すべき課題であると言えるのではないでしょうか。人事労務担当者としては会社へのデメリットを考慮し、就業規則等や、社員が副業を行うことによって出てくる弊害についても考えないといけません。ここでご紹介した内容を参考に、時代にあったより良い会社作りをしていきましょう。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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