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源泉徴収票とは?基礎知識や項目内容、作成方法から発行タイミングまで徹底解説

従業員を雇用している会社は、1年に一度、多くの場合は年末調整後に、源泉徴収票を発行することになります。源泉徴収票は従業員にとって大切な書類のため、経営者や人事担当者は発行する目的やタイミング、作成方法を熟知している必要があります。今回の記事では、源泉徴収票の概要や記入項目、作成方法を解説します。

源泉徴収票とは

給与所得の源泉徴収票(同合計表)

【出典】[手続名]給与所得の源泉徴収票(同合計表)/国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100051.htm

源泉徴収票とは、1年間で支払った給与と徴収した税金の金額が記載された用紙です。
源泉徴収票を発行するタイミングは主に以下があげられます。

  • 従業員の退職時
  • 年末調整業務の終了時
  • 従業員の依頼に応じて

従業員が会社を退職する場合、退職した年の1月1日から退職日までの給与に基づいて源泉徴収票を発行します。

また、年末調整(所得税の支払いの過不足を調整するもの)終了後、従業員に1部(主に確定申告用)、税務署に1部、市区町村には2部提出するため、計4枚の源泉徴収票を作成します。

給与所得と退職所得の違い

源泉徴収票には、給与所得の源泉徴収票や退職所得の源泉徴収票、そして公的年金等の源泉徴収票の3種類があります。また、給与所得と退職所得は以下の違いがあります。

給与所得と退職所得の違い
給与所得 退職所得
会社から定期的に支払われる報酬にかかる所得

雇用契約に基づいて、毎月一定期間で支払われる給与と、夏と冬に支払われることが多い賞与から給与所得控除を差し引いたものを「給与所得」と呼ぶ。

退職した労働者に支払われる報酬にかかる所得

雇用契約に基づいて、支給額や支給条件が定められている。また、賃金に該当すると判断される場合、給与所得とみなされることがある。

給与所得は年末調整の対象ですが、退職所得は分離課税のため、年末調整の対象外となります。

源泉徴収票が必要な理由

源泉徴収票は年末調整後の確定申告や転職、公的年金の裁定、融資や賃貸契約、保育園の入園といった申告・申請時に年収や所得税を証明するために必要です。年末調整は年度内で12月の給与を支払った企業が行うため、年度中に転職した従業員には源泉徴収票を発行し、転職先に年末調整を行ってもらう必要があります。

源泉徴収票の項目を確認

「給与所得の源泉徴収票」は厚生労働省のホームページからをダウンロードすることができます。
給与所得の源泉徴収票(同合計表)

【出典】[手続名]給与所得の源泉徴収票(同合計表)/国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100051.htm

源泉徴収票には以下の項目が設けられています。

項目 詳細
支払金額 会社が1年間で支払った給与の総額。基本給、役職手当、残業代、賞与も対象となり、各種控除が適用される前の金額を記入する。
給与所得控除後の金額 支払金額から給与所得控除額を差し引いた金額 ※1
所得控除額の合計額 社会保険料控除、基礎控除、配偶者控、生命保険料控除、扶養控除、震保険料控除など各種控除金額を合計した金額
源泉徴収税額 年末調整後の源泉所得税額 ※2
控除対象配偶者の有無
控除対象扶養家族の数 扶養家族の人数
社会保険料等の金額
生命保険料の控除額

※1 企業に所属している人の場合、支払金額から給与所得控除額を差し引いて所得税を計算します。差し引かれる金額は、年収によって決まります。なお、「給与所得控除額」は、源泉徴収票には記載されません。

※2 年末調整をしない場合は、その年に源泉徴収すべき所得税額を記入します。

源泉徴収票の作成方法

源泉徴収票に記入する項目は支払金額、所得控除額の合計額、源泉徴収税額、控除対象扶養家族の数、社会保険料等の金額、生命保険料の控除額です。

作成時期とタイミング

源泉徴収票の作成は、従業員の退職時、年末調整業務後、そして従業員の要請に応じて行います。

近年では労働市場が流動化し、転職者も多くなっています。また、源泉徴収票は正社員だけでなく、アルバイトやパートタイムなど雇用形態に関係なく発行しなければならず、学生アルバイトであれば、卒業月である3月に源泉徴収票を作成することが多いです。

支払金額と給与所得控除後の金額を記入

支払金額には控除や源泉徴収がされる前の報酬の総額(給与収入)を記入します。給与所得控除後の金額は給与収入から給与所得控除額を差し引くことで算出できます。

給与所得控除額は給与収入金額に応じて異なります。

給与収入額 給与所得控除額
1,625,000円まで 650,000円
1,625,001円から1,800,000円まで 年収×40%
1,800,001円から3,600,000円まで 年収×30%+180,000円
3,600,001円から6,600,000円まで 年収×20%+540,000円
6,600,001円から10,000,000円まで 年収×10%+1,200,000円
10,000,001円以上 2,200,000円

【参考】国税庁 給与所得者と税 令和元年分
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_1.htm

【例】30代独身男性 年収450万円のAさんの場合
給与所得控除額(144万円)=450万円×20%+54万円

450万円(支払金額) – 144万円(給与所得控除額)=306万円(給与所得控除後の金額)

給与所得控除後の金額は、306万円となります。

所得控除額の合計額を記入

所得控除額と対象となる項目は以下のとおりです。

控除内容 控除金額
基礎控除 38万円
配偶者控除 13万円~48万円
配偶者特別控除 1万円~38万円
扶養控除 38万円、48万円、58万円、63万円
障害者控除 27万円、40万円、75万円
寡婦(寡夫)控除 27万円、35万円
勤労学生控除 27万円
社会保険料控除 健康保険、厚生年金、雇用保険、介護保険の保険料の金額
生命保険料控除 生命保険、介護医療保険、個人年金保険の保険料の金額
(最大12万円まで)
地震保険料控除 地震保険の保険料の金額(最大5万円 まで)
小規模企業共済等掛金控除 個人型確定拠出年金、小規模企業共済等の掛金の金額

【例】30代独身男性 年収450万円のAさんの場合
基礎控除38万円+社会保険料控除60万円(※)=98万円(所得控除の額)

社会保険料控除額は概算です。健康保険組合や地域によって保険料率が異なります。

源泉徴収税額の記入

源泉徴収税額(所得税額)は、支払金額から給与控除額と所得控除額を差し引いた課税所得額に所得税率をかけて算出します。

給与所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超 330万円以下 10% 97,500円
330万円超 695万円以下 20% 427,500円
695万円超 900万円以下 23% 636,000円
900万円超 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

【例】30代独身男性 年収450万円のAさんの場合
450万円-144万円(給与所得控除額)-98万円(所得控除額)=208万円(課税所得金額)

208万円×10%=20万8千円(源泉徴収税額)

復興特別所得税の算出

復興特別所得税は課税所得額に2.1%をかけた金額となります。

【例】30代独身男性 年収450万円のAさんの場合
208万円×2.1%=4万3,680円

最終的な源泉徴収税額は

20万8千円+4万3,680円=25万1,680円

となります。

【参考】国税庁 No.2507 復興特別所得税の源泉徴収
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2507.htm

そのほかの項目を記入

支払金額、所得控除額の合計額、源泉徴収税額は別途算出が必要ですが、控除対象扶養家族の数、社会保険料等の金額、生命保険料の金額は確定していることが多いため、別途算出する機会は多くありません。

源泉徴収票作成の注意事項

源泉徴収票を作成する際は、以下の点に注意しなければなりません。

  • マイナンバーの記載は不要
  • 通勤手当ては支払金額には含まない

マイナンバー制度の施行後、会社に提出する各種書類にマイナンバーを記載する機会が増えましたが、源泉徴収票への記載は不要です。

また、源泉徴収票の支払金額には1年間に支払われた給与と賞与の総額を記載します。給与には各種手当が含まれていますが、そのうち、通勤手当は課税対象外(条件により最大月額15万円まで)のため、支払金額には含めません。

源泉徴収票の発行・再発行は事業主の義務

源泉徴収の発行は事業主(企業)に義務づけられています。そのため、年末調整後や従業員の退職時だけでなく、紛失による再発行、従業員の要請に応じて発行しなければなりません。源泉徴収票は給与を支払っていた企業にしか発行できないため、退職後の従業員の依頼にも応じる必要があります。

まとめ

  • 源泉徴収票とは1年間で支払った報酬と徴収した税金の金額が記載された用紙である
  • 源泉徴収票の発行は企業の義務であり、は年末調整業務後や従業員の退職時、従業員の依頼に応じて、発行しなければならない
  • 源泉徴収票作成には、支払金額、所得控除額の合計額、源泉徴収税額、控除対象扶養家族の数、社会保険料等の金額、生命保険料の控除額を記入する
ソビア社会保険労務士事務所 代表社労士/ホワイト財団 代表理事|五味田 匡功

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