人事・労務の課題を解決するメディア労務SEARCH

Facebook twitter
無料メールマガジン登録受付中!

雇用保険とは? 概要や対象者の適用範囲、計算方法から助成金・給付金までをわかりやすく解説!

この記事をシェアする

Twitter Facebook Pocket LINE はてなブックマーク

雇用保険は政府が管掌する強制保険制度です。

今まで雇用保険は何度も法改正がされています。また、雇用保険によって、多様な働き方を求める労働者の保護強化や労働環境の向上を目指す企業にも助成金・補助金の支援がなされています。

今回は雇用保険の概要やこれまでの法改正の内容、雇用保険の適用範囲から手続き、給付金までを解説します。

この記事でわかること

  • 雇用保険の概要と全体の流れ
  • 人事・労務担当者として押さえるべきポイント

雇用保険とは

雇用保険制度とは

雇用保険とは、労働者の生活および雇用の安定と就職の促進のために、労働者が失業した場合、および教育訓練を受けている場合に、失業等給付を支給する目的で創設された、政府が管掌する強制保険制度です。

雇用保険への加入者は、失業や定年後再雇用に伴う収入の減少、育児休業・介護休業を取得した場合に以下の給付を受けられます。

雇用保険の給付金

    • 失業等給付
    • 高年齢被保険者に対する求職者給付
    • 高年齢雇用継続給付金
    • 育児休業給付
    • 介護休業給付

一部抜粋

また、事業主は雇用調整助成金や特定求職者雇用開発助成金、キャリアアップ助成金など支援を目的とした助成金を受けることができます。]

これまでの雇用保険関連の法改正について

これまで労働者保護の観点や多様な働き方への対応として、雇用保険は何度も法改正の対象となっています。

近年、これまでの法改正によって変更された内容は以下のとおりです。

法改正による雇用保険の変更

  • 基本手当の拡充
  • 育児休業給付の支給期間の延長
  • 専門実践教育訓練給付の給付率の引き上げ
  • 失業等給付に係る雇用保険料率の引き下げ
  • 介護休業給付の給付率の引き上げ
  • 65歳以上の方への雇用保険の適用対象の拡大
  • 高年齢雇用継続給付の給付率の見直し
  • 複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者に対する雇用保険の適用
  • 育児休業給付の位置づけの見直しと経理の明確化
  • 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための臨時特例措置

一部抜粋

雇用保険の適用範囲について

雇用保険制度の適用範囲について

雇用保険は業種や規模にかかわらず、事業主は雇用保険の適用事業所となります。(一般被保険者や登録型派遣労働者の適用基準は週所定労働時間や雇用継続期間で定められています)

雇用保険の被保険者
適用事業に雇用されるすべての労働者(雇用関係によって、収入を得る労働者)
法人の代表や取締役、合名会社の社員、合資会社の無限責任者、個人事業主などは対象外

また、パートタイム労働者は以下のすべての条件を満たす場合、雇用保険の加入対象となります。

パートタイム労働者の適用条件

  • 1週間当たりの所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上引き続き雇用される見込みや予定があること

65歳以上の労働者も高年齢被保険者として雇用保険の加入対象です。

事業主は労働者が企業に入社または要件を満たした翌月の10日までに事業所を管轄するハローワークに雇用保険被保険者資格取得届を提出します。

雇用保険料の計算

雇用保険料の計算

雇用保険料は以下の計算式で算出します。

雇用保険料=賃金×雇用保険料率

雇用保険料の計算式の基準となる賃金は以下が含まれます。

賃金の対象と対象外について
賃金の対象基本賃金、時間外労働手当(深夜手当を含む)家族手当、賞与、通勤手当、扶養手当、休業手当、社会保険料、雇用保険料など
賃金の対象外 役員報酬、結婚祝い金、死亡弔慰金、退職金、休業補償費、傷病手当金、出張旅費・宿泊費

2022年(令和4年度)の雇用保険料率

・2022年4月から、事業主負担の保険料率が変更されました。
・2022年10月から、労働者負担・事業主負担の保険料率が変更されます。
・年度の途中(4月と10月)から保険料率が変更となるため、注意が必要です。

2022年4月1日〜2022年9月30日

2022年(令和4年度)の雇用保険料率
事業種類毎の事業主・労働者の負担率
事業の種類(1)労働者負担(2)事業主負担(1)+(2)の雇用保険料率
一般事業 3/1,000 6.5/1,000 9.5/1,000
農林水産・清酒製造の事業 4/1,000 7.5/1,000 11.5/1,000
建設事業 4/1,000 8.5/1,000 12.5/1,000

2022年10月1日〜2023年3月31日

2022年(令和4年度)の雇用保険料率
事業種類毎の事業主・労働者の負担率
事業の種類(1)労働者負担(2)事業主負担(1)+(2)の雇用保険料率
一般事業 5/1,000 8.5/1,000 13.5/1,000
農林水産・清酒製造の事業 6/1,000 9.5/1,000 15.5/1,000
建設事業 6/1,000 10.5/1,000 16.5/1,000

雇用保険料の提出先・期限・納付方法

雇用保険料の納付は、年度更新(毎年6月1日から7月10日)に納付します(労働者災害保険料と一括で納付)。

雇用保険料の納付方法・期限・提出先
提出先所轄の労働基準監督署(労働保険概算保険料申告書・確定保険料申告書を提出)
提出期限 毎年6月1日〜7月10日まで
納付方法 労働基準監督署または納付書により金融機関(口座振替も可)で納付

特例で納付期限が延長される可能性があります。

雇用保険の給付金・助成金

 雇用保険制度の給付金・助成金

雇用保険では、労働者が受け取れる失業等給付金と事業主が受け取れる助成金の2種類があります。

労働者が受け取れる失業給付金

雇用保険では、労働者が受け取れる失業等給付金が存在します。

労働者向け失業給付
給付金の種類 詳細
求職者給付 基本手当、技能習得手当、寄宿手当、傷病手当、高年齢求職者給付金、特例一時金、日雇労働求職者給付金が該当します
就職促進給付 就職促進手当(再就職手当、就業促進定着手当、終業手当、常用就職支度手当)、移転費、求職活動支援金(広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費)が該当します
教育訓練給付 教育訓練給付が該当します
雇用継続給付 高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付が該当します

近年、育児・介護休業法の法改正が続いており、ワークライフバランスの実現と柔軟かつ多様な働き方の需要が高まっています。

企業向け助成金・奨励金

雇用保険の中には、雇用調整助成金をはじめ、労働者の雇用維持や生産性向上、労働環境の改善、雇用管理の改善、雇用創出を目的とした助成金・補助金の受給が可能です。

企業向け助成金・奨励金
助成金の種類 説明
雇用調整助成金 事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用維持を図るために、休業手当などの一部を助成する制度です
業務改善助成金 中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取り組みを支援する制度です
既存不適合機械等更新支援補助金 既存不適合機械等の更新が進まない資力の乏しい中小企業を支援する補助金です
産業保健関係助成金 ストレスチェック助成金や職場環境改善計画助成金、心の健康づくり計画助成金、小規模事業場産業医活動助成金が該当します
人材確保等支援助成金 中小企業に雇用管理の改善・雇用創出を目的にした労働環境の向上を図るための助成金です
時間外労働等改善助成金 労働者の労働条件の改善のために、時間外労働の削減や賃金引き上げに向けた取り組みを実施した場合への助成金です

一部抜粋

労働者保護の観点から、労務関連の法改正が続いていますが、雇用創出や雇用維持を目的にした場合、事業主は助成金・補助金が受給できます。

まとめ

65歳以上雇用や女性の活躍促進、優秀な人材の確保・定着が事業主の重要な経営課題になるなかで、法改正が進む雇用保険に迅速な対応が必要です。

雇用保険は政府が管掌する強制保険制度です。法令順守の観点からも雇用保険の加入漏れがないかどうかしっかり管理しましょう。

e-Govをもっと便利に使うなら。無料で使えるe-Gov電子申請連携ツール「オフィスステーション 労務ライト」。
各種簡単ガイド一覧はこちら